水戸市内の中学校でのピロリ菌検査
 今年(2017年)11月より、胃がんの主な原因とされるピロリ菌を早期に発見し、将来的な胃がんのリスクを抑制しようと、水戸市では、市内の公立中学校に通う2年生全員を対象に、ピロリ菌検査を開始しました。検査費用は市が負担します。市教育委員会学校教育課によると、公立中学校の2年生全員を対象とする検査実施は県内初の試みです。
 最も早くピロリ菌検査を実施した市立飯富中学校では、2年生28人が受けました。採血による負担を少しでも減らすため、従来から行われている貧血検査の採血と併せて実施され、ピロリ菌検査用に3ミリリットルだけ多く採血しました。終了後、男子生徒の一人は「将来、がんになりたくないので、無料の検査で今のうちに対応できるのはうれしい」と話していました。
 検査は今月中旬にかけて全16校(義務教育学校1校含む)で実施する予定で、今年度は2156人の生徒が対象となります。生徒には事前に同意書とピロリ菌検査に関する資料を配布し、保護者の同意を得た生徒に検査を実施しています。
 資料には、生徒に正しい知識を身に付けてもらうために、ピロリ菌の感染リスクや除菌の有効性を簡潔にまとめた内容を載せました。家族への啓発につなげる狙いもあり、胃がん検診の受診率が比較的低い水戸市の現状を変えるきっかけとしても期待されています。市教委学校教育課では「検査を通じて胃がん予防への意識を高めたい。将来的には胃がんがゼロになれば」と期待しています。
 水戸市議会公明党(代表:伊藤充朗市議)は、伊藤市議が昨年3月の定例会で、中学生を対象にピロリ菌検査を実施するよう求め、中学生へのピロリ菌検査が実現しました。伊藤市議は「早期発見することで、ピロリ菌を原因とする疾病の予防につなげてもらいたい」と語っています。