鹿島サッカースタジアム
鹿女に朗報!女性トイレを大幅リニューアル
 メルカリを新たなオーナーに迎えて、サッカーJ1の鹿島アントラーズFCの攻めの経営が続いています。
 アントラーズは、オフィシャルスポンサーであるLIXILと共同で、カシマスタジアム内のメインスタンド側女性トイレ(NIPPON STREETゲート)を全面的にリニューアルしました。8月23日のJ1ホーム試合・ガンバ大阪戦でお披露目されます。画期的なリニューアルポイントは5つ。
  • パウダーコーナーの新設 手を洗うスペースと分けることで洗面スペースの混雑解消を実現。LED照明付きの鏡でお化粧直しも気持ちよくできます。
  • 個室スペースが斬新なデザインに アントラーズカラーのレッド&ネイビーを配した配色。レッドのドアは開閉が一目で分かる仕様となっています。
  • 「ベビールーム」の充実 女子トイレの外に、男女問わず使える独立スペースを新設しました。ベッドも、立ったままおむつを交換できる着替え台も、使用済みおむつを捨てられるゴミ箱も配置しています。
  • 便器に新素材陶器を導入 簡単な掃除で新品の輝きが100年続くLIXILの「アクアセラミック」を国内のサッカースタジアムで初導入します。
  • 試合の中継映像を流すスクリーン設置 入り口に大型スクリーンを配置。これで待っている間も試合の流れを追うことができるようになりました。
 アントラーズは、他のクラブに比べて女性サポーター比率が高いという統計があります。直近5年間の平均で、来場者の45%の来場者が女性。J1の平均が38%ですから7%も高くなっています。「比率的に多い女性のお客様に満足していただけないか」という思いから、1年前からこのプロジェクトをスタートさせました。LIXIL社と共同で、“REST and”というコンセプトのもと、トイレに「快適」「リフレッシュ」という付加価値を加えた空間作りを実現しました。
 また、茨城県は総額1億9000万円の予算を投じて、男女合わせ150個ある和式トイレを、全て洋式トイレに改修します。
アントラーズFCは県立カシマスタジアムの指定管理者
 鹿島アントラーズFCは2006年、Jリーグで初めて自治体が所有する競技場の指定管理者になりました。2011年には10年間という異例の長期契約を締結。2006年にスポーツクラブ「カシマウェルネスプラザ」、2015年には整形外科の「アントラーズスポーツクリニック」を開業しました。両施設ともに、利用者数を堅調に伸ばしてています。
 さらに、今年6月9日には、全国に湯治施設を展開するルフロの協力で、通年営業のミネラル湯治施設「アントラーズトージ」を、カシマウェルネスプラザ内に開設しました。鹿島のホーム試合日は、午後5時までのキックオフであれば試合後も入館でき、ナイトゲーム開催日は試合前まで利用できます。
 アントラーズによると、温浴施設は2006年から温めていた構想で、スタジアムを健康のイメージと結び付け、運動、治療、温浴の各施設で多様なニーズに応える環境を整えたことになります。
 鹿島アントラーズの公式戦ホーム試合は昨季29試合です。試合日以外の収入源確保が、スタジアム運営の成否を左右します。健康関連事業以外にも趣向を凝らした自主イベントで稼働率を上げています。コンコースで夏季限定ビアガーデンを開催し、体験型ホラーイベントや芝生上でのキャンプイベントも好評を博しました。
 鹿島スタジアムの2017年度の支出は約3億5500万円。収入は県からの指定管理料が約5700万円、他団体への貸し出しによる利用料収入約2億3000万円。これにカシマウェルネスプラザやイベントによる自主事業収入約8400万円などを積み上げ、単年度収支で黒字化に成功しています。

音楽イベントの誘致、ヘリコプターによる送迎など検討
 「スタジアム外の敷地にはまだ余裕がある」として、ドッグランなど新事業の案を検討中ということです。音楽コンサートの開催は日程調整の壁があるが、都合が合えば実現可能です。
 さらに昨年、東京〜鹿嶋間をヘリコプターで結ぶ観戦ツアーのデモ飛行が行われました。富裕層やVIPに向けたパッケージ開発の一環で、試合観戦に加え鹿行地域の観光を合わせたプランを計画しています。スタジアム駐車場にヘリポートが整備されれば、試合やイベント時の空撮、来賓の送迎、ドクターヘリや防災ヘリの発着にも利用できるようになります。ネット環境の整備にも力を入れています。無料の高密度Wi−Fi網などの設備を増設してきました。
 来年の2020オリンピック開催に向けて、カシマスタジアムは大きく変わります。