「パンダ招へいを応援する会」の発会式が盛大に開催されました。
 日立市のかみね動物園に、パンダを迎えて日中友好の深化、地域の活性化につなげていこうという勝手連です。
 パンダ誘致を実現するためには、単なるまちおこしではなく、日中友好の流れをより確かなものにするために、パンダの未来を守るために、私たちが何が出来るかを真剣に考えていきたいと思います。
 明るく、楽しく、パンダを日立に呼ぶために頑張っていきます!
 茨城県北振興の目玉として県と日立市は、かみね動物園へのジャイアントパンダの誘致を進めています。昨年(2019年)11月に「いばらきパンダ誘致推進協議会」(会長・大井川和彦知事)は、中国政府の窓口などを訪れて、パンダ誘致の意欲を正式に伝えました。
 「候補地の一つとして考えていく」と、パンダの調整窓口、中国国家林業草原局の孟憲林司長は、日立市の誘致表明にこう答えました。
 中国人民対外友好協会の副会長からは「積極的に協力したい。パンダが生息する省などと友好都市関係を結ぶのはどうか」と提案を受けました。
 パンダ誘致は大井川知事が、昨年2月、市と共同で乗り出すと表明しました。6月には行政や議会、日中友好団体などで構成する「いばらきパンダ誘致推進協議会」が設立されました。本年度から県が1人、市が2人の専任の担当職員を配置し、昨年10月には、市から県に職員1人を派遣し、体制に厚みを増しました。小川市長は「県北の人口減少対策の大事な素材。実現すれば県北の人の流れが大きく変わる」と、パンダ招致に堅い決意を持って臨んでいます。

 パンダ誘致を巡っては、仙台市や神戸市、秋田市など、県庁所在地の強力なライバルが競合しています。
 受け入れ先の最終決定については誘致推進協議会は「政治的判断が重要になる」と予測しています。中国の習近平国家主席が今春、国賓として来日する予定で、パンダ貸し出しの方向性が打ち出される可能性があります。誘致推進協議会は、ここを一つのポイントと狙いを定めています。
 こうした行政の動きを後押ししようと、市内の経営者らを中心に「パンダ招へいを応援する会」が発足しました。今後も広く会員を募り、商品などに貼るパンダシールを配布する予定です。応援する会の運営を担う菓子店経営の武田太志さんは「地域経済への波及効果が期待できる。県内全体で機運を高めたい」と、発足式で力を込めました。

 いわゆる「客寄せパンダ」として集客に焦点が当たりがちなパンダ誘致ですが、パンダ貸し出しはあくまで繁殖の共同研究が目的です。しっかりと繁殖させ、子どもを増やし中国に戻すことが第一の目的です。
 かみね動物園は、チンパンジーやクロサイなど希少動物の繁殖に成功してきた実績を持っています。動物の習性を生かした展示や、動物にストレスを与えにくい飼育環境の工夫にも取り組んでいます。また、茨城県の特色として、つくば市の筑波研究学園都市に集積する研究機関との連携が可能とというメリットがあります。
 「最大のテーマは繁殖技術の確立。誘致の成り行きを見ながら、手探りでやっている」、とかみね園の生江信孝園長は、成都ジャイアントパンダ繁育研究基地や現地の研究発表会を訪れたほか、パンダを飼育する上野動物園などでの情報収集に努めるています。
 パンダ舎の建設をはじめ飼育員や獣医師の育成、エサの確保など課題は数多くあります。周辺の道路整備などを含めると、数百億円のレベルの投資になると思われます。しかし、その投資に見合う効果が期待できるパンダ誘致です。市民と行政、そして政府をも巻き込んで、しっかりと進めてまいりたいと思います。