5月10日、県議会公明党の八島いさお県議と村本しゅうじ県議は、ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長訪ね、海浜鉄道の延伸計画について聴き取り調査を行いました。
 ひたちなか海浜鉄道湊線は、かつては茨城交通の路線でした。2008年に第三セクター化され、現路線名となっています。勝田〜阿字ヶ浦間14.3kmを結ぶ非電化路線です。
 一時は廃止も議論されたローカル私鉄ですが、三セク移行時に社長を全国から公募。吉田千秋氏を社長に迎え、経営健全化に成功しました。現在、阿字ヶ浦で止まっている湊線を、ネモフィラとコキアで全国的に有名となった「ひたち海浜公園」まで、延伸する計画が浮上しました。
ひたちなか海浜鉄道吉田社長と意見交換
 ルート案は総延長約3.1km。阿字ケ浦駅から北上し、海浜公園の南側外周に沿って進み、公園中央口を超えて公園西口付近を終点とする案です。
 途中駅は、当初、阿字ヶ浦の土地区画整理地区と、海浜公園中央口付近の2駅が設けられる計画でしたが、事業費の兼ね合いで現在では1駅となる見込みです。
 終着駅は、海浜公園西口の翼のゲート付近に設置され、バスターミナルも併設されます。物産品販売や飲食を提供できる観光拠点の整備も見込んでいます。周囲にはアウトレットモールやホームセンター、家電専門店などの大規模ショッピングセンターがあり、買い物にも便利な立地です。
 概算事業費は、当初約65億円とされましたが、2018年2月に約78億円に見直されました。
資金計画は、国から3分の1の補助を受け、県と地元ひたちなか市が6分の1づつ、海浜鉄道が3分の1を負担する計画です。事業者負担は27億円あまりとなります。
 ひたち海浜公園には毎年200万人以上の来場者がありますが、多くが自動車での来場となっており、ネモフィラとコキアのトップシーズンには深刻な交通渋滞を招いています。
 海浜鉄道が延伸されれば、その一部が鉄道利用に振り分けられ、渋滞緩和の有効手段となると期待されています。例えば、1割20万人を海浜鉄道に利用してもらうだけで2億円の増収となり、15年程度で投資を回収できることとなります。
ひたちなか海浜鉄道吉田社長と意見交換
右から八島功男県議、ひたちなか海浜鉄道吉田千秋社長、村本しゅうじ県議(2019年5月10日、ひたちなか海浜鉄道本社)