世界遺産「首里城」
 10月31日未明、那覇市にある「世界遺産」の首里城跡に復元された首里城で大規模な火災が発生し、「正殿」など主要な建物が全焼。琉球王国時代から伝わる貴重な収蔵品の多くが焼けました。11時間にわたって続いた大規模な火災では、城の主要な建物の「正殿」や「北殿」、それに「南殿」などが全焼しました。
 消防によりますと火元とみられるのは「正殿」で、火災による熱が強くて消防隊が現場に近づけない間に火が風にあおられ、燃え広がっていったということです。
 首里城は琉球王国時代の500年以上前に建てられました。戦前に3回焼失し、再建後、正殿は大正14年に国宝に指定されました。
 しかし、太平洋戦争中の沖縄戦で焼失しました。
 平成4年に正殿が復元され、平成12年には九州・沖縄サミットで各国首脳の夕食会の会場にもなりました。
 また城の跡は、独立王国としての琉球が本土とは異なる独特の文化を発展させたことを示す歴史的な遺産だとして県内のほかの「グスク」と呼ばれる城の跡とともに「世界遺産」に登録されています。

クラウドファンディング
 焼失した首里城の再建を目指し、那覇市がふるさと納税を活用して、いわゆるクラウドファンディングで1億円の支援金を募ったところ、11月4日15現在で目標の倍に当たる約2憶円が集まりました。
 首里城の火災で、那覇市は1日からふるさと納税を活用し、インターネットを通じて必要な資金を集めるクラウドファンディングで1億円の支援金を募っています。
 その結果、4日目の4日午後3時ごろ、およそ1万4845人から2億1000万円を超える寄付があり、目標金額の達成率は210%に達しています。
 応援メッセージの欄には、「あの素晴らしい沖縄のシンボル首里城が、1日でも早く再建されることを心より願っています」とか「再建に向けて頑張ってください」といった声が寄せられています。
首里城復興のクラウドファンディング:https://www.furusato-tax.jp/gcf/717

公明党が首里城再建に緊急提言
首里城火災 公明、早期再建へ緊急要請
 10月31日、首里城の火災発生を受け、公明党の斉藤鉄夫幹事長は、国土交通省で赤羽一嘉国交相(公明党)に対し、早期再建に向けた緊急要請を行いました。
 席上、斉藤幹事長は「沖縄のシンボルであり、心の象徴である首里城の再建に向けて、沖縄の皆さんに安心してもらえるよう、政府として全力を挙げて取り組むとの発信をしてもらいたい」と訴えたました。
 具体的には、▽周辺住民・地域の安全確保や、出火原因の究明と再発防止▽復元を含め今後の方向性の早期明示▽正確な情報発信と観光支援策の実施▽防火・耐震など防災対策の充実――などを求めました。
 赤羽国交相は「一日も早く復旧できるよう、しっかり取り組む」と述べました。
 さらに2日には、斉藤幹事長が記者会見で「 里城は沖縄のシンボルだ。沖縄の人が愛し、アイデンティティー(よりどころ)として大事にされてきた首里城の焼失は大変残念だ。早期再建に向け、公明党は10月31日、赤羽一嘉国土交通相(公明党)に対し全力の取り組みを要請した。今年度補正予算にも再建費を盛り込み、国としての意思を明確にすべきだ」と、述べました。