日立地域MaaS実証実験
 6月18日、国土交通省は、MaaS等新たなモビリティサービスの推進を支援する「新モビリティサービス 推進事業」について、有識者委員会の審議を経て、公募51事業から、事業の熟度が高く、全 国の牽引役となる先駆的な取組を行う「先行モデル事業」を19事業を選定し公表しました。
 茨城県内では日立市とつくば市の取り組みが選ばれました。
 特に、日立市のモデル事業は野心的で、「日立地域MaaS実証実験」と呼ばれ、日立市、茨城県、茨城交通株式会社(みちのりHD)、日立製作所、常陽銀行、茨城大学が共同で実施します。また連携企業として代表的な地図アプリ業者ジョルダンが参加します。
 国交省の実施概要には、「自家用車に依存した生活の地方におけるMaaSモデルの確立を目指し、既存の交通モードと先行して実施しているデマンドサービスや自動運転をシー ムレスにつなぐアプリの提供、およびサービスを支える情報技術基盤を実証する」と記されています。
 次世代型の交通サービスMaaSとは、ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念です。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行う例が主流です。
 MaaSは、“Mobility as a Service”は頭文字であり、「サービスとしてのモビリティ」を意味します。移動手段を自動車や自転車という「モノ」としてではなく、人やモノを運ぶ「サービス」として提供することを意味し、従来の事業の枠組みを越えた新たな連携のもと、人やモノの移動手段を大きく変えるポテンシャルが存在します。
 MaaSの取り組みが進むフィンランドのヘルシンキでは、Maas Global Oyが開発したスマートフォンアプリ「Whim」を使って、タクシーやバス、電車などの公共交通機関、レンタカーなどを組み合わせた移動手段が選べ、予約や運賃の支払いを一括でできる仕組みができあがっています。また、ユーザーが必要な移動手段のパッケージを選択して月額料金で利用できるサービスも提供されています。
 MaaSを実現するためには、各交通機関の移動サービスのデジタルな連携とユーザーがさまざまな移動サービスにアクセスできるアプリケーションの開発普及が不可欠です。また自家用車に迫る移動の自由度を確保するために、交通機関の運行や在庫の状況、移動需要などのデータを収集・分析・予測することが最も重要な技術の一つになります。
 これまでにも交通データの利活用は行われていますが、各交通機関が自身で保有するデータを個別に利活用する例が大半です。MaaSでは、複数の交通機関が所有するデータを同じプラットフォーム上で取り扱えるようにすることが大前提であり、この交通データ分析プラットフォームが重要なコンポーネントになります。
 今回、日立市で実証実験されるサービスの中には、バス専用線(BRT)を活用したバスの自動運転、路線バス、JR、タクシー、高速バス、そしてレンタサイクルまでも組みこまれます。
 交通渋滞への対応や高齢化対策など、日立市が抱える様々な課題に、今までとは全く違った視点から挑戦することになります。
 その成果に大いに期待したいと思います。
報道発表資料:日本版MaaSの展開に向けて地域モデル構築を推進!〜MaaS元年!先行モデル事業を19事業選定〜 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000150.html