日立市のシンボルとして親しまれた日立鉱山(現・JX金属)の大煙突の建設をめぐる人間模様を描いた新田次郎の小説「ある町の高い煙突」の映画化が進んでいます。
 メガホンを執るのは松村克弥監督。松村監督の茨城県内関連の映画制作は、日本美術院を率いた岡倉天心の生涯を描いた「天心」、戦時下の神之池航空基地(鹿嶋、神栖両市)の特攻兵器「桜花」に関わった若者を取り上げた「サクラ花−桜花最期の特攻−」に次ぐ3作目となります。
 大煙突は大正3(1914)年3月、日立鉱山で産出した銅の精錬による煙害防止のため建設されました。高さ約156メートルは当時世界一の大煙突で、煙を拡散させることで、農作物への被害を食い止めることができました。平成5年2月、老朽化のため根元の約3分の1を残して倒壊してしまいました。
 制作発表会で、松村監督は「100年前、住民と企業が公害に立ち向かったということを映画として掘り下げていきたい」と制作に向けての意欲を語りました。
地元日立市の小川春樹市長は、「日立の原点であるモノづくりとまちづくりは市民と企業、行政が三位一体となって作り上げたものだ。資金面も含め、行政もサポートして映画の完成を目指したい」と市側も支援する方針を打ち出しています。
 すでにシナリオ制作やロケハンが始まっています。この秋には、キャストが決まり、来年4月から市内を中心に撮影に入ります。
 来年秋から、全国50館での上映を予定しています。