部活動のイメージ
 梅雨明け宣言後、連日最高気温が30度を超える真夏日が続いています。部活動で真っ黒に日焼けした子どもたちの姿は頼もしくもあり、青春の金の思い出を紡ぐ貴重な体験でもあります。
 しかし一方、中学生になった子どもが部活動を始めると、帰宅後ぐったりとして寝てしまい、宿題をこなすのももままならない。外食や映画に誘っても、疲れているから外に出たくないと断られる。「私は子供をプロの選手に育てるために部活動をやらせたのではない。スポーツは健全な体をつくるためにあるのに、むしろ心身を壊してしまいそうだ。学校での部活動のガイドラインや指針はどうなってるのか」とのご相談がありました。
 このご相談に応えるために、県の教育委員会に問い合わせてみると、平成29年3月21日付の「運動部活動における適切な休養日の設定等について(通知)」を紹介してもらいました。
 この通知には、「生徒のバランスのとれた生活や成長及び教員の負担軽減に配慮しながら、下記により、適切な運動部活動を実施願います」とあり、別表を添付して、休養日設定の留意点を箇条書きにしています。なお、この留意点は全教職員に配布して、教育計画の見直しを行うことを求めました。
  1. 生徒のバランスのとれた生活や成長に配慮する観点から、学校の決まりとして、中学校では週当たり2日以上、高等学校では週当たり1日以上の休養日を設定すること。
  2. 学校や地域の実態等に応じ、試合期を除いて土曜日及び日曜日のどちらかを休養日とするなど適切な運営に努めること。
  3. 朝練習(始業時前練習)については、生徒の健康や生活リズム等に配慮するとともに、生徒や保護者に対して十分な説明と理解を得た上で実施すること。

 ご相談を受けた保護者以外でも、子どもの長時間部活に悩む保護者は多くいるでしょう。子どもたちの部活動の実態を記録し、またはその計画表(日程表)を調べてみて、こうした通知と照らして、学校長に相談することをお勧めします。部活動の詳細な計画を校長が把握していない学校も少なくありません。
 部活動は、学校の教育活動の一環として行われています。しかし、あくまで「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」(中学校学習指導要領)ものです。自治体や学校が一律の基準を設けることも大切ですが、各部においても、自主的・自発的に活動の見直しに取り組むことこそが、教育活動としても求められます。試合に勝ちたいがために過熱しがちな活動を抑えるには、保護者の役割も重要です。

参考:運動部活動における適切な休養日の設定等について(通知):http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/170031bukatsu.pdf