水戸市の水害被災地を調査する公明党議員団
■政府は予備費1300億円活用
 政府は8日、台風15号や19号などによる被災者の生活となりわいの再建に向けた「対策パッケージ」に、今年度予算の予備費から1316億円支出することを閣議決定しました。パッケージには、公明党の台風19号対策本部(本部長=石井啓一幹事長代行)が先月25日に政府に提出した政策提言が随所に反映されました。中小企業や農林漁業者などへの支援に684億円を確保し、なりわいの再建に重点を置いています。
 中小企業支援については、被災した企業が連携して行う施設復旧の費用などを手厚く支援する「グループ補助金」制度を導入。東日本大震災からの復興途上にある宮城、福島両県では支援をさらに上乗せします。また災害救助法が適用された宮城、福島、栃木、長野など14都県では、被災自治体が実施する支援策を国が後押しする補助金も別に設けます。
 茨城県はグループ補助金の対象から外れましたが、被災自治体が中小企業を支援する取り組みを補助する「自治体連携型補助金」を新設し、特に茨城県を含めた5県についてグループ補助金と同等の支援策が用意されました。経済産業省は、災害救助法が適用された14都県の被災した中小企業を支援するため、新たに自治体連携型補助金を創設し52億9千万円を確保。被災地の都県が企業の復旧・再建を支援する取り組みに対し、費用の2分の1を補助します。中でも茨城、岩手、埼玉、千葉、神奈川の5県は局地的に甚大な被害を受けているとして、国の補助率を3分の2に引き上げます。事業者に対する補助率は最大4分の3まで設定でき、その上限は各県が設定できるよう柔軟な運用にしました。制度の詳細は、11月19日に招集される臨時県議会に諮られます。
 農家に対しては、早期の営農再開に向け、被害を受けた果樹の植え替えや稲わらの撤去にかかる経費、農業用機械の修繕を支援。収穫後に倉庫などで保管していたコメの浸水被害にも支援策が講じられます。
 観光業の風評被害対策では、観光客を呼び込むため、被災地での宿泊料金を1人1泊当たり5000円補助されます。
 一方、被災者の生活再建に向けては、復旧の妨げとなる災害廃棄物や土砂を年内に生活圏内から撤去することをめざします。被災者のニーズに応じて住まいを迅速に確保するため、仮設住宅の供与や公営住宅の空室情報を積極的に提供することや、被災した鉄道の復旧、鉄道事業者が行う代行バスの運行経費に対する支援も盛り込みました。

大井川知事に要望書を提出
■公明の提言反映
 11月8日午前、公明党対策本部は衆院第2議員会館で、パッケージの内容について関係府省庁から報告を受け、意見を交わしました。石井啓一本部長(茨城県本部顧問)は、「公明の提言が反映された内容で、被災者の生活や農林漁業の再建につながるものだ」と評価し、「地方議員と連携しながら、国民にどういった支援が受けられるのか丁寧に周知していきたい」と語りました。
 一方、茨城県議会公明党(代表:たかさき進県議)は、10月24日大井川知事に対して「台風19号の被害に関する要望書」を提出しました。グループ補助金の創設や農業者の支援など21項目の具体策を要望しました。この要望への具体的な回答は、11月12日午前に行われる見込みです。