公明新聞【北斗七星】10月20日付け
公明新聞コラム「北斗七星」(2018/102/20)
◆今から100年ほど前の1915年(大正4年)に、茨城県日立市の日立鉱山に建設された高さ約156メートルの煙突は、“日立の大煙突”として地域の人に親しまれてきた。完成当時は世界で最も高い煙突であった(現在は自然崩壊により3分の1ほどの高さに)
◆なぜ世界一の煙突がここに建設されたのか? 戦後、日立市の天気相談所の所長として赴任した山口秀男氏は、その経緯を調べるうち、鉱山の煙によって、農作物や健康に被害を受けた住民と、加害者側である企業とが、葛藤を乗り越え、誠実な交渉を通して煙害の軽減に取り組んでいった史実を知る
◆山口秀男氏が、友人である作家の新田次郎氏にその話を語ったことにより誕生したのが小説「ある町の高い煙突」(文春文庫)だ。今年、その小説が、仲代達矢、吉川晃司ら豪華キャストによって映画化(松村克弥監督)されることになり、このほどクランクアップした
日立の大煙突
◆この山口秀男氏は、公明党の山口那津男代表の父親である。映画化にあたり、取材を受けた山口代表は、「ぶつかり合うことを回避するために、もがき苦しむ中で、理想に近い合意点を見いだす姿勢というものが、見習うべきものとして胸深く刻まれている」と語っている
◆映画は現在、編集作業が進められており、来春公開される。