12月4日、日立市内で行われている、路線バスの自動運転実証試験に試乗しました。JR常陸多賀駅前から日立おさかなセンターの往復です。一昨年行われた実証運転(ひたちBRTの自動運転実証実験/今後の交通体系整備を提案 http://blog.hitachi-net.jp/archives/51694651.html)では、ブレーキ時にスムーズな運転ができない、乗降場所との距離が広いなどの欠点も見だちました。2年間の改良の中で、加速、減速、ブレーキなど運転は驚くほどスムーズで、JR多賀駅前の信号のないラウンド・アバウトのように複雑な交差点でも確実な運行が確認できました。(動画はJR多賀駅前でのラウンド・アバウト交差点の走行状況)

 茨城交通、日立市、KDDIなどは、11月30日から2013年3月5日まで、日立市で自動運転バスの実証走行を行っています。約6kmの専用路線を走る通常バスの運行ダイヤに、自動運転バスを組み入れた、本格的な実証社会実験です。
 この動画は、JR多賀駅前の信号のないラウンド・アバウト交差点でも走行の模様です。
ひたちBRT自動運転
 実証走行の場は、日立市を走る「ひたちBRT」(Bus Rapid Transit:バス専用路)。廃線となった日立電鉄線の路線跡地を、再整備した区間です。一昨年(2018年)10月にも、ひたちBRTを使用して自動運転バスの実証走行を実施していす。その後、2019年3月にひたちBRTの第二期延伸工事が完了しており、今回は「おさかなセンター」から「JR常陸多賀駅」を結ぶ6kmの区間で実証走行を実施します。
 今回の実証走行では、同じ区間を走る一般路線バスに混じって自動運転バスも定時運行させます。特別な移動手段ではなく、一般的な移動手段として多くの人に利用してもらうことで、2022年以降に予定している本格的な商用運行に向けた課題を探る計画です。

 一般利用者も乗車できます。乗車には事前の予約が必要です。予約は専用Webサイト、電話、窓口で受け付けています。ただし予約がなくても、乗車時にバス車内の添乗員に空きの有無を確認し、空席があれば乗車できます。(予約用URL/https://autonomous-mobility.jorudan.b...

 本格実用運行に向けて、「自動運転車両と協調する路側センサー」と「遠隔監視装置」を導入して、設備の検証も進めています。自動運転車両と協調する路側センサーは、自動運転車両から見通しの悪い場所に設置。各種光学センサーや電波センサーを搭載しており、自動運転車両と通信して、自動運転車両の死角を減らします。
 さらに路側センサーと信号協調システムを連携させ、安全に走行できる環境の維持とスムーズな定時走行を目指すています。
 遠隔監視装置は、自動運転バスの運行状況を遠隔地から監視可能にします。加えて、信号協調システムや、路側センサーと連携する役目も担っています。今回は、路側センサーの稼働状態も遠隔地から監視して、自動運転バスの商用運行に向けて、運行管理上の課題を検証します。