常磐道と圏央道の分岐点<つくばJC>
圏央道、県内全通から半年
人やモノ、流れ活発化。観光客増、流通立地相次ぐ

 9月6日、井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党は、衆議院議員会館で国交省道路局高速道路課河村英知企画専門官らから、県内の高速道路整備について進捗状況の説明を聴取しました。また、圏央道の4車線化、東関道水戸線の整備促進を要望しました。
 今年(2017年)2月26日、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の県内区間が、全線開通しました。圏央道は、都心から約40〜60キロ圏を半円を描くように走る総延長約300キロの環状高速道路です。東から千葉、茨城、埼玉、東京、神奈川の5都県を通り、都心から放射状に延びる東関東、常磐、東北、関越、中央各自動車道と東名高速の6本の高速道路と接続しています。茨城県内区間は延長70.5キロで、2月の境古河〜つくば中央IC間の開通により、県内全線が通行可能となりました。
 開通当日、境古河〜つくば中央IC間で、約2万4000台/日の利用がありました。開通日はいわゆる「開通マニア」が押しかけるため、大幅に交通量が増えるのですが、開通が午後3時であったことを考えると実質9時間でこれだけの車が押し寄せたことになります。
 暫定2車線は文字通り「暫定」的な措置です。交通量が増えれば随時4車線化されることになっています。その基準は「1万台/日」といわれています。2万4000台/9時間という利用台数は、とんでもない利用状況でした。
 その後も、ゴールデンウイークやお盆期間中には、激しい渋滞が発生しています。地元の物流業者は、この区間の圏央道を使わないようドライバーを指導しているという話もあります。
 暫定2車線区間では居眠りや脇見等で反対車線に飛び出して発生する正面衝突事故が懸念されています。4車線比べて暫定2車線での死亡事故率は、2倍との統計もあります。
 そして、懸念されていた正面衝突事故が、7月31日に発生しました。NEXCO東日本などによると、朝7:15頃、常総市の常総IC付近で、乗用車とワゴン車の正面衝突事故が発生し、双方の運転手が死傷しました。現場は片側1車線の見通しの良い直線道路で、ラバーポールで仕切られた中央分離帯があります。一方の車両が中央分離帯(ラバーポール)を越えたとみらています。
 圏央道が茨城県を経由して千葉から神奈川まで5都県が横につながるとともに、常磐自動車道や東名高速道路など6本の高速道路と接続されたことにより、茨城県内の沿線地域では、人やモノの流れが活発化する効果が顕在化しています。観光客の増加や工場、大型物流施設の相次ぐ立地など、開通効果が如実に表れています。
 以下、圏央道開通の効果と4車線化への取り組みを、茨城新聞9月6日付の記事と6日の国交省担当者からの説明からまとめました。

点から線へ観光地や商業施設に好影響
 境古河〜つくば中央IC間が開通し、圏央道の本県から西側のルートがつながったことで、県内の観光地や商業施設では埼玉県方面からの来客が増えつつあります。
 牛久市の「牛久大仏」は、全線開通前と比べ来場者数が約15%増加。管理事務所の宮崎弘子課長は「県内の観光地が高速道路を介して点から線でつながり、県外の観光客が周遊しているようだ」との見方を語っています。
 あみプレミアム・アウトレットも、3、4月の来場車両台数が前年同期と比べ約10%増加。埼玉県越谷市から家族3人で訪れた会社員は「越谷の商業施設やアウトレットなどと商品や値段を見比べながら買い物ができる」と話していました。
 ペットのテーマパーク「つくばわんわんランド」でも、来場者数が昨年と比べ倍増。広報担当者は「春日部など埼玉県のナンバーが大きく増えた」と笑顔を見せています。

工場や物流拠点が新規立地
 都心から約50キロ圏内の好立地や交通利便性の向上を見込んで、圏央道沿線や各IC周辺には全線開通前から、工場や大型物流施設の立地が相次いでいます。
 工作機械大手のファナックは7月、筑西市田宿の工業団地で産業用ロボット工場の建設に着手しました。
 建設用ねじ製造の日本パワーファスニングは、筑西市森添島の下館工場の隣接地を7月購入し、工場新設などを検討。「製品の輸送時などに都心を経由しないことで時間が読め、ドライバーの安全にもつながる」と開通効果を実感しています。
 工場立地と連動するように、物流大手による物流拠点の建設・稼働も急ピッチで進んでいます。大和ハウス工業は、阿見町の阿見東IC付近に整備した地上5階建てマルチテナント型物流施設を8月末に稼働しました。
 ほかにも、プロロジスが常総市、古河市の物流施設を稼働させたのに加え、8月にはつくば市東光台に特定企業向けの物流施設の整備に着手。三井不動産もつくばみらい市紫峰ケ丘に、主にアシックスジャパンの商品を取り扱う物流施設の整備を進めています。

4車線化への取り組みとつくばスマートIC整備
 6日の国交省担当者への要望では、井手県議らが一刻も早い4車線化に取り組むよう強く求めました。これに対して、河村企画官は「一番のネックとなる用地の取得は既に完了しています。すでに暫定2車線で供用している高速道路が多数ある中で、順番に工事を進めていくというものではありません。4車線化には事業許可から供用まで通常5〜10年くらい掛かっています。交通量が多い場所や渋滞が発生している場所を先行して4車線化する付加車線を整備する手法も検討しながら、早期の整備を行っていきたい」などと答えました。

つくばスマートICの整備に着手
 7月21日、国交省は圏央道つくば中央IC〜常総IC間に「つくばスマートIC」(仮称)を設置することを発表しました。
 「つくばIC」の設置場所は、つくば市島名の圏央道と県道つくば真岡線バイパスが交差する場所です。今年度から現地調査、用地買収に着手し、2021年度中には、本線直結型のスマートICが上下線とも整備されます。
 また、井手県議らがフル規格(現在は東京方向から出ることと、東京方面に入ることしかできません)での整備を強く求めていた「水戸北スマートIC」については、用地買収にめどがつき、2019年度中の共用開始が見込めると報告がありました。