平成13年10月県議会一般質問

4.行政情報化の推進
(1)ITを活用した情報公開の推進(総務部長)
(2)防災ポータルサイトの構築(生活環境部長)
(3)電子入札制度の導入(土木部長)
(4)市町村の行政情報化推進(企画部長)

質問:井手義弘
 次に、ITを活用した情報公開の推進について総務部長にお伺いいたします。

 ホームページを活用した情報公開については、高知県が大変先進的な取り組みを行っています。高知県のホームページでは、知事の交際費にとどまらず、部門や出先の長などの交際費もすべて公開されております。部門別の食糧費についてもすべて公開されています。驚くことに、タクシー券の使い先まで具体的にアップロードされております。

 我が県においても、こうした先進事例を参考にしつつ、IT社会に対応した開かれた県政を推進して行かなければなりません。そのために、庁内の文書管理システムの充実をはかりながら、それと平行して、公文書のデータベースを整備する必要があると思います。そして、この公文書の検索目録をインターネットで公開し、情報開示請求の受付も行えるような仕組みづくりが必要です。

 文書管理システムの整備、公文書のデータベース構築とその検索目録の公開、インターネットによる開示請求について、総務部長にお考えをお伺いいたします。

答弁:総務部長
 ITを活用した情報公開の推進についてお答えいたします。

 まず、ITを活用した文書管理システムの整備についてでありますが、国の平成15年度を目標とした電子政府の基盤構築への動きを踏まえ、現在、関係部局せの調整を図りながら、文書管理システムの基本計画策定のための調査を行っているところであります。

 今後、早期に運用が図られるようシステム開発に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、公文書のデータベース構築とその検索目録の公開についてでありますが、公文書のデータベース構築につきましては、文書管理システムの機能に位置づけられるものであり、システムの整備の中で対応してまいりたいと考えております。

 また、公文書の検索目録につきましては、県が保有している文書の件名等について、県民の方々が容易に知ることができるよう、県のホームページ上で公開することかできるシステムづくりを進めてまいりたいと考えております。

 最後に、インターネットによる開示請求についてでありますが、開示請求書は、現在、県のホームページからダウンロードができるようにしております。

 今後は開示請求をされる方の一層の利便を図るため、電子メールやホームページを活用したインターネットによる開示請求について、さらに検討してまいりたいと考えております。

 今後とも、県民の皆様の立場に立って、ITを活用して積極的に情報公開を進め、開かれた県政の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。

質問:井手義弘
 次に、台風や集中豪雨、地震・津波などの自然災害、先のJCO事故に見られるような大規模事故に対応できる防災情報のホームページの立ち上げについて、生活環境部長にお伺いいたします。

 現在でも、雨やカミナリの状況、天気予報、台風の進路などの気象情報は、たくさんのホームページ上から発信されています。原子力施設周辺のガンマ線の空間線量も、9月1日より、いつでもリアルタイムで知ることができるようになりました。河川の水位や海岸の潮位も、国土交通省などのサイトに接続すれば入手できます。

 今後、道路の渋滞状況や工事情報も、インターネットで配信されてくるものと思います。

 こうした有益な情報を、県のホームページ上に一元的に集約して、このページを見れば、大事な情報がすぐに確実に入手できるページ、茨城県版防災ポータルサイトを整備することを提案します。また、将来的には携帯電話端末でもアクセスできるようになれば、より充実したサイトになるものと考えます。

 防災ポータルサイトの構築について、生活環境部長のご見解をお伺いいたします。

答弁:生活環境部長
 防災ポータルサイトの構築についてお答えいたします。

 現在、県では、大規模な災害が発生した場合はもとより、台風の接近時など、災害の発生する恐れのある場合にも、降雨量や河川の水位状況、あるいは、被害状況や復旧の状況など、県民の方々が必要とする情報について、県のホームページから、できるだけ速やかに提供しているところでございます。

 しかしながら、さらに多くの情報を、分かりやすく、より迅速に提供するためには、議員ご提案のような「防災ポータルサイト」によりまして、一ケ所からアクセス出来るようにすることが、県民サービスの面からも必要なことでありますので、現在、「県IT戦略会議」において、防災関係を含めた生活情報の提供のあり方についての検討がなされているところでありますことから、その最終報告書を踏まえまして、より入手しやすい防災情報の提供のあり方について研究してまいりたいと存じます。

