高速道路の防護ワイヤーロープ 暫定一車線(片側一車線)ずつ計2車線の高速道路で、対向車の飛び出し事故が後を絶ちません。このため国土交通省は、車線と車線の間に防護柵を設ける新たな対策に乗り出しました。茨城県内では、東関道、北関東道、圏央道など交通量が多いにもかかわらず、暫定2車線区間が多く存在します。早期の4車線化が最優先の課題ですが、有効な飛び出し防止柵が必要です。
 高速道路での事故は人命に関わる重大事故につながりやすく、高速道路は物流の大動脈であるだけに、軽微な事故でも渋滞が生じれば経済的な損失は大きくなります。
 2車線の高速道路では、対向車線への飛び出しによる正面衝突事故が年間300件起きています。死亡事故が発生する割合は4車線以上の高速道路の2倍に達します。
 大きな要因は、4車線以上の高速道路に設けられている中央分離帯がないことです。2車線の高速道路では、主にゴム製のポールを車線の仕切りとして使用していますが、飛び出しを防ぐことはできません。しかし、中央分離帯を設置できるほど道幅はありません。
 そこで考案されたのがワイヤロープを使った防護柵です。車線の逸脱を防ぐ効果はもちろん、ガードレールよりも接触時の衝撃が緩和されること、設置コストが安いことが特徴とされます。
 国交省は昨年(2017年)4月から1年間にわたり、国内の2車線高速道路の一部区間でワイヤロープ防護柵を設置して効果を検証しました。事故防止に関しては、先行区間の対向車線への飛び出し事故は1件のみで、2人が負傷したものの死亡者はゼロでした。設置前の2016年は1年間で発生45件、死亡7件、負傷6件。3〜6カ月の調査結果のため単純比較はできませんが、特に重大事故防止への効果が証明されました。
 国交省は今後、全国にある2車線の高速道路のうち4車線化が計画されている路線などを除いて防護柵の導入を検討中です。事故多発区間を優先することなども考慮しつつ設置を進めるべきです。
 ただ、課題も残ります。国交省の検証事業によれば、防護柵への接触による衝撃で通行止めが増えたことが判明しました。復旧時間をどう短縮していくか知恵を絞る必要があります。ワイヤロープへの接触事故は、パトロールで事後に判明したケースを含め112件に上りました。接触により車両が大きく破損したケースも多く、車体の損傷を軽減する方策も検討すべきです。
 2車線の高速道路は国内の全高速道路の約4割に及びます。諸外国に比べ極めて高い割合です。外国人ドライバーの増加が見込まれることを考えても、高速道路の安全対策を怠ってはなりません。