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2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第1部

第二章 経済新生と行財政改革の断行による健全な財政の構築
―持続可能な財政をめざして―

1 経済財政の基本認識

○ わが国経済は、設備投資をはじめとする企業部門を中心に緩やかな回復を続けているものの、雇用情勢は依然として厳しく、個人消費も横ばいの状態であり、民需中心の本格的回復には至っていないのが現状です。さらに、原油価格の上昇など国際経済の影響も十分に見極める必要があります。
 これらを踏まえ、当面は経済新生をめざし、財政政策を含め景気回復に万全を期すべきです。また、民需主導の本格的な回復軌道に乗せることが、財政再建の第一歩であると考えます。

○ 一方で、国・地方合わせて645兆円(2000度末見込み)にも上る長期債務残高の実情について無関心であってはなりません。財政赤字の増大に対する国民の不安も存在しており、このことが消費不振の要因の一つとなっているとの指摘もあります。わが国財政は極めて深刻な状況であり、このまま無為に財政赤字の累積を放置すれば、いずれ長期金利の上昇、さらに悪性インフレを招くなどの懸念があります。

○ したがって、景気が安定軌道に乗った段階で、ただちに本格的な財政再建に取り組むべきであると考えます。中期的には、景気回復と財政再建は両立可能であり、当面は景気回復に全力を注ぎながら、併せて財政健全化に向けたシナリオを検討・提示することにより、財政破綻の不安を払拭することが重要であると考えます。

2 財政健全化へ向けた2段階戦略

第1段階(2000年度〜2002年度)
 当面は、民需中心の景気回復軌道に乗せ、これを安定的なものとすることをめざします。この期間は、2000年度当初予算と同規模の財政運営を行うとともに、財政再建に向けた考え方を論議し、「財政健全化法」(仮称)の成立をはかります。

第2段階(2003年度〜)
 「財政健全化法」に基づき、「5ヵ年計画」単位で、本格的な財政健全化に取り組みます。

3 経済新生・経済構造改革への取り組み

 経済構造改革を進めるにあたっては、国家的な戦略を立て、21世紀をリードする成長産業分野の育成に向けて重点的な投資を行うべきです。
 そのため、総理の下に「経済新生戦略本部」を設置するとともに、「包括的経済新生法」(仮称)を制定し、成長産業の業種指定のうえ、融資・税制面等における優遇措置を含めた集中的な振興策を講じます。

(1)構造改革の推進

1)成長産業の業種指定
  21世紀をリードする成長産業分野として、情報通信、ライフ・サイエンス、環境、ヘルスケア(医療・福祉・介護など)、金融などの分野を業種指定します。
2)指定産業の集中的振興
  指定された産業に対しては、5年間の集中支援・育成期間を設けて、以下のような包括的な振興策を講じます。
 <1> 政府系金融機関の割増融資
 <2> 減価償却期間の短縮化など税制上の支援策
 <3> 新規参入・競争原理を促すための規制緩和・撤廃
 <4> 産・学・官の研究開発プロジェクトの推進
 <5> 新事業展開、新規開業、ベンチャー企業などに対する税制・財政上の支援策
 <6> 雇用対策(人材育成、能力開発、職業紹介の充実)など

3)産業競争力の強化
  産業活力再生特別措置法の円滑な運用などにより、産業の競争力強化、新事業展開の阻害要因となっている過剰設備・過剰債務の解消を進めます。

(2)安定的資金供給体制の構築

1)資金調達の多様化
中小・ベンチャー企業の社債市場の整備など安定的かつ多様な資金調達体制の確立をはかります。
2)中小企業、零細企業の資金調達の円滑化
中小企業、零細企業の資金調達を円滑にするため、「地域金融活性化法」(仮称)を制定します。
具体的には、
(ア) 金融機関に対して、中小・零細企業への貸付について、実績の公表を義務づけ、市場の評価を通じて中小企業融資の円滑化をはかる
(イ) 金融機関側から正当な理由なく一方的な融資条件の変更や、取引停止行為を行わせないようにする。
――などの規定を設けます。

