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茨城県のダイオキシン対策

980610dai_bunsi ダイオキシンとはポリクロロジペンゾジオキシン(PCDD)のことですが、同様の形をしたポリクロロジペンゾフラン(PCDF)とあわせてダイオキシン類と総称しています。

ダイオキシンが世界的に注目されたのは、ベトナム戦争後に流産や奇形が多発したことと、アメリカ軍が使用した枯れ葉剤に含まれていたダイオキシンとの関係が疑われてからです。日本では、1983年にごみ焼却施設の飛灰から検出され、注目されるようになりました。

 ダイオキシンには、急性毒性、発ガン性、催奇形性、生殖異常、慢性毒性などがあります。

主な発生源は、ごみの炊却、金属精練や紙などの塩素漂白工程などで、こうして排出されたダイオキシンは土壌や河川を汚染し、さらに食物連鎖により生物に蓄積すると考えられています。

一般的な生活環境で人に取り込まれるダイオキシンの量は1日に体重1kg当たり0.52〜0.53pg(ピコ・グラム)で、そのうち食物からの取り込みが大部分を占めているといわれています。

環境中のダイオキシン濃度は、環境庁により調査が行なねれてきましたが、これまでのところ大きな変化はなもいものの、広範囲からダイオキシンが検出されています。

980610sirotori 特に、ごみ焼却施設から出るダイオキシンが社会問題になっており、茨城県では、竜ヶ崎地方塵芥処理組合が新利根町に設置しているごみ焼却施設(城取ゴミ焼却場)の周辺住民が、「過去10年間のガンによる死亡率が43.8%と全国平均の2倍である」との調査結果を公表したことから波紋が広がりました。

これを受けて竜ヶ崎市でも調査を行ないましたが、周辺住民のガンによる死亡率は竜ヶ崎市平均と大差ないという結果となりました。

 しかし、ダイオキシンの健康への影響を心配する周辺住民団体は、県や竜ヶ崎市などに対して、ごみ処理施設の排煙と焼却灰、周辺環境、そして周辺住民の血液のダイオキシン濃度の測定や新施設の建設の差し止めなどを要望しました。また、「県公害防止協定」に基づいて、ダイオキシンの環境調査を請求するとともに、組合に対しても調査の要請もしました。

 そこで、1996年11月、県と組合は共同して環境中のダイオキシンの調査を行いました。その結果は、施設周辺の濃度は、一般的なレベルであると発表されました。

 この調査結果に対しても、周辺住民の焼却施設に関する不信感は消えず、1998年6月に、摂南大学の宮田教授が、周辺住民の血中ダイオキシン濃度が、極めて高いことを学会で発表すると、大きな社会問題としてマスコミ等に取り上げられています。

 参考:摂南大学・宮田教授の発表内容  




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