倉敷方式のリバースモゲージ
 2月8日、西日本豪雨で甚大な被害を受けた倉敷市は、自宅と土地を担保に住宅資金の融資を受ける「リバースモーゲージ」型のローン利用者に対し、利払いの2分の1を補助する制度を2019年度に新設することを明らかにしました。市内で被災した60歳以上が対象で、住み慣れた場所での生活再建を支援することが目的です。
 独立行政法人・住宅金融支援機構が、大規模自然災害の際に、その被災者向けに実施している「災害復興住宅融資<高齢者向け返済特例>」の利子分の半額を補助する仕組みです。
 「災害復興住宅融資<高齢者向け返済特例>」は、地震等の災害で住宅に被害が生じた旨の「り災証明書」(「全壊」、「大規模半壊」または「半壊」)を交付されている満60歳以上の方が利用できる住宅復旧のための建設資金または購入資金に対する融資制度です。月々の返済は利息のみとし、借入金の元金は申込人(連帯債務者を含む。)全員がお亡くなりになったときに、土地と建物を処分するなどの方法で一括返済します。通常の融資では、利用者が亡くなった場合、相続人が元金を一括返済する必要があります。しかし、この制度では、担保物件を売却して返済に充て、たとえ、売却価格が元金を下回っても、それ以上の負担は求められません。
 倉敷市は、この制度に上乗せして、1千万円を上限にリバースモーゲージの住宅ローンを活用して市内で住宅を建設、購入、補修する際、生涯にわたって毎月の返済分(利子分)の1/2を補助するものです。倉敷市では、2019年度の利用件数を100件と見込み、当初予算案に事業費1億9800万円を盛り込みました。
災害復興住宅融資【高齢者向け返済特例】について
https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/saigai_higashi_revmo/index.html

災害時の高齢者向けリバースモゲージへの補助、“一部損壊”も含め全国拡大を
 「災害で家が壊れたんだ。“半壊”のり災証明はあるけど、補修の見積もりは700万円。もう60歳を過ぎているから、ローンを組むことも出来ない」こうした高齢者の方には、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資<高齢者向け返済特例>。略して「災害リバモ」制度があります。もし、700万円の補修費がかかる場合、ローンの利子分月々11,316円(年利1.94%)を終生支払い、亡くなったときに自宅を売却して清算して返済することになります。万一、不足があっても相続人には請求されません。そして、倉敷市では、この利息の半分を市が負担するという制度を立ち上げます。自己負担は月々5,658円で済みます。
 ただし、一部損壊の被災者は、新築や中古物件の購入は融資対象になりません。限度額は、建物のの場合最大で730万円(工事請負金額の6/10)です。
 こうした制度を、各地の大規模災害発生時に制度化すべきです。さらに、新築や中古物件の購入も含み融資対象を“一部損壊”まで拡大すべきです。