スマホを使う子ども
 茨城県議会公明党が提案し実現した、中高生がいじめなどの悩みについてLINEで相談できる窓口が、去年の夏に続いてこの冬も1月7日から23日までの予定で開設されています。
 学校の長期の休みの終わりから学校が始まる時期にかけては、子どもが不安定になる傾向にあることから、県教育委員会は去年夏、LINEを使って中高生の悩みの相談に乗る「いばらき子どもSNS相談」を初めて設置し、40日間で1000件近い相談がありました。
 相談を寄せた人からは「顔が見えないので相談しやすかった」「また相談したい」といった声が寄せられたということで、県教育委員会はLINEを活用した相談窓口が有効だと分かったとして、この冬も相談窓口を設置しています。
 対応時間は午後6時から午後10時までで、前回は県内の公立学校に通う中学1年生から高校3年生が対象でしたが、今回は対象を私立学校にも広げ、それぞれの学校を通じて生徒に周知しました。
 相談を受けるのは臨床心理士などの専門家で、匿名の相談ができます。県教育委員会は「学校のことや友だちのことなど、どのような内容でも相談してほしい」としています。
相談内容
 また、1月7日には、昨年夏に行われた「いばらき子どもSNS相談2019」の結果報告が、県教育委員会のホームページで公開されました。
 それによると、期間中の「友だち登録者」数は800人、相談の対応件数は812件、相談者実人数は334人でした。1日当たりの平均対応件数20.3件で、1件当たりの平均相談時間1時間18分確保されました。
 相談の内容で最も多かったのは、171件の友人関係であり全体の21.1%を占めました。恋愛45件(5.5%)、学業・進路43件(5.3%)、自分の性格42件(5.2件)、心身の健康・保健41件(5.0%)などの相談が目立ちました。
 自殺をほのめかすような緊急対応が必要な相談はありませんでした。いじめの相談24件のうち1件は、学校における対応が必要と判断し、学校に情報提供し対応を求めました。
 アンケートによると、利用者33人中66.7%が「相談してよかった」と回答しました。「今後,SNS相談を利用したいと思いますか」との問いに対しては、回答者41人中40人(97.6%)が利用したいと回答しました。
 こうしたアンケート結果から、相談者は、SNS相談に高い満足感と期待感を持っていることが推測できます。「相談したことで、自分で背負っていたものが軽くなった」との感想もありました。
 反面、対象生徒約13万人に対し、友だち追加を行ったのが800人にとどまりました。相談のニーズを掘り起こし、悩みが小さいうちに解消を図るという趣旨から考えると、周知カー ドの作成・配付などにより、できるだけ多くの登録につなげていく必要があります。