(3)金融業界の再編・整理の促進

1)2002年4月のペイオフ実施をタイムリミットとした業態別の金融システム安定化を推進
  2002年4月のペイオフは予定通り実施します。その間に業態ごとの機能・役割を踏まえた金融システムの安定化をはかるため、金融再編・整理を進めます。
 また、金融ビッグバンに対応可能なわが国の金融業界の秩序ある全体像構築について、金融審議会などで検討します。
2)整理・再編のバックアップ体制の構築
整理・再編の過程においては、金融システムなどの混乱も予想されることから、以下の体制をとり、万全を期します。
(ア)  中小企業等への貸し渋りについては、地域金融活性化法(仮称)にて対応する。
(イ)  特に、信用金庫、信用組合の経営破綻にあたっては、健全な借り手であっても受け皿金融機関が引き取らない場合、あるいは受け皿金融機関が見つからない場合には、信用保証協会の保証枠を現行のものとは別枠で設定するなどの措置を講じる。

4 財政健全化への取り組み

(1)財政健全化法案(仮称)

1)目標
  短期間のうちに財政赤字を完全に解消するのは困難であり、巨額の累積長期債務を抱えながら財政破綻に至らないような中長期的な取り組み「持続可能な財政」の構築が必要です。
  具体的には、長期債務残高の増額を抑える、すなわち単年度の国+地方の財政赤字をゼロにすることを将来の目標とし、当面は、長期債務残高がGDPに対して発散することを防ぎます。したがって、2003年度からの最初の5年間では、長期債務残高の対GDP比の伸びをおおむね150%以内に抑えることを目標とします。(2000年度末の長期債務残高の対GDP比は約130%の見込み)
2)歳出
  国の一般会計の歳出総額に上限(Cap)を設定します。その際、当初予算のみならず補正予算も合わせて対象にします。
また、個別費目の新たな事業・措置には、財源措置を義務付ける「pay-as-you-go 原則」を設けます。
3)歳入
  非効率、不公平な歳出を削減した上で、必要最小限の歳入増をはかります。
4)弾力措置
  非常災害の発生や経済活動の著しい停滞の時は法の執行を一時停止し、目標を延長できるようにします。

(2)行政改革

   1)行政評価法の導入と予算とのリンク
  2001年の通常国会で行政評価法を制定し、行政の目標とその実績を公表し、行政の効率性向上をはかり、併せて行政評価の結果を予算編成に反映できるシステムを構築します。
   2)公会計制度の見直し
  政府資産の透明化をはかるため、時価評価を実施するとともに、収支の有無に関係なく、将来の収支が見込まれる時点でその事実を計上する発生主義に基づく貸借対照表、収支報告書及び資金移動表を作成します。そのための政府会計基準を策定し、公務員の将来の退職金、環境債務等の将来負担支出額を計上し、次世代が負担すべき情報を開示します。同時に、一般会計、特別会計、独立行政法人、特殊法人等を含む連結決算を作成し、政府活動全体の決算報告書を作成します。
   3)地方行革
  現在の約3,200市町村を1,000程度の市町村に合併することを推進します。このため、合併促進策として、地方交付税制度を改め、市町村合併の推進状況に応じて基準財政需要額を調整し、併せて、義務的経費の減額と自主財源の調達による基準財政収入額の増収をはかり、地方交付税の減額と地方自治体の行政コストの大幅削減を実現します。
   4)電子政府による行政の効率化
  電子政府の実現により、行政サービスの向上と行政事務の簡素化・効率化をはかり、国勢調査や各種申請・届け出手続きのオンライン化、ワンストップサービスの実現、政府調達のオンライン化、行政情報公開等の一層の推進をはかります。
   5)特殊法人改革
  「特殊法人等改革基本法」(仮称)を策定し、特殊法人、認可法人等を5年以内に民営化、廃止することを含め、抜本的に見直します。併せて、国家公務員と地方公務員の「天下り」問題を解消するため、定年制のあり方を含め公務員制度を根本から見直し、新たな人事管理体系を構築します。
   6)公務員数の削減
  特殊法人等の整理、市町村合併の推進、電子政府の推進、民間委託の促進など行政の効率化をはかることにより、中央政府及び地方自治体の公務員、独立行政法人、特殊法人の職員数を2003年から2007年までの5年間で、現在の約450万人から5%純減します。

