ボンベルタ伊勢甚の閉店問題について、8月21日、新聞各社が一斉に取り上げました。
 8月20日、伊勢甚の店舗を所有する神峰総合開発との契約更新交渉が難航し、20年の契約が満了する2005年6月4日をもって、契約を解除する方針が決定したため、ボンベルタ伊勢甚の長川和夫社長が、テナント並びに社員に同店の閉店を正式に伝えました。
 当初、神峰総合開発が新たな構想での店舗の立ち上げを模索し、秋口にも新会社を設立する予定であったため、伊勢甚と神峰開発が揃ってマスコミ発表をする段取りになっていました。伊勢甚は、日立市の中心市街地の中核施設であり、閉店後の動向が市民の大きな関心の的となります。地元商店街などへの影響を考えると、伊勢甚閉店後の受け皿が明示されない限り、閉店のニュースはいたずらに市民地元に不安をあおるだけとなります。また、具体的な閉店時期や従業員の雇用確保策なども決まっていないのが事実です。
 しかし、日経新聞が8月20日付の茨城版で、閉店の事実だけを取り上げ報道したため、新聞他社も一斉に報道に踏み切りました。
 今後、神峰総合開発による新店舗の展開が最大の関心事となりますが、伊勢甚閉店が表面化したため、その準備に大きな影響が出ることが懸念されます。

(2005/5/20更新) ボンベルタ伊勢甚は、2005年5月20日、38年の歴史に終止符を打ち閉店しました。建物と土地を所有する神峰総合開発に、資金面で大きな問題があり、新店舗のオープンに影響が出ることが懸念されています。
参考:伊勢甚日立店、市民に惜しまれながら閉店

●茨城新聞(2004/8/21)
伊勢甚日立店閉店へ
賃貸借契約折り合わず・売り上げも低迷

 百貨店のボンベルタ伊勢甚(本社水戸市、長川和夫社長)の唯一の店舗、日立市神峰町の日立店(石川志郎店長)が2005年6月までに閉店することが8月20日、分かった。
 建物の賃借契約が2005年6月で終了、契約更新で折り合いが付かず、売り上げも低迷していることから撤退に踏み切った。日立店の閉店により県内で長く親しまれてきた「伊勢甚」の名は消え、日立市街地の空洞化にも拍車が掛かりそうだ。
 長川社長は同日、開店前に日立店を訪れ、従業員らに閉店に至った経過を説明した。
 同店は神峰総合開発(長山昌弘社長)が建設したビルに、ボンベルタ伊勢甚が賃借して運営している。
 閉店は。横娃娃鞠6月4日に20年の賃借契約が切れ、長山社長が同ビルで新規事業を計画している継続するための改装費用などで長山社長との協議が決着しないG商108億円はピーク時の25%減で低迷している−などの理由による。
 従業員は契約社員を含め98人。ほかにアルバイト150人、80店舗の専門店にも400人が従事。従業員の雇用は守る方針で、清水正洋次長は、「イオングループとして引き受けたり、他企業へのあっせんなどで雇用は確保する」と話した。
同店は1967年、日立伊勢甚として開業。77年にジャスコ(現イオン)が全額出資してボンベルタ伊勢甚を設立。2003年2月に閉店した水戸店とともに経営を引き継いだ。1985年に地下一階、地上五階建ての現在地に移転。売り場面積約20700平方メートル。
 日立市は郊外に相次いでスーパーが進出、中心市街地の空き店舗が目立つ。
 同日立店の閉店について、樫村千秋市長と日立商工会議所の山本忠安会頭は「正式な話を聞いておらず、何とも言えない」と言及を避けたが、山本会頭は「百貨店の灯を消さないように営業継続を要望してきた。市の商業は伊勢甚とイトーヨーカ堂の二つの大型店でバランスが取れている」と話した。

●読売新聞(2004/8/21)
伊勢甚日立店 来春閉店へ
 県北唯一のデパートである伊勢甚日立店(日立市神峰町)が、来春で閉店する方針を決めた。8月20日、長川和夫社長が従業員らに説明した。年間売り上げ108億円の市最大の大型店撤退で、工都の中心商店街の空洞化が一層進みそうだ。
 同店は1967年、鹿島町に開店。日立駅前の平和通りでは85年6月から営業を始め、イオングループのボンベルタ伊勢甚が、地下一階、地上五階の建物を賃貸して経営している。
 同社は、郊外への大型店進出が相次ぎ、約10年前に比べて売り上げが25%減少、契約更新時期を迎えた賃貸料の引き下げ交渉がまとまらなかったとしている。テナントを含め約650人が働いており、うち正社員と契約社員96人についてはイオングループが職場をあっせんするという。閉店は、春物から夏物への切り替え時期の4月ごろになりそうだ。
 中心商店街にあるデパートの閉店に、平和通り商店会の三浦洋司会長は「中核店舗だけに集客に大きく響く」と残念そう。日立銀座通り商店街振興組合の百目鬼孝夫組合長も「日立駅前の商店街は、デパートの伊勢甚、スーパーのイトーヨーカドーの二店を中心に動いてきただけに、その一角が崩れるのは痛い」と話している。

