新たな産業廃棄物最終処分場が計画される太平田鉱山入口
 5月26日、大井川知事は定例記者会見において、新たな公共関与の産業廃棄物最終処分場候補地を、日立市諏訪町の「日立セメント太平田鉱山跡地」に決定した発表しました。
 この太平田鉱山跡地は、昨年まで日立セメントが、その原料である石灰石を長年採掘していた鉱山です。

 新最終処分場は、現在の「エコフロンティアかさま」と同様に、管理型最終処分場として、地下に水を浸透させないような遮水構造をもって産業廃棄物の埋め立てをし、発生する汚水は、基準値以下に浄化した後に公共の下水道に流すという形式です。非常に環境基準の高い最終処分場にする予定です。
 日立市諏訪町に決定した理由として、大井川知事は、
  1. 不透水性の岩盤が強固であるということで、地形を活かして安全な施設整備が可能である。
  2. 既にセメントの採掘場として開発された地形をそもそも利用することができるので、生態系への影響が少ない。
  3. 候補地の敷地の境界から300メートル以内に住居が無いということで、事業所が1戸あるのみで、生活環境への影響も少ない。
  4. 現処分場のエコフロンティアかさまと同程度の容量が確保されるということで、中長期にわたり安定的な運営が可能である。
  5. 浸出水処理については、公共下水道へ放流予定であり、その環境も整っている。
などの特徴を挙げました。
新たな産業廃棄物最終処分場が計画される太平田鉱山
 「エコフロンティアかさまがもう残り6年ぐらいで満杯になるという状況で、県関与のしっかりとした後継処分場をつくる必要に迫られていた」と、大井川知事はその建設の必要性を強調しました。

 日立市諏訪町への予定地決定の経過としては、公共関与の最終処分場を建設する。エコフロンティアかさまの埋め立て終了時を見据えて令和7年度の整備を推進する等の基本方針を、令和元年の8月20日に決定。その後、有識者会議の中で、3回にわたってスクリーニングをして、今年春には最終的に3カ所に候補地を絞りました。最終的に候補地として残った3つの場所が、日立市の諏訪町以外には、城里町の上古内、それから、常陸太田市の和田町の3カ所でした。それぞれの自然環境への影響、生活環境への影響、さらには事業効率性を総合的に評価し、総合評価の結果、日立市の諏訪町に決定されました。

 事業主体は、エコフロンティアかさまと同様の公共関与ということで、茨城県環境保全事業団を予定しています。

 今後、住民説明会を、日立市及び住民の方々のご理解を得られるよう、重ねていくとしました。また、現行のエコフロンティアかさまの見学なども行い、地域の理解を深めていきたいと大井川知事は語りました。

 新たな産業廃棄物最終処分場が、廃棄物の適正処理や循環型社会の形成、産業の持続的発展に欠かせない、非常に重要なインフラであることは事実です。
 しかし、日立市民にとっては、産業廃棄物最終処分場が近くに整備されると聞けば、不安も出てくるもの当然です。諏訪地域や鮎川の環境を守るためにも、慎重な対応が必要です。

 また、総事業費200億円といわれるこの事業を、旧来の公共事業の枠組みで行うことの是非も再検討する必要があります。現に、エコフロンティアかさまは、ゴミ減量化の流れの中で当初計画を大きく見直し、当時の県議会公明党が提案した「レベニュー債発行」という画期的な手法で再建された経緯があります。
 安全性の確保という視点、環境と生活を守るという視点、そしてその採算性、この3つの視点から厳しく県の計画を検証する必要があります。


大井川知事の記者会見の模様(2020/5/26)