赤羽国交相が久慈川の決壊箇所を視察
 10月18日、台風19号による被害を把握するため、赤羽一嘉国土交通大臣は茨城県内の浸水被害を受けた現場を視察し、一日も早い復旧を目指す考えを示しました。
 赤羽国交大臣は、公明党県本部の高崎進代表(県議)と共に、河川の氾濫で冠水した水戸北スマートIC(インターチェンジ)の被害状況を調査。付近が約4メートル冠水してETC設備が全損し、通行止めになっている状況などを見て回りました。
 同行した大井川和彦知事、水戸市の高橋靖市長は、被災自治体の財政負担軽減を図る激甚災害の早期指定を求めました。
 その後、那珂川にかかる千代橋右岸下流の決壊場所(那珂市)、久慈川左岸の富岡(常陸大宮市)地区の決壊箇所、久慈支流の浅川の決壊現場(常陸太田市)などを視察しました。
 最後に、常陸太田市役所で意見交換会が行われました。
 意見交換会で大井川知事は、今後、同じような被害を出さないためにも抜本的な対策が必要だとしたうえで、決壊した河川の堤防などの復旧や通勤・通学などに利用されるJR水郡線の早期の復旧に向けた財政支援などを求める緊急の要望書を手渡しました。
 これに対して赤羽大臣は、決壊した久慈川や浅川の復旧を急ぐため、県の所管する河川でも点検や緊急工事を国が実施することや、大きな被害を受けた水郡線の早期の復旧に向けて、来週月曜日に改めて現場を視察したい考えを示しました。
 視察を終えたあと、赤羽大臣は記者団に対して「被害は甚大だと感じた。国も率先して復興にあたっていきたい」と述べました。
赤羽国交相に要望書を手渡す大井川知事
台風19号被害に関わる赤羽一嘉国交大臣への要望事項

2019年10月18日
茨城県

  • 早期の激甚災害への指定について
    今回の台風第19号による大雨等により発生した本県の災害を激甚災害として早期の指定をお願いしたい。
  • 公共土木施設等の早期復旧について
    久慈川、那珂川等の決壊に伴う応急復旧をはじめ、洪水に伴い大きく被災した河川や道路等の公共土木施設の早急な復旧のため、特段の配慮をお願いしたい。
  • 久慈川の復旧支援について
    久慈川(県管理区間)において、応急復旧への支援及び国による本格的な復旧をお願いしたい。
  • 抜本的な河川改修の推進について
    那珂川及び久慈川において、洪水時における流下能力が十分でなく、本川のみならず本川から支川へのバックウォーターなどにより支川の周辺地域にまで甚大な被害が生じたことから、流下能力の大幅な向上が図れるよう、抜本的な河川改修の推進をお願いしたい。
  • JR水郡線の早期復旧について
    県北地域の重要な公共交通インフラとして、通勤・通学や観光輸送を担うJR水郡線においては、橋梁の流失など線路設備等に深刻な被害が生じていることから、全線の早期復旧を図るとともに、十分な財政支援など特段の配慮をお願いしたい。
    また、公共交通機関の正常な運行が回復するまでの期間において、必要な生活交通を円滑に確保できるよう、交通事業者又は地方自治体が実施する代替交通の確保について必要な支援をお願いしたい。
  • 被災者の生活再建支援について
    住宅金融支援機構の災害復興住宅融資制度について、住宅再建に係る被災者の負担軽減を図るため、現行制度よりも融資利率を引き下げるなど、特段の配慮をお願いしたい。
  • 住家の一部損壊に対する支援について
    台風第15号に係る災害を受け実施されることになった住家の一部損壊の支援について、台風第19号においても適用をお願いしたい。
  • 都市災害の幅広い採択について
    台風19号による冠水等のため、都市部においては排水施設に障害が発生し、復旧作業に支障が生じていることから、排水施設の復旧や土砂等の撤去・搬出についても災害復旧として広く採択をお願いしたい。
  • 観光事業者等への支援について
    今後、被災地域においては、風評被害や二次交通の被害による旅行控えや宿泊キャンセル等の観光消費の減少が見込まれることから、観光需要の早期回復を図るための観光事業者等への助成についてお願いしたい。