9月28日、第74回国民体育大会「茨城国体」が開幕しました。
総合開会式には47都道府県の選手団4240人、観客1万546人、出演者ら1万1372人の計2万6158人が参加しました。
午前11時、オープニングプログラムで開会式がスタート。「いきいき茨城漫遊記」をテーマに、歌や踊りが次々と披露されました。
式典前演技では、天皇、皇后両陛下が見守る中、総勢1800人が演技や踊りを通じて茨城県の魅力をアピールしました。
式典は大洗高マーチングバンド部の先導で、各都道府県の選手団が北海道から順に入場行進。最後に茨城県選手団605人がクレー射撃の中山由起枝を旗手に入場すると、ひときわ大きな歓声が沸き起こりました。
午後2時20分、選手団が整列し終えると、大井川和彦知事が開会を宣言。天皇陛下が即位後初めて国体でお言葉を述べられ、会場は大きな拍手に包まれました。
続いて44市町村で集められた炬火がランナーの手から手に引き継がれ、最終ランナーのバスケットボール少年男子の宮内柊人さん、水泳少年女子の井田真由さんが炬火台に駆け上がり、火をともしました。
選手宣誓にはハンドボール少年男子の後藤駿介さんとスポーツクライミング成年女子の野口啓代さんが立ち、「郷土の応援と期待を背負い、最後まで全力を尽くして戦い、夢と感動を届けることを誓います」と力強く宣誓しました。
天皇陛下のお言葉(全文)
「翔べ 羽ばたけ そして未来へ」をスローガンに開催される第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」総合開会式に、全国各地から参加された選手、役員、そして開催地である茨城県の皆さんと共に、出席できることをうれしく思います。
先月末の大雨や、今月上旬の台風15号により、ここ茨城県を含む各地で大きな被害が生じたことに心を痛め、被災された方々のご苦労を案じています。復旧が一日も早く進むことを心から願っています。
国民体育大会は、終戦の翌年、戦後の厳しい状況にもかかわらず、スポーツの復興を願う人々の熱意により、第1回大会が開催され、以来、わが国におけるスポーツの普及と発展に大きな役割を果たしてきました。長年にわたって大会を支えてきた関係者のたゆみない努力に対し深く敬意を表します。
茨城県で国民体育大会が開催されるのは、昭和49年以来45年ぶりのこととなりますが、ここに集う選手の皆さんには、日頃の練習の成果を十分に発揮して、大いに活躍していただくとともに、お互いの友情を育み、地元茨城県民の皆さんとの交流を深められるよう願っております。また、この大会に参加する皆さんの中から、来年の東京オリンピックにおいて活躍する選手が数多く誕生することを期待しております。
ここ茨城の地で、多くの県民に支えられて開催される今回の国民体育大会が、皆さんの心に長く残る、実り多い大会になることを期待し、総合開会式に寄せる言葉といたします。