山口那津男代表:公明党全国大会
 9月30日に開催された第12回公明党全国大会でかわされた党幹部と全国の代議員(地方議員)との質疑のうち、防災・減災に関わる高橋英士代議員(岡山県議)と憲法改正問題に関する井手瀬絹子代議員(愛知・岡崎市議)の内容を紹介します。

防災・減災対策

高橋英士代議員(岡山県議)
 地元・岡山県は7月に西日本を襲った記録的な豪雨により甚大な被害を受けた。特に倉敷市真備町地区は広範囲で冠水し、多数の犠牲者を出した。
 公明党は「防災・減災ニューディール」を提唱し、国土強靱化基本法の成立をはじめ、災害に強い国づくりに全力で取り組んでいるが、近年は想定外の激甚的な災害が相次ぐ。こうした災害で浮き彫りとなった課題や教訓を踏まえ、具体的にどう政策を進めていくのか。
斉藤鉄夫幹事長
 被災地の復旧・復興を速やかに行うための必要な財源の確保について、当面は予備費で対応し、10月下旬に予定される臨時国会で補正予算を成立させて十分な財源を確保したい。
 防災・減災・復興を政治の真ん中に置くことが公明党の大きな仕事だ。第1にソフト面の対策である。地域防災計画を立て、それに基づいた訓練や備えを進め、人材育成にも取り組む。公明議員がその先頭に立ちたい。
 第2には、ハード面の財源を確保する。施設の老朽化対策や耐震強化、そして以前よりも高いレベルにする「改良復旧」の考え方も広めていきたい。
 第3は、司令塔機能の強化だ。消防や警察、自衛隊などが有機的に力を発揮するために、どのような組織が良いのか検討したい。

憲法改正問題

井手瀬絹子代議員(愛知・岡崎市議)
 安倍晋三首相が「次の国会に憲法改正案を提出したい」「公明党と調整をしたい」と述べている。そこで党の憲法改正のスタンスを聞きたい。今現在、改正が必要なテーマはあるか。国会での憲法論議のあり方をどう考えているか。首相の「9条1項、2項は残して自衛隊を明記する」との改正案は、かつて公明党でも議論されたが、どう考えているか。

山口代表
 公明党は、現行憲法を変えず新たな条文を加える「加憲」の考えだ。環境権など新しい人権や大災害時の緊急事態などを議論してきたが、固まった案はない。
 公明党は、「法律では限界があり、憲法改正以外に道はない」場合に改正をすべきと考えている。改正のテーマについては、国会の憲法審査会の議論を通し、政党間で幅広い合意を得る努力が必要だ。憲法改正は国会が発議をするため、与党の合意形成が先ということではない。
 10年以上前に、自衛隊を明記すべきとの意見もあったが、決めてはいない。現在は、9条の下であらゆる安全保障環境に対応できる平和安全法制がある。自衛隊も国民の大多数から合憲と考えられている。最近の世論調査では「優先すべき政治課題」として憲法改正は高い順位ではない。9条改正も必ずしも緊急とは言えないと思う。