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岡山情報ハイウェイ構想
 県が独自に光ファイバー網を整備・自治体情報基盤整備のトップランナー

010905okayama_mae 井手よしひろ県議は、2001年9月5日午前、岡山県庁を訪ね企画振興部IT推進室情報政策課石原伸一主幹から、岡山県のIT戦略の概要をお聞きしました。

 岡山県は、他県に先駆けて1996年(平成8年)から『岡山情報ハイウェー構想』を立ち上げ、自前で光ファイバー網の構築を進めてきました。2001年3月には、基幹回線の接続が完了しました。こうした光ファイバー網は、石井正弘知事のリーダシップに負うところ大きいと思われます。

010905okayama_ishihara 現在のように国のIT基盤整備に補助金(地域イントラネット整備事業など)が整備される以前から、着々と整備を進めて来たことになります。その財源には、地域総合整備債を活用してきました。整備に要した費用は22億円程度ですが、補助金や地方交付税による国の負担分を差し引くと実質9億円程度で整備する事ができました。

 このような岡山県の実例を参考に、国の新たな補助の骨格が整備され、全国の自治体の大きな影響を与えています。

 中四国では、岡山県を初めてして、広島、山口、高知、愛媛県などが情報基盤整備に着手し、鳥取県や香川県なども計画を進めています。中四国に一大情報ネット基盤が整備されようとしています。そしてそのハブ機能を岡山県や岡山市が担おうとしています。

参考:岡山県IT推進室情報政策課のHP:リンク切れ


岡山情報ハイウェイの特色

 岡山情報ハイウェイの特色の第一は、県が直接インフラ整備に係わったということです。これは通信インフラの整備が、地域間格差の是正という行政本来の役割に通じるという認識からです。

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 しかし、民間事業により同種の効果が期待できる場合には、行政の役割は必要最小限に止めるべきであるのは言うまでもなく、このため岡山情報ハイウェイの整備にあたっても、県が自ら家庭までのアクセスラインの提供は行わず、またプロバイダ事業を行う計画もありません。県が整備するのは、県内を巡る幹線部分であり、実際に県民を接続するための支線部分についてはプロバイダやCATV事業者といった民間事業者と相互接続することで可能としています。

 この幹線部分は、県が主体となって県庁と県内9か所の地方振興局間を高速・大容量(155〜622Mbps)の光ファイバで結んだ通信網として整備し、これを無償で市町村や民間企業、研究機関、さらにケーブルテレビ事業者やインターネット接続業者(プロバイダ)等の通信事業者を通じて広く県民等に開放しています。

 第二の特徴は、県内高速な岡山情報ハイウェイの性能を最大限に活かし、様々なプロバイダやCATVがよりよいサービスが提供されるよう、ネットワークの経路制御を行うことにです。

 通常のインターネットの世界では、利用者が異なるプロバイダと契約している場合、この利用者間のデータのやりとりは東京・大阪の相互接続地点(NSPIXP)を経由するため、上位プロバイダとの契約速度や一次プロバイダのバックボーンの状況に影響を受けることとなり、高速大容量の情報ハイウェイの性能を十分に発揮することができません。

 そこで、岡山情報ハイウェイ内では、インターネットへのアップリンク速度の影響を受けない地域IX機能(地域IX・OKIX)を整備しました。この環境は特にCATVや動画配信など高速専用線で、岡山情報ハイウェイに接続される場合などに顕著な効果が現れてきます。 (OKIXは「Okayama Internet eXchange」の略:HPはこちら)

 そして、第三の特徴であり最大きな特色は、利用方法あるいはアプリケーション、情報の種類を、例えば行政情報の提供であるとか、産業分野であるとか特定のものに限定せず、県民生活を向上させるためのあらゆるものを想定している点にあります。

 これに各利用者が最新のVPN(Virtual Private Network)等のネットワーク技術を活用することで個々のネットワークシステムのセキュリティを確保でき、プライバシーに関するものなど、従来専用線利用に限定されていたシステムにも活用することができるようになります。あらゆる分野において利用範囲を広がるものと考えられます。

参考:岡山情報ハイウェイについて:リンク切れ


現状と今後の取り組み

 今年3月に完成した『岡山情報ハイウェー』は、インターネットプロバイダー(ISP)やCATVなどの民間事業者に無料で開放されています。特に、地域のISPやCATV事業者にとって、事業の拡大に直結し、結果として地域の活性化にも寄与しています。

 もちろん、県の出先機関(地方振興局、研究機関、土木事務所など)112カ所も2001年3月までに接続が完了しました。

 さらに、県内の市町村も接続を進めています。2001年7月末現在で、光ファイバーで直結されている市町村が44、ケーブルテレビ経由(実質はCATV事業者が敷設した光ファイバーで接続されている)で接続されている市町村が3、合計で47市町村がすでに岡山情報ハイウェーに接続されています。現在整備中または補助事業申請手続き中で、15市町村が2002年上半期に接続予定です。78市町村中、62市町村が一年以内に接続可能の状況にあります。

 教育機関のインターネット接続も『岡山情報ハイウェー』を活用して進められています。1999年10月には、県立高校79校のすべてにインターネット接続が完了し、2001年9月には、1.5Mbps以上の高速回線に増強されました。

 小中学校のインターネット接続を進んでおり、全630校中100校以上が2001年度中に高速回線に接続される計画になっています。


ブロードバンドの威力を実感

3Mのデータのダウンロードで速度を実測すると、所要時間9.94秒、2.4Mbpsの速度が出ていました。  9月4日から5日かけての視察では、ネットカフェや県庁の待合室に設けられたインターネットスペースで空き時間を有効に過ごすことができました。

 岡山県庁一階のロビーには情報キオスクが設けられています。岡山情報ハイウェーに接続された高速のインターネットを、誰もが無料で使うことができます。(より多くのひとに使っていただけるようにと一人1時間程度にして下さいとの表示がされていましたが、私が使っていた間は、他の利用者はありませんでした。)

 キーボードがついた普通のパソコンが3台、タッチパネル式のパソコンが2台、タッチパネル式の情報端末が2台設置されています。

 いずれも接続は高速で、実測したところ下り平均2Mbps以上出ていました。たぶんルーターでシュアリングされていると思われますが、こうしたネットが使い放題というのはうらやましい限りです。

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岡山県庁のロビーでブロードバンドインターネットを体感する井手県議
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3Mのデータのダウンロードで速度を実測すると、所要時間9.94秒、2.4Mbpsの速度が出ていました。





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