パルスオキシメータ
 1月23日現在、茨城県内の新型コロナ感染症の陽性者の状況を見ると、入院中が249人、宿泊施設等で療養中が175人、自宅療養中が419人となっています。年明けから感染が急拡大しており、自宅で療養する方が急増しており、その中には、症状が急変し、死亡する事態も起きています。家族内感染を防ぐためににも、家庭内療養の環境整備が喫緊の課題となっています。
 1月21日行われた参議院代表質問において、公明党の山口那津男代表は「公明党が提案した(血中酸素濃度を測る)パルスオキシメーターの適切な使い方を徹底し、体調の悪化などを迅速に把握する仕組みを厳格化するとともに、体調の変化に応じて医療機関と確実につながる体制を早急に構築すべきです」と、管総理に求めました。
 これに対して、管総理大臣は「患者の症状の変化を速やかに把握するためパルスオキシメーターの購入費用を支援するなど、その活用を進めている」と応じました。

■パルスオキシメーター/症状急変、発見素早く
 パルスオキシメーターは、指先に挟むように装着することで、採血せずに動脈に含まれる酸素の量をリアルタイムで測定できる機器です。
 新型コロナウイルス感染症は、感染早期の段階で比較的症状が軽くても、突然、病状が急変して重症化する傾向が見られ、その際には血中酸素飽和度が低下するとされる。パルスオキシメーターにより、軽症・無症状者の血中酸素飽和度を連続的に計測することで、重症化の兆候を素早く察知し、医療機関への搬送につなげられると期待されています。
■公明、現場の声から政府や都に提案
 公明党が配備を訴えたきっかけは、東京都内の感染症指定医療機関で奮闘する一人の青年医師の声。寄せられたのは、感染者の急増で病床確保が喫緊の課題となり、軽症者らのホテル療養へ検討や準備が進められていた4月3日のことでした。
 「症状悪化時には酸素飽和度の低下が見られる。パルスオキシメーターで連続的に計測すれば容易に把握できる。ぜひホテルに配備すべきだ」との、治療の最前線からの訴えを、党青年局長の三浦信祐参議院議員は重く受け止めました。すぐに医師で党医療制度委員長の秋野公造参議院議員と、公明党の厚生労働副大臣の稲津久衆議院議員と連絡を取りました。秋野議員は、呼吸器内科の専門家らの見解を聞きながら、稲津議員と連携しつつ、国や自治体にどう配備を訴えるかについての考えをまとめ、山口那津男代表に進言。また、稲津議員は省内で、導入に向けた検討を促しました。
 4月6日、党対策本部で山口代表は、。「重症化の目安が分かるパルスオキシメーターをホテルなどに常備し、医療機関に搬送できる態勢を併せて整えてもらいたい」と、出席していた厚労省幹部らに強く求めました。
 公明党の訴えを踏まえ厚生労働省は、4月7日付で「軽症者等の療養に関するQ&A」を発表し、「宿泊施設に適切な数のパルスオキシメーターを備え付け、酸素飽和度や呼吸数の確認により健康状態を把握することが重要」と明記しました。
 東京都では、都議会公明党が、4月10日に行った小池百合子都知事への緊急提言に盛り込み、配備を提案。15日発表の2020年度補正予算案に必要経費が計上されました。

■自宅療養陽性者への支援を厚く
 感染者数が急増する中では、自宅療養の環境整備が重要です。
 パルスオキシメーターの貸し出し、食事や日用品の戸別配達などは必須です。保健所の過重な負担を掛けないためには、市町村単位の支援の体制整備を急ぐべきです。最低一日一回の戸別訪問の体制を構築すべきです。