介護保険の見直し:施設入所者のホテルコスト負担問題
  施設介護のホテルコストを徴収/低所得者対策も盛り込む  

 今年7月に公表された「介護保険に見直しに関する意見」の中では、施設入所者と在宅介護者での負担の不均衡の是正について触れられています。

介護保険からの保険給付は「介護」に要する費用に重点化することとし、この観点から、現在保険給付の対象となっている施設入所・入院者の居住費用や食費については、その給付の範囲や水準について見直しを検討する必要がある

 在宅での介護には、家賃も、光熱費も、オムツ代なども自己負担となります。それに対して、施設利用者が払っているのは、要介護度に応じた1割の自己負担と毎日の食事代程度です。ここに、不公平感があり、施設利用の場合はホテルコストを負担させる仕組みにするべきだ、という意見が大勢を占めてきています。

 具体的には、2005年の介護保険改革で、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設など介護保険3施設の入所者に新たな負担を求めることが検討されています。現在、介護保険から出ている光熱水費などを含む居住費や食費(ホテルコスト)を給付対象から外し、高齢者に負担してもらう方針です。早ければ来年秋から徴収されることになりそうです。

 厚生労働省が示した試算によると、個室での介護の場合、最も所得の高い層では37,000〜27,000円の増、標準的な層では25,000〜15,000円の増となります。所得の低い層に対しては、高額介護サービス費の見直しを図り、むしろ25,000〜15,000円の減とします。最も所得の低い層は、現状とほとんど変わりありません。

 相部屋での介護では、最も所得の高い層では、最も所得の高い層では31,000円の増、標準的な層では15,000円の増、所得の低い層では変化はありません。

<資料リンク>介護保険制度における第1号保険料及び給付費の見通し(厚生労働省発表2004/10/21)

 新第2段階の創設によって所得が国民年金程度の低い層でも、新型特養に入居できるようになるのは、評価できると思います。反面、所得の高い層は、かなりの負担増となります。

 介護保険を扱うBlog「くもり、のち、はれ」でも、わかりやすく説明されています。是非ご覧下さい。

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