平成8年 第3回定例県議会本会議 速 報
<平成8年9月5日 木曜日 午後1時開議>

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平成8年 第3回定例県議会本会議 知事提案説明要旨


平成8年9月5日


 平成8年第3回県議会定例会の開会に当たり,提出いたしました議案等の説明と若干の報告を申し上げます。

 去る,7月15日に県西部で発生しました激しい突風及び降ひょうは,20名の死傷者を出したほか,多数の家屋損壊と農作物への甚大な被害をもたらしました。被害に遭われた県民の皆様に,心からお見舞い申し上げます。

 農作物の被害は,関城町,下妻市,下館市等において,県の銘柄産地に指定されている梨を中心に,34億8千万円にのぼっております。このため,県といたしましては,被害発生後,直ちに樹勢回復のための技術指導を行いますとともに,茨城県農林漁業災害対策特別措置条例を適用し,病害虫防除用農薬等の購入に対する助成事業などを行うこととしておりますが,さらに,降ひょう等による被害を未然に防止するためのネットを設置する補助事業の枠の拡大,出荷量の減による選果手数料の安定化対策,傷のついた果実の販売促進対策,農協系統農業災害資金の借り入れに対する利子助成などの特別対策を実施することといたしました。

 被害農業者の皆様の負担を少しでも軽減し,一日も早く生活及び生産体制の安定化を図るよう努めてまいります。

 次に,病原性大腸菌0−157対策でございますが,「茨城県病原性大腸菌0−157対策会議」を,去る8月1日に設置いたしまして,医療機関等の関係機関と密接な連携を取りながら,迅速で適切な対応を図ってきたところであります。しかしながり,全国で死者11名を含む多数の感染者が発生し,本県におきましても6名の感染者が出るなど,その被害が大きいことや,発生源が依然として特定されていないこと,県民の不安が増大していることなどから,感染防止のための普及・啓発や,監視,検査体制の強化,治療のための医療体制の確保などに緊急に対応するため,食品等の検査機器の整備や検査試薬の購入費用のほか,国から指導のありました検食保存用の冷凍庫等を配備するための費用など,新たに必要となる経費につきまして,8月20日付で専決処分いたしました。

 さらに,0−157関連で影響を受け,売上等が減少している中小企業を支援するため,「中小企業パワーアップ融資」の融資要件を大幅に緩和する緊急特別措置を講ずることといたしました。今後とも,県民の皆様が,安心して暮らしていけますよう,感染防止対策等に努めてまいる所存でございます。

 次に,首都機能移転についてでございますが,「常陸平野地域」と「つくば西部地域」の誘致組織が一体化いたしまして,その中間に位置する4市町も加わり,去る7月26日に,「茨城中央地域首都機能誘致推進協議会」が設立されました。また,7月31日には、宮民が一体となった全県的な誘致組織として「茨城県首都機能移転促進協議会」が発足いたしました。今後は,これら誘致組織を通じ,県民各界各層の合意形成に努めるとともに、この秋にも設置が予定されております,政府の移転先地の選定機関である「国会等移転審議会」等に対しまして,本県の移転候補地であります「茨城中央地域」の持つ優位性をアピールするなど、首都機能誘致の実現に向け,積極的な活動を展開してまいります。

 次に,海外駐在員の設置についてでございます。県内企業や県民のアジアに対する関心の高まりに応えるため,中国の上海市への駐在員の設置に向け準備を進めてまいりましたが,この度,中国政府の事務所設置の許可がおりたところであります。今後は,事務所の早期開設に努めますとともに,事務所を拠点としまして企業活動等の支援を図って参りたいと考えております。

 次に,地域情報化の推進状況についてでございますが,去る8月28日に,県内の約150の産学官の団体のご参加をいただき,「茨城県高度情報化推進協議会」を新たに設立いたしました。この協議会では,ご参加いただいた皆様のご協力をいただきながら,年内には県内に15ある全ての市外局番ごとにインターネットのアクセスポイントを設け,地域間の情報格差が生じないよう利用環境を整備するとともに,セミナーや研修会の開催による普及啓発など,地域の情報化を促進する様々な事業を展開してまいりたいと考えております。

 次に,創造的企業の育成についてであります。新製品,新技術の開発に取り組み,新たな市場進出を目指す創造的企業は,本県経済の活力の源泉であり,その活力を引き出すため,本年6月,投資や融資を通じて円滑に資金を供給する創造的企業創出支援事業をスタートさせたところであります。