●朝日新聞(2004/8/21)
伊勢甚日立店閉店へ/売り上げ低迷で
 イオングループのボンベルタ伊勢甚(長川和夫社長)は日立店(日立市神峰町1丁目)を2005年6月までに閉店することを決めた。賃借するビルの契約期間が切れることから、継続か閉店かを含めて検討していた。しかし、賃借の条件が折り合わず、売り上げの低迷もあって、継続は困難と判断した。
 長川社長が8月20日の朝礼で同店の社員らに閉店することを伝えた。同店は不動産業者のビルを借りており、契約期間(20年)が来年6月4日に終了するため、約2年前から調整していた。
 郊外で大型量販店が00年度以降で約10店舗出店して競争も激化。また、ビルの改装を巡る条件で不動産業者と折り合わなかった。清水正洋店次長は「売り上げは10年前に比べ20〜25%減り、継続は困難と判断した」と話した。閉店日は今後、業者らと相談して決めるという。
 同店には正社員68人、契約社員28人、アルバイト従業員約150人が勤務。約80のテナントにも約400人の従業員がいる。正社員と契約社員はイオングループの関連会社に異動するが、アルバイト従業員は未定という。清水店次長は「地元企業と協力し雇用確保に努力する」と話した。
 同店は67年に日立伊勢甚として開業。77年にジャスコ(現イオン)が全額出資し、伊勢甚(現ボンベルタ伊勢甚)を設立、水戸市の伊勢甚百貨店と日立伊勢甚を引き継いだ。83年には、ひたちなか市に伊勢甚勝田店をオープンさせたが、94年にジャスコに譲渡、水戸店も店舗の老朽化などで03年2月に閉店した。
 買い物に来ていた日立市内の主婦(48)は「本当ですか。初めて聞いた。ちょくちょく買い物するが、洋品などほかのデパートに比べ、いい物を扱っているのに……。残念です」と話していた。
 同店に近い銀座モール商店会の大久保晶治副会長は「郊外に大型店舗が進出してから、商店会の会員数も半分に減った。日立駅前付近に大型スーパーが開店してから、人の流れが変わった。伊勢甚が閉店になれば、ますます落ち込むだろう」と寂しそうに語った。
 日立商工会議所の山本忠安会頭は「8月26日にボンベルタ伊勢甚から正式の説明を受けることになっているので、それまでは正式なコメントを差し控えたい」とコメントを出した。
 日立市の樫村千秋市長は「突然の話だ。まだ購買力はあるのに……。オーナーと伊勢甚の話を聞かないと正確な判断ができない」と話した。

●毎日新聞(2004/8/21)
ボンベルタ伊勢甚閉店へ
土地・建物賃貸借契約更新できず

 日立市の百貨店「ボンベルタ伊勢甚日立店」が来年6月までに閉店することが20日、分かった。同店の土地と建物を所有する「神峰総合開発」(日立市)との賃貸契約が来年6月4日で終了し、契約の更新ができなかったという。閉店の時期は未定。
 ボンベルタ伊勢甚によると、契約が更新できなかった主な理由は/席総合開発が同店の建物を使い、別の新規事業を行う意向を示している契約更新時に必要な店内外の改装、修理費の負担について、両社間の調整が付かなかった市街地の空洞化が進み、郊外にスーパーなどが進出し、日立市の商業環境が沈滞化したーなど。
 日立店の売り上げは今年2月決算で約108億円と、ピーク時の91〜92年に比べ25%減少した。従業員は正社員96人、アルバイト150人、テナント80店の従業員400人。閉店後もイオングループ内で従業員の雇用を確保し、基本的に解雇はしないという。
 同店は伊勢甚グループの「日立伊勢甚」として67年に開業。77年にはジャスコ(現イオン)が全額出資する「伊勢甚(現ボンベルタ伊勢甚)を設立し、水戸市の伊勢甚百貨店(水戸店)と日立伊勢甚(日立店)を経営した。日立店は85年、20年間の賃貸契約で現住所に移った。水戸店は03年2月に閉店している。【長谷川典義】

●産経新聞(2004/8/21)
伊勢甚日立店が撤退へ 江戸時代から続く看板に幕
 日立市神峰町の百貨店「ボンベルタ伊勢甚」(水戸市千波町、長川和夫社長)日立店が2005年6月、入居しているビルの賃貸契約期限を迎えるのを機に撤退することが8月20日分かった。正式な閉店時期は未定で、撤退後は新たな事業者出店の可能性が残されているものの、江戸時代に水戸で生まれ、親しまれた老舗の看板が県内から消えることになった。
 長川社長が8月20日、店の従業員とテナント契約店らに説明した。ボンベルタ伊勢甚日立店は旧市街地に位置し、神峰総合開発(長山昌弘社長)が所有する地下一階鉄筋五階建てビルで昭和60年6月に開店。延べ床面積22,943平方メートルのうち20,700平方メートルの売り場面積を占める大型百貨店として20年間の賃貸契約を結んでいた。
 経営するボンベルタ伊勢甚はイオングループ傘下の企業。日立店は昭和42年に「日立伊勢甚」として初めて市内で開業、37年間にわたって中心部で営業を続けてきた。
 記者会見に応じた日立店の清水正洋同店次長は撤退理由として、契約更新の交渉の過程でビル所有者の神峰総合開発側が新規事業による再開発を考えていると伝えてきたことを挙げた上で、築後20年を経て老朽化したビル改修費が相当額に上ることや、市街地空洞化の影響で年間売り上げも平成3年ごろのピーク時に比べ約25%も減少していると説明した。
 一方、撤退後の新規事業者について神峰総合開発側は同日までに正式には明らかにしていない。しかし、東京の大手百貨店と流通ルートを持つOBらが来月早々にも新会社を設立。新たな百貨店として経営をスタートさせる意向をみせている。

●東京新聞(2004/8/21)
伊勢甚日立店 閉店へ・来年6月までに
 日立市神峰町のボンベルタ伊勢甚日立店が2005年6月までに閉店することになった。同店を運営するボンベルタ伊勢甚(水戸市)の長川和夫社長が8月20日、従業員に説明した。同店の閉店で県北地域から百貨店がなくなることになった。