ある町の高い煙突のロケ現場
小川春樹日立市長が松村克弥監督、主役の井手麻渡さんらを激励
 5月6日より、映画「ある町の高い煙突」の本格的な撮影が始まりました。7日には、撮影現場が報道陣に公開されました。日立鉱山の煙害と戦う主人公・関根三郎(関右馬充)を演じる俳優井手麻渡(いで・あさと)さんは、「みんなに愛される作品にしたい」と抱負を述べました。
 昭和の文豪・新田次郎の小説 「ある町の高い煙突」が原作。明治から大正にかけて、銅の精錬で排出された亜硫酸ガスの煙害に見舞われた農村に住む若者が煙害撲滅を訴え、鉱山側との真摯な対話を続け、当時世界一の高さ155.7メートルの大煙突が建設され、煙害を激減させた史実を感動的に描きます。
 主演の井手さんは仲代達矢さん率いる無名塾に所属。初主演に「役者として一日一日成長したい」と決意を語っています。鉱山側の交渉相手・加屋淳平(角弥太郎)を渡辺大さん、その妹・加屋千穂を小島梨里杏さん、三郎の祖父・関根兵馬を仲代さんが務めます。鉱山を開いた実業家・木原吉之助(久原房之助)には吉川晃司さんが演じます。
 7日は、三郎が東大への進学を断念し、地元入四間のために戦うことを、先祖の墓前で誓う場面が撮影されました。
左から小川春樹日立市長、主役の井手麻渡、松村克弥監督
 この日、撮影現場には、映画を支援する日立市の小川春樹市長も訪れ、「日立市民が本当に楽しみにしています。いい作品にしてほしい」と松村監督や井手さんらを激励しました。
 メガホンを握る松村克弥監督は「素晴らしいキャスト、スタッフが集まりました。日立の歴史に残る作品を目指したい」と語りました。
 撮影は6月まで日立市をはじめとする県北地域や県外で行い、今秋完成させる予定。来春の一般公開を目指しています。

 映画「ある町の高い煙突」の主なキャストは以下の通りです(出演者敬称略)。
  • 井手麻渡 (いで・あさと)…関根三郎役(関右馬充)…煙害によって生活を奪われた農民たちの惨状を前に、旧制一高合格(東大教養学部)の前途洋洋たる将来を捨て、煙害を無くし、村に残る決意をし、企業・鉱山側と対峙する。若き煙害委員長。
  • 渡辺大(わたなべ・だい)…加屋淳平役(角弥太郎)…地元住民側との交渉役、日立鉱山の庶務係。人格者で、手厚い補償をしていくが、煙害の根本的な解決にはならない。やがて関根三郎とも熱い友情を交わし、二人は木原に直訴する。
  • 小島梨里杏(こじま・りりあ)…加屋千穂役(加屋の妹)…企業側の加屋の妹でありながら関根三郎と淡い恋に陥る。
  • 吉川晃司(きっかわ・こうじ)…木原吉之助(久原房之助)…若干36歳で日立鉱山を開業、怪物と恐れられた経済人。働く人も幸せだと思える理想郷を実現しようとするが、煙害の前にその理想はとん挫してしまう。
  • 仲代達矢(なかだい・たつや)…関根兵馬(三郎の義理の祖父)…村の名家の長。鉱山の採掘の許可の印を自分が押したために煙害を呼び寄せたと悔やんでいる。
  • その他の主な出演者はこちらです。(以下、アイウエオ順)
    イアン ムーア、井嵜充則、石井正則、石原理衣、犬飼直記、羽藤雄次、大瀬誠、大和田健介、和田伸也、沖正人、小野真弓、加藤才紀子、小林綾子、今野誠二郎、斎藤洋介、篠原篤、十代修介、塾一久、城之内正明、砂押正輝、たくみ稜、遠山景織子、橋本一郎、長谷部香苗、別所晋、螢雪次朗、本郷弦、椋田涼、六平直政、吉田道広、渡辺裕之
    素晴らしい出演者が集まりました。作品の完成にご期待下さい。