 また、当面の対応と心たしましては、注意報や警報の発令状況、あるいは、台風情報や地震情報などについても、関係機関などのホームページと繋げること、いわゆる「リンクを張る」ことについて調整を行い、県民の方々が、より簡便に防災閲憐情報を入手できるよう、努めてまいりたいと考えております。

質問:井手義弘
 次に、公共事業の電子入札制度についてお伺いいたします。

 私は、九月に神奈川県横須賀市を訪問し、電子入札制度の導入状況について調査いたしました。

 横須賀市においては、平成11年4月より、電子入札制度を導入しました。当初は、インターネットで入札の情報を公開し、入札は郵便によって行い、その結果をインターネット上で公開するというものでした。この方式を導入した結果、年間20億円の経費を削減することが出来ました。市民にとって入札という密室での行為がオープンになり、入札の信頼性が高まりました。業者にとっては、入札への参加者が2.5倍に増え、市内業者の受注率が、68.4%から80.1%に向上ました。

 こうした成功事例を見るにつけ、私は、一般競争入札の範囲拡大や予定価格の事前公表制度の拡大などの条件整備を早急に進め、電子入札制度を一刻も早く実用化することが必要だと考えます。

 土木部長のお考えをお伺いいたします。

答弁:土木部長
 電子入札制度の導入についてお答えいたします。

 県といたしましては、入札・契約手続の適正化を推進していくうえで透明性の確保や公正な競争の促進を図ることは大変重要であると認識しておております。

 現在、予定価格10億円以上の工事を対象とした一般競争入札や、1億円以上の建設工事の予定価格の事前公表を実施しているところでありますが、これらの適用範囲のさらなる拡大につきましては、不正行為の排除の徹底、県内建設業者の受注機会の確保、そして行政コストの縮減の観点などから、国の動向や近県の状況を踏まえて検討してまいります。

 次に、電子入札制度についてでございますが、国においては、この10月から一部開始するとともに、地方展開アクションプログラムが示され、都道府県においても平成15年度から一部の工事に導入するよう求めております。

 このような状況を踏まえ、県といたしましては、市町村を含めた発注機関と、受注者である建設関連団体からなる「建設ITいばらき推進協議会」をこの8月に設立したところでございます。

 今後、この協議会を中心に、本県における課題を整理し、電子入札制度の段階的な導入について検討を進めてまいります。

質問:井手義弘
 つぎに、市町村への支援について伺います。

 行政の情報化は、住民に最も近いところでサービスを提供する市町村の役割が最も大切になります。

 県内市町村の行政情報化の現状について、役所や役場内での推進体制が確立されているかどうか、庁内LANが整備されているかどうか、ホームページが公開されているか、市町村の職員一人ひとりにメールアドレスが配布されているか、などなど、様々な視点があると思いますが、その現状を県はどのように認識しているのでしょうか。

 また、県は、市町村の行政情報化の推進について、どのような支援をされようとしているのか、企画部長にご所見をお伺いしたいと存じます。

答弁:企画部長
 次に、市町村の行政情報化推進支援についてお答えいたします。

 市町村の行政情報化につきましては、行政の効率化や住民サービスの向上を図るため、電子自治体構築に向け、積極的な取り組みが求められております。

 県内市町村の現状でございますが、ホームページについては、既に74市町村で開設されており、残る市町村についても、ほぼ年度内には開設される予定と聞いております。

 しかしながら、インターネットに接続された庁内LANの整備及び職員一人ひとりへのメールアドレスの配布については11市町村、庁内の推進体制についても、情報担当課や係りの設置が32市町村にとどまっているなど、市町村によって情報化への取り組み状況に開きが生じております。

 このため、県では市町村振興協会と連携して、専門家を派遣して総合的なIT化推進の助言をする「市町村IT化推進アドバイザー派遣事業」の創設や、県と市町村が共通に利用できる「スポーツ施設予約システム」の検討など、全ての市町村がIT革命に的確に対応できるよう支援に努めているところです。

 今後も、県がコーディネーターとなり、電子自治体構築に必要な電子申請の受付といったシステムについても、市町村で共通に利用できるシステムの導入を支援するなど、市町村の情報化の取り組みを一層促進してまいりたいと考えております。




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