サポカー補助
 65歳以上の高齢者を対象に安全運転サポート車(サポカー)の購入などを支援する「サポカー補助金」の申請受け付けが、3月上旬から始まります。
公明党が強く主張し、先月成立した2019年度補正予算に盛り込まれました。補助金の概要などを紹介します。

■(新車・中古車)最大10万円の購入支援
■(後付け装置)マイカー向けに低額で

サポカー補助 サポカー補助金は、(1)サポカーを購入(リースも含む)(2)後付け装置を導入――の場合に適用されます。19年度中に65歳以上となる高齢者が対象です。
 サポカーとは、加齢による運転技術の衰えを先進技術で補う車を言います。具体的には、歩行者などに急接近した時に自動で止まる「衝突被害軽減ブレーキ」と、誤ってアクセルを踏んだ時の急加速を防ぐ「ペダル踏み間違い急発進等抑制装置」で危険を回避します。
 現在、販売されている新車の8割以上が、これらの安全性能を標準装備しています。しかし、価格が高いことなどから高齢者の利用が進んでいません。そこで今回のサポカー補助金では、新車(普通車、軽自動車)や中古車などの違いによって、最大10万円までを支給します。予算額は1139億円で、約100万台分に相当します。
 一方、新車購入はハードルが高いという人も多いことから、手持ちの車への対策を公明党が訴え、後付け装置の導入支援も対象に加わりました。
 後付け装置には、検知センサーを基に急発進を抑えたり、ペダルの踏み間違いを防いだりする製品があります。価格は取り付け費用込みで4万〜20万円。補助額は、検知センサー付きの装置で4万円、センサーなしで2万円です。
 サポカー補助金の申請受け付けは3月上旬からの見通しです。新車に限り、時期をさかのぼって、19年12月23日以降の登録車が対象になります。また、補助金の執行団体は一般社団法人次世代自動車振興センターに決定し、現在、申請手続きなどの準備を進めています。

 警察庁が2月13日に発表した19年の調査結果によれば、75歳以上の運転者の死亡事故のうち最も多かった人的要因が、ハンドルの操作ミスやペダルの踏み間違いなどの「運転操作の誤り」でした。このうち、「踏み間違い」の割合は、75歳以上が7・8%に上り、75歳未満の0・6%と比べて13倍の高さです。
 こうした中、免許を自主返納する人も増えていますが、仕事や買い物などで手放せない高齢者も少なくないのも実情です。そのため、公明党の主張でサポカー補助金が実現。自治体レベルでも、例えば東京都が19年度の緊急対策として、70歳以上を対象に後付け装置の導入費用の9割補助を実施しています。