新元号を発表する管官房長官
 新元号「令和」が発表され、国民の間には令和ブームがにわかに沸き起こっています。
 これに冷や水をさしているのが日本共産党です。共産党の志位和夫委員長は、4月1日「新元号の発表にさいして」として、以下の見解を発表しました。
慣習的使用に反対しないが、使用の強制に反対する――新元号の発表にさいして
2019年4月1日 日本共産党委員長 志位和夫
一、元号は、もともとは中国に由来するもので、「君主が空間だけでなく時間まで支配する」という思想に基づくものである。それは日本国憲法の国民主権の原則になじまないものだと考えている。
一、わが党は、国民が元号を慣習的に使用することに反対するものではない。
 同時に、西暦か元号か、いかなる紀年法を用いるかは、自由な国民自身の選択にゆだねられるべきであって、国による使用の強制には反対する。
一、政府は、これまでも「一般国民にまで(元号の)使用を強制することにはならない」ことを「政府統一見解」として明らかにしている。
 この立場を厳格に守ることを、あらためて求める。

 そもそも共産党は天皇制について、批判的なスタンスを堅持しています。
 日本国憲法の天皇条項についても、「天皇条項については、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する。一人の個人が世襲で象徴となる現制度は、民主主義と人間の平等の原則と両立するものでなく、民主共和制を実現すべき立場に立つ。天皇制の存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決すべき」と、2004年に定められた綱領に明記しています。つまり「そのうち国民の総意で、天皇制を廃止しよう」と主張しているのです。
 同じく志位委員長は、2月28日の記者会見で、「元号は、もともとは中国に由来するもので、『時をも君主が支配する』との考えからきている。日本国憲法の国民主権の原則になじまないと考えている」と述べています。「元号はいらない」という立場は明らかです。
 しかし、よく考えてみれば、「西暦もキリスト教に由来するもので、日本国憲法の政教分離の精神にはなじまない」のではないか?という疑問にはどう答えるのでしょうか。
 現在は、国民の反発を恐れ、中国由来であることを元号反対の理由としているものの、「天皇制なんかいらない」というのが共産党の本音と見たほうが妥当です。