倉敷市美観地区
被災地を“旅”で応援―観光庁、1泊最大6000円を補助
 西日本豪雨の発生以降、被災地の宿泊施設でキャンセルが相次ぎ、深刻な影響が出ていることから、観光庁は1人1泊当たり最大6000円を割り引く支援策を新たに設け、復興を後押ししています。
 これは公明党の主張を踏まえ、政府が今月初めにまとめた「生活・なりわい再建支援パッケージ」に基づくもの。風評被害を払拭し、観光地の再建を支えるための補助金が創設されました。
 対象となるのは、今回の豪雨で災害救助法が適用された11府県(岐阜、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡)。複数の府県を2泊以上連続して宿泊した人の宿泊料金を補助します。
 特に被害の大きかった岡山、広島、愛媛の3県は6000円、それ以外の府県は4000円を割り引きます。落ち込んだ観光客を呼び戻すため、準備の整った自治体から月内に補助を始めます。
 旅行者は、予約などの際に対象の宿泊施設に旅行日程を伝えると、補助分が割り引かれた料金で宿泊できます。府と県は宿泊施設の申請に基づいて補助金を支給します。
 政府は、被災地でのボランティア活動も支援。2泊以上連続して宿泊し、ボランティア活動をする人にも同様の補助を行います。この場合は、1カ所の連泊でも認められます。
 一方、被災自治体としても、民間の宿泊予約サイトで使用できる独自の「宿泊クーポン」を発行しており、国の支援策と併せて観光客の回復に力を注いでいます。
平成30年7月豪雨観光支援事業費補助金|西日本ふっこう割
 観光支援事業費補助金を活用で、3つの観光復興支援パッケージ 政府は、国内の風評被害対策の支援パッケージとして約31億円の予算を組み、風評被害がある観光地域を周遊旅行する方などを対象に宿泊料金を割引することで、36万人程度の観光需要喚起を想定しています。
 今回の災害救助法適用府県(平成30年7月豪雨観光支援事業費補助金)は、岐阜県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県の11府県で、各府県が指定した地域への宿泊が補助金による助成の対象になります。
 観光庁が実施する国内向けの主な風評被害対策(観光支援策)は大きく分けて3つです。

周遊旅行版(西日本周遊旅行促進事業)
 対象11府県のうち「2県以上・連続して2泊以上」した場合に、ホテルや旅館などの宿泊料金を1名1泊あたり最大6000円を補助します。(岡山、広島、愛媛は1泊最大6000円引、その他は1泊最大4000円引)
 旅行者は、11府県が指定する宿泊施設の場合は、行程表を提出し、割引料金で宿泊します。
 11府県が指定する宿泊施設以外での宿泊の場合、宿泊証明書と行程表を、各府県に申請書と共に提出することで、後に補助金を受け取ることが出来ます。

ボランティア版(西日本豪雨ボランティア活動促進事業)
 ボランティア登録者が、対象11府県において「連続2泊以上」の宿泊をした場合に、1名1泊あたり最大6000円を補助します。(岡山、広島、愛媛は1泊最大6000円引、その他は1泊最大4000円引)
 ボランティア参加者は、11府県が指定する宿泊施設の場合は、行程表を提出し、割引料金で宿泊し、ボランティアに参加します。
 11府県が指定する宿泊施設以外での宿泊の場合、宿泊証明書と活動計画ならびにボランティアに参加したことを証明する書類を用意し、各府県に申請書と共に提出することで、後に補助金を受け取ることが出来ます。

交通手段版(代替的交通手段による旅行促進事業)
 交通網が寸断された被災地域を発着する代替的交通手段(レンタカーやバスなど)を通常よりも安価な料金で提供する公共交通事業者へ、正規料金との差額の最大40%を補助します。
 旅行者は、代替的交通手段を提供する交通事業者から、通常よりも安い運賃で利用することができます。