県議会公明党への予算内示
 2月20に、県の2019年度当初予算案の概要が、県議会公明党など主要会派への事前説明で明らかになりました。
 一般会計当初予算案の規模は1兆1360億円で、前年度当初比2.2%増となりました。茨城国体関連費用や社会保障費が伸びたことで、2015年度に次ぐ過去2番目の規模となる見通しです。
 教育面では中高一貫校を大幅増設し、私学教育で先行する中高一貫による進学対策を強力に推進する方針が示されました。現在、県立の中高一貫校は「連携型」「併設型」「中等教育学校」の3タイプが計4校あります。併設型では、2020年度に太田一高、鉾田一高、鹿島高、竜ケ崎一高、下館一高を、2021年度に水戸一高、土浦一高を、2022年度には下妻一高、水海道一高を中高一貫校に改変する予定です。中等教育学校には、勝田高を2021年改編します。
 県立中高一貫校は2003年度、小瀬高を地元中学との連携型として初めて設置。2008年度に並木中等教育学校(つくば市、並木高を再編)、12年度に付属中併設型の日立一高、13年度に古河中等教育学校がそれぞれ設置されています。
 県教育委員会は1月に発表した「県立高校改革プラン」の中で、交通網や志願状況を基に県内を12エリアに区分けしています。中高一貫校は未設置地域への新設を検討し、問題解決型学習や国際教育、科学教育などに重点を置くとしています。2019年度予算案では、各エリアに一貫校を新設する方針で、設置に必要な教室整備などに6億3600万円が計上されます。
 また、19年度予算案では県立高5校への医学コース設置も盛り込まれ、進学対策強化に厚みが加わります。具体的には、水戸一高、土浦一高、日立一高、並木中等、古河中等の5校です。
 県内トップ高校が中高一貫校に移行し、医学部コースが設置されるなど、大きな話題となりそうです。
 県議会公明党の提案では、「茨城助け合い運動推進事業」が新規に認められました。行政だけでは解決が難しい地域の課題に、先進的な取り組みを行うNPO、団体、企業の取り組みに、県並びに市町村が財政的な支援を行う仕組みです。「提案型共助社会づくり推進事業」として3200万円が認められました。高齢者の見守り事業、居場所づくり、移動困難者の支援、子育て支援、子ども食堂、学習支援、防災対策などの分野で、従来の枠組みでは助成対象とならない新規性、先進性のある事業に、50万円から500万円が支援されます。一市町村区域の場合、県が事業費の3分の1、市町村が3分の1、事業者が3分の事業負担となります。複数の市町村にまたがったり全県的な取り組みには県が3分の2、事業者が3分の1を負担します。補助期間は最大5年間となります。
 大井川県知事に代わり、大好き茨城県民会議の少額補助金制度が廃止されたことに対して、県議会公明党は住民セクターの活動を積極的に支援する枠組みの創設を強く求め、県民活動支援基金などのような資金の造成を提案していました。基金創設には至りませんでしたが、従来の補助金の1.5倍程度の規模の支援策が打ち出されました。
 また、県フラワーパークのリニューアル費用として1億9900万円が盛り込まれました。今後総額20億円近くをかけて大規模改修し、観光拠点としての魅力向上を図る方針です。アクアワールド県大洗水族館は、夜間開館に向けたリニューアルに7億円を計上します。
 さらに、少子化対策として、第3子以降の3歳児未満の保育料無償化を打ち出しました。保護者の所得制限を廃止して保育料軽減を拡充します。
 SNSを活用した児童虐待相談窓口(LINE)の試行、LGBTなど性的少数者の差別禁止を県男女共同参画推進条例の改正案に明記することなどが認められました。