9月14日、茨城県は平成28年度(2016年度)の犬猫の殺処分頭数を公表しました。
犬の処分等数は、前年度の1279頭から612頭に半減したものの、全国ワースト3となりました。3年連続ワースト2位から脱却したものの、全国傾向に比べて処分頭数は依然多いことから、県の担当者は井手よしひろ県議らの現状聴取に対して、「飼い主への適正飼育の啓発など、いわゆる入り口対策に引き続き全力に取り組んでいく」と報告しました。
茨城県の犬の処分数は1990年度の1万8611頭をピークに、減少傾向にありますが、2005〜12年度まで連続で全国ワーストを記録しました。2013年度に全国最悪を脱却した後、2015年度までワースト2位が続いてきました。2016年度は前年度から52.2%の大幅減少となり、ワースト3位となりました。
都道府県別では、香川県が1875頭で最も多く、次いで愛媛県が768頭、茨城県が612頭でした。沖縄591頭、徳島567頭となっています。
一方、猫の殺処分頭数は1679頭で、全国で12番目に多くなっています。犬と猫を合わせた殺処分頭数は、前年度から1321頭減少して2291頭となり、全国ワースト9となっています。
殺処分頭数の減少は、なんといいても保護された犬猫を譲渡するボランティア団体の協力がおもな要因です。2016年度の県動物指導センターに収容された犬1628頭のうち、半数を超える899頭がボランティア団体などに引き取られました。
犬猫殺処分数が多い背景として、避妊・去勢手術をしない飼い主の存在や、放し飼いの犬、猫の野良化などが指摘されています。茨城県では昨年12月に「県犬猫殺処分ゼロを目指す条例」が成立しました。本年度はボランティア団体の支援強化や「地域猫」の不妊・去勢手術などを補助するなど殺処分頭数減少に向けた体制づくりを進めています。