大学生の就学支援を訴える井手よしひろ県議
 2017年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」や2018年度予算案では、公明党の長年の主張を反映し、大学や高校への進学支援を大幅に強化する道筋が開かれました。
 大学進学支援に関しては、2017年度の入学者約2800人を対象に先行実施されている返済不要の奨学金(給付型奨学金)が、2018年度から本格実施となります。対象者数は1学年約2万人。国公私立や通学形態の違いに応じて月額2万〜4万円が支給されます。2018年度予算案では、前年度比35億円増の105億円を計上しました。
 大学の授業料減免についても、18年度からは、国立で4000人増の約6万5000人、私立で1万3000人増の約7万1000人へと対象を拡大します。
 給付型奨学金と授業料減免については、2020年4月から、所得が低い世帯の子どもを対象に大学など高等教育を無償化するため、大幅に拡充する方針が「パッケージ」に示されました。詳細は今年夏までに政府・与党で議論し、一定の結論を出していきます。
 また、無利子奨学金については、基準を満たした希望者全員が借りられるよう、前年度比73億円増の958億円を計上し、貸与枠を4万4000人分増やします。

地方創生のための給付型奨学金
 さらに、井手よしひろ県議らは、地方創生の視点から茨城県独自の給付型奨学金の創設を提案しています。
 これは、大学(または専門学校)を卒業し、茨城県内で就職・定着し、かつ地域の中核企業等を担うリーダー的人材を育成するために、奨学金の返済に対して助成する制度です。現在、総務省と文部科学省で連携し、 「奨学金を活用した大学生等の地方定着促進要綱(平成27年4月10日付 自治財政局長通知(総財務第88号))」により、山形県など12の県ですでに実施されています。
 要項によると、ア.地方公共団体と地元産業界が、地元産業界に必要となる人材に係る資格等を決定 、その上で、地方公共団体が中心となり基金を設置。イ.地方公共団体が、支援対象者となり得る学生を日本学生支援機構へ推薦。ウ.日本学生支援機構が、当該学生に対して、優遇措置を講じたうえで貸付。エ.当該学生が、地元企業に就職した場合に、当該基金から拠出して、奨学金返還の全部又は一部を免除。といったスキームとなります。
 対象の学生は、地方公共団体と地元産業界等が協議を行うなど、地域の実情に応じて、支援対象者の要件を決定します。地方経済の牽引役となる産業や戦略的に振興する産業に関わる分野の学位や資格の取得等が要件となります。財源は、地方公共団体や地元産業界等が出捐し基金を設置し賄います。国は、総務省が地方交付金によって、自治体に財政的支援を行います。
 学生の経済的支援と地方創生の人材を確保という2つの課題を、奨学金返済の助成をすることで解決しようという取り組みです。大井川新知事は、茨城県議会公明党との7つの政策協定の中で、給付型の奨学金創設も合意しています。早期の具体化に向けて取り組んでまいります。

 なお、茨城県内では日立市、高萩市、常陸太田市、坂東市、稲敷市、大洗町、大子町、境町の8市町が独自の給付型奨学金制度を整備しています。こうした先進的な取り組みも参考に、制度の拡充を推し進めるべきです。
茨城県内市町村の給付型奨学金制度