原子力規制委員会(7月4日)
 7月4日、茨城県東海村の東海第2原発について原子力規制委員会は、安全対策が新しい規制基準に適合しているとして、事実上、合格したことを示す審査書の案をとりまとめました。
 東海第2原発は、都心からおよそ110キロの距離にある首都圏で唯一の原発で、30キロ圏内に全国最多の96万人が住んでいます。
 7年前の東日本大震災では、原子炉を冷やすための設備の一部が津波の被害を受け緊急停止しました。日本原電は2014年5月に東海第2原発の安全審査を規制委に申請。設計上で想定した最大の地震の揺れ(基準地震動)を1009ガル、最大の津波の高さを約17メートルとして安全対策を強化。高さ20メートル、全長約1.7キロの防潮堤を建設して津波の浸入を防ぐとしました。
 また、原子炉格納容器の容積が小さく、事故時に事態が悪化しやすい沸騰水型の特徴を踏まえ、炉心を冷やす予備の冷却装置を追加で備えるなどとしています。
 安全対策費として1740億円が必要としていますが、原発専業の原電は自前で調達できず、規制委は資金確保を合格の前提条件とする異例の対応をとり、原電は東京電力と東北電力から支援を受ける方針を示しました。
 規制委員会は今後、一般からの意見募集を行ったうえで審査書を正式に決定することにしています。
原子力規制委員会
 ただ、この審査に合格したことが再稼働に直結するわけではありません。福島第1原発の事故後、原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認めれば1度だけ最長20年間延長できることになりました。1978年運転開始の東海第2は運転開始40年の前日の11月27日までに、新規制基準適合に加えて運転延長、設備の工事計画の二つの審査をクリアする必要があります。期限内に必要な手続きが終わるのか、注目されます。
 また、事故が起きたときの実効性のある住民の避難計画が策定される見通しは立っていないほか、日本原電は、原発の再稼働の際、全国で初めて、周辺の自治体から事前に了解を得る必要があり、茨城県、東海村、日立市、常陸太田市、那珂市、ひたちなか市、水戸市のいずれかが再稼働に反対の意思を示せば、再稼働は時事上出来ないことになります。

東海第2原発は、周辺に96万人の人口、首都圏唯一の原発
 東海第2原発は、電力大手9社と電源開発の共同出資による日本原電が1978年に運転を開始しました。国内で初となる出力100万キロワットを超える大型の沸騰水型原発で、東電と東北電力に送電してきました。東日本大震災で運転を緊急停止し、外部電源を一時失い、最大5.4メートルの津波にも襲われました。日本原電は、国内に3つの原発を所有していますが、石川県敦賀の2基は廃炉が決まっており、東海第2原発が再稼働できなと発電事業者として存続できなくなります。

茨城県議会公明党は一貫して再稼働・運転延長に反対
 井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党は、福島第1原発事故以来一貫して、東海第2原発の再稼働、運転延長に反対の立場を貫いてきました。原子力規制委員会の審査を合格することは、原発再開の必要条件ですが、十分条件ではありません。過酷事故が発生した場合の住民の避難体制の確立、そして何より再稼働への住民理解など、越えなくてはならない課題が山積みです。県議会公明党は、何よりも住民の声を第一に今後とも東海第2原発の再稼働問題に取り組んでまります。
 原子力規制委員会の写真は、参加した一般県民からご提供いただきました。