痴呆性の高齢者が共同生活する「グループホーム」が県内で急増しています。2002年3月末には35事業所しかなかたものが、03年には73事業所、04年には142事業者となりました。2004年7月末には160事業所を超えたと報道されています。
 設置の要件が緩やかで民間会社、特に介護保険に関係のない業種でも参入しやすいことなどが急増の要因です。しかし、運営費の大部分を市町村の介護保険から出費するために、その財政を圧迫し始めているのも現実です。また、事業所ごとにサービスに差が出ているとの指摘もあります。
●地域の介護保険財政を圧迫
 グループホームは設置に対しての補助金制度がありません。したがって、設置するときには特別養護老人ホームや老人保健施設などの厳しい許可条件をクリアする必要がなく、比較的簡単に設置できます。また、グループホームは設置に市町村の許可がいらず、県への申請を行うだけで可能です。
 反面、運営費(ランニングコスト)の9割は国、県、市町村の負担金と介護保険料でまかなわれます。
 特に、市町村にとっては地域の要望に関係がなくグループホームが建設され、それが介護保険の財政に悪影響を与えている実情があります。
 さらに問題を複雑にしているのが、ほかの自治体からの入所者です。
 特養などには「住所地特例」という制度が適用されています。これは、A市の住民がB市の施設に入所して住民票を移しても(B市の施設の住民になっても)、介護保険料などはA市の負担となる制度です。しかし、グループホームには、この特例は適用されません。施設が設置されたB市が負担しなければなりません。
●介護保険の見直しで市町村の裁量拡大へ
 来年度の介護保険の見直しでは、このグループホームを、市町村が実施する「地域密着型サービス」の一つとして位置づけることを提案しています。市町村長に、事業者の指定や指導監督権を与えることや報酬の設定についても市町村長の裁量を拡大する方向で検討されています。
茨城県のグループホーム入居状況2004/4/1現在
福祉医療圏 事業所数 定員 入居者 入居者内訳 入居率 入居者内訳割合
県内 県外 県内 県外
市町村内 他市町村 市町村内 他市町村
水戸 42 791 630 276 229 125 80% 44% 36% 20%
太田大宮 9 114 101 31 53 17 89% 31% 52% 17%
日立 10 158 126 62 56 8 80% 49% 44% 7%
鉾田 4 58 51 17 21 13 88% 33% 41% 26%
鹿行南 4 63 59 19 24 16 94% 32% 41% 27%
土浦 37 699 581 177 212 192 83% 30% 36% 34%
つくば 15 219 178 67 89 22 81% 38% 50% 12%
取手・竜ヶ崎 6 72 52 24 14 14 72% 46% 27% 27%
下館 12 179 152 51 52 49 85% 34% 34% 32%
古河 3 42 39 19 10 10 93% 49% 26% 25%
茨城県計 142 2,395 1,969 743 760 466 82% 38% 39% 23%
井手よしひろ県議が、茨城県保健福祉部より資料の提供を受け独自に集計しました。