公共政策としてのIR
観光振興で地域活性化、訪日外国人が滞在する拠点に
 1月に召集された国会は、6月20日、衆議院本会議で、立憲民主党などが提出した安倍内閣に対する不信任決議案を否決したのに続き、参議院本会議では、IR(統合型リゾート)整備法などが成立し、22日閉会しました。
 このIR整備法が、カジノ解禁に対する懸念の声もあり、国民からの理解が十分に進んでいない懸念もあります。と同時に、国が税金を使ってカジノを建設するような誤解や日本中にパチンコ店と同じようにカジノができるのではないかという明らかに誤ったデマが流布されています。
 IR整備法を策定するにあたって、公明党は強い姿勢で自民党と掛け合いました。目的は、心配の声が多いギャンブル依存症などの弊害防止です。そのため「ギャンブル依存症対策基本法」を成立させました。そしてIR整備法の中には、IRの中のカジノ機能を厳しく制限する仕組みを付け加えました。そなわち、
 第1に、カジノを含むIR施設は全国で最大3カ所だけ。全国どこにでもできるわけではなりません。
 第2に、日本人客のカジノ入場は週3回、月10回までで、マイナンバーカードで確認が必要。さらに入場料は6000円と高額にせっていされました。
 第3に、IRはカジノのほか、国際会議場、ホテルなどを一体整備される。その割合はIR全体の3%未満と限定的になっています。
 第4に、希望する自治体が誘致を申請し、国が選定する。自治体誘致には地元議会の承認も必要。
 第5に、カジノ収益の30%を国が徴収し、認定自治体と折半されます。観光振興などの財源に充てる予定です。
 マスコミでは、IR整備法に関してカジノ解禁ばかりの報道が目立ちますが、そもそもIRとは、大型ホテルや商業施設、大型MICE(マイス、国際的な会議や展示会などの総称)施設などが一体となった施設です。その一部にカジノが含まれます。また、IRの設置数は3カ所が上限で、各地にカジノが設置されることはありません。しかもカジノの面積はIR全体の3%以下です。
 IRの整備は訪日外国人観光客が増える中、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現するのが目的です。
シンガポールの代表的IRの事例
 一方で、カジノに関しては、ギャンブル依存症をはじめとする弊害防止策を講じるのは当然です。公明党は22回にわたる党内議論を重ね、与党協議でも依存症への万全な対策の必要性を訴えました。
 その結果、世界で最も厳しいとされる米国ネバダ州やシンガポールなどを参考にした厳しい規制内容が盛り込まれました。
 具体的には、日本人のカジノ入場はマイナンバーカードで本人確認をした上で、入場回数は週単位(連続する7日間)で3回、月単位(連続する28日間)で10回に制限しました。さらに安易な入場を抑制するため6000円という高い入場料を定めたほか、本人や家族申告による入場規制も盛り込み、依存症の予防策を徹底しています。
 IRの設置を申請するには、申請自治体(都道府県もしくは政令市)の議会での議決に加え立地市町村の同意が条件です。希望する自治体が誘致を申請し、国が選定します。IRの申請をするためには申請する自治体の議会での議決に加え立地市町村の同意が条件です。地元住民の反対を押し切って設置されることはありません。こうした厳しい条件の付いたIR整備法になりました。公明党の「条件闘争」がなければ、もっと多くの場所に、入場規制が緩い形でカジノが認められていたかもしれません。
 また、マスコミの中には、カジノを設置する場合に国民の税金が使われるのでないかといった間違った情報を垂れ流すメディアもあります。国の税金がIR整備自体に使われることはありません。すべて、民間資本で建設されます。(地域によっては、IRの誘致に補助金を出す自治体があるかもしれません。それは、今後誘致自治体の議会や住民が適切に判断すべき内容です)

公明の主張で依存症対策を強化
 2016年12月に成立したIR推進法(議員立法)により、1年をめどに必要な法制上の措置を講じることが定められたため、政府はIR整備法案を提出しました。公明党は法案作成時の与党協議で、十分な依存症対策を講じるよう主張し、指摘されている懸念の払拭に努めてきました。
 また、IR整備法の付帯決議では、政府に対し、この通常国会で成立したギャンブル等依存症対策基本法に基づき、既存のギャンブル依存症に加え、予防から治療・社会復帰に至るまでの必要な対策を講ずることや、カジノ施設周辺の治安維持に万全を期すことなどを求める公明党の主張も盛り込まれました。

IR誘致のメリットを再確認する
メリット1:外国人観光客増加による地方経済の活性化
 IRの主な対象顧客は訪日外国人です。訪日外国人にもっと日本にこんなものがあってほしいと旅行会社がアンケート調査をすると、カジノを併設したホテルや、ナイトライフをエンジョイできる施設という要望が上位を占めます。オープンしたら海外からはたくさんの観光客が訪日することが考えられるため、観光客がその地域の飲食店やホテル、お土産屋さんなどにお金を落とすことになるでしょう。IRがある地域の景気は観光収入で潤うことになります。
メリット2:地域雇用の拡大
 IR施設には、サービスを提供する大量のスタッフが必要となります。IRが地域にできることでその地域の雇用を創出できるほか、IRで景気が上向いたらその影響がほかの施設にまで回ってきます。
メリット3:社会保障費などの確保
 IR整備法では、カジノの収益の15%は国へ15%は地元自治体へ徴収されます。当然固定資産税など増えます。東京都のように宿泊税を課税しているところは、こうした税収も伸びます。
 例えば、マカオの場合、カジノ税収だけで日本円に換算して1兆2300億円(2015年)あり、それによって市民は医療費、電気料金の補助や、教育費無料などさまざまな恩恵を受けています。