(3)地方分権の推進

 地方分権は、地方自治体が自己決定と自己責任の原則に基づき、地域の実情に応じた施策を展開し、住民の負託に応え、個性的で活力ある地域社会をつくるために、積極的に推進すべき重要な課題です。
地方分権一括法が2000年4月より施行されていますが、さらに地方自治体が自主的・自立的な行財政運営を展開していくために、地方自治体への大幅な権限委譲をはかるとともに、国の個別補助金を廃止し、統合補助金制度を拡充します。将来的には、国と地方の財源比率が5:5となるようにします。

(4)公共事業改革

1)評価システムの厳格化(行政評価法)
  公共事業の評価も含めた行政評価法を制定し、公共事業の費用と効果について、事前、事後(長期事業は中間段階にも)に評価し公開することにより、ムダな公共事業を排除します。
2)予算の重点化
  従来型の公共事業中心を改め、経済新生に資するIT関連、環境対策、少子高齢化対策、都市基盤整備等に重点的に予算を配分します。
3)地方への補助事業の見直し(段階的に地方へ移譲)
  国の補助事業については、国家的事業や先導的施策に関連する事業など真に必要なものに限定し、当面は、統合補助金を拡充しつつ、2003年度から段階的に地方に移譲し、5年で半分程度の移譲をめざします。
 4)公共事業費の削減
  国の公共事業関係費については、2003年度から5年で20%削減します。地方の公共事業費についても、同規模の削減をめざします。

(5)社会保障制度改革(第三章を参照)

(6)税制改革

1)所得課税(所得税、個人住民税)
(ア) 財政健全化法に基づく抜本的な税制改正にあたっては、景気対策として実施した平成11年からの恒久的な減税を見直し、新たな恒久減税制度を構築します。その際、最高税率は据え置き、他の税率及びそのブラケットを見直すとともに、各種控除・租税特別措置(人的控除、保険料控除、老人マル優他)については、世代間の公平の観点も踏まえつつ、できる限り簡素化・集約化をはかります。これら控除等の簡素化・集約化により生じる財源は、福祉政策にも充当します。
(イ) 公平な課税の実現、税制への信頼向上のために、プライバシーの保護に十分に配慮しつつ、納税者番号制度の導入をはかります。
2)法人課税
(ア) 社会の変化に対応して、租税特別措置の抜本的な整理・合理化を行います。
(イ) 今後のわが国の経済・社会奉仕活動の大きな一翼を担うことを期待されるNPO活動を一層促進するために、一定の基準を満たすNPO法人に対し、寄付金に対する所得控除・損金算入などの措置を導入します。
(ウ) 法人事業税の外形標準課税については、景気状況を勘案するとともに、中小企業等の負担を踏まえ、検討します。

3)消費税
(ア) 消費税については、その使途を福祉目的に特定する福祉目的税化をはかります。
(イ) 中小事業者に対する特例制度(適用上限3000万円の免税点制度、簡易課税制度)を縮小し、消費者に不公平感の高い益税問題の解消をはかります。
(ウ) 仕入れ税額控除の信頼性・透明性を高めるため、欧州諸国のようなインボイス(消費税を記載した請求書等)方式を導入します。
(エ) 飲食料品などの生活必需品については、今後、複数税率の導入を検討します。

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