 7月には,本制度適用第1号を決定したところでありますが、今後とも,積極的に事業活動を展開する創造的企業を支援し,新しい魅力と活力あふれる産業社会づくりを推進してまいります。

 また,本年度の新規事業でありますテクノエキスパート派遣事業でございますが,中小企業への技術指導を担当するテクノエキスパートとして,様々な技術分野から61名の専門家を委嘱し,7月1日にスタートいたしました。9月初めまでに既に30件を超える順調な派遣申し込みがあり,中小企業の技術力向上への強い意欲を感じているところでございます。今後とも,当事業の利用促進を図りますとともに,意欲ある中小企業を積極的に支援してまいる考えであります。

 次に,交通ネットワークの整備でございますが,石下町の都市計画道路大房原宿線のうち,837メートル区間が去る7月10日に完成いたしまして,すでに供用している区間と合わせまして2,550メートルが開通となりました。この路線は,石下町の中心地を南北に縦貫する基幹道路であり,今後地域の経済交流に大きな役割を果たすものと期待しております。

 た,県南の取手市と東町を結ぶ主要地方道取手東線につきまして,河内町片巻地内の延長約1.3キロメートルのバイパス区間が,去る8月26日に開通いたしました。道路幅員が狭く,交通量が多いため交通危険箇所となっていた地区で,この開通によりまして,当地区の交通のより一層の円滑化が図られるものと考えております。

 それでは,提出議案等についてご説明申し上げます。

 今回の提出議案は,予算の補正に関するもの8件,条例その他25件,公営企業会計決算の認定1件,専決処分の報告2件であります。

 先ず,一般会計の補正予算についてであります。

 景気は緩やかな回復の動きを続けてはおりますものの,雇用情勢に依然として厳しい状況が続いていることなど,不透明な状況も見られますので,景気の回復に少しでも資するよう,今回の補正予算におきまして,県単独公共事業について45億円を追加いたしますほか,中小企業対策として年末融資の融資枠を大幅に拡大することといたしました。また,国庫補助事業など額の確定したもの,及び当初予算編成後の情勢の変化に対応するために必要となったものにつきまして予算措置を講ずることといたしました。

 今回の補正予算の財源といたしましては,国庫支出金や県債を活用することとし,所要の一般財源40億2,000万円は,7年度の決算の結果確定した繰越金のほか地方交付税を充当することといたしました。

 次に,公共事業以外の歳出の主なものについて申し上げます。

降ひょう等農業被害対策に要する経費1億1,400万円
茨城県上海事務所(仮称)開設に伴う経費3,300万円
ごみ焼却施設周辺のダイオキシン類環境調査に要する経費500万円
ひたちなか保健所の移転改築に要する経費1億5,600万円
中小企業向け年末融資の融資枠の拡大(融資枠)242億円
国営基幹水利施設の維持管理経費に対する助成7,100万円
花と緑の祭典いばらき97開催に要する経費4,700万円
県立学校のし尿浄化槽設備等の整備に要する経費3億1,900万円

などを計上いたしました。これらによる今回の補正予算総額は,276億3,900万円で,この結果,補正後の一般会計の予算総額は,1兆789億5,600万円となります。

 また,債務負担行為としては,道路改築工事委託契約など新規3件,変更6件であります。

 次に,特別会計の補正予算についてであります。特別会計は,県立医療大学付属病院開設に伴い県立医療大学付属病院特別会計を新設しようとするもののほか中小企業近代化資金特別会計の補正など7会計の補正で、総額3億6,600万円,債務負担は3件となっております。

 次に,条例その他の概要についてご説明申し上げます。条例は,新たに制定するもの1件,改正するもの7件,廃止するもの1件,合わせて9件であります。新たに制定する条例は,県立医療大学付属病院の開設に伴い,必要な事項を定めようとする茨城県立医療大学付属病院の設置及び管理に関する条例であり,一部改正するものは,し尿浄化槽の構造基準が改正されたことに伴う,茨城県霞ケ浦の富栄養化の防止に関する条例などであります。

 条例以外の議案といたしましては,16件で,県立高等養護学校(仮称)用地の取得などであります。次に,認定は,平成7年度茨城県公営企業会計決算の認定であり,報告は,専決処分の報告であります。

 以上で,提出議案等の説明を終わりますが,なお,詳細につきましては,お手元の議案書等により,ご審議の上,適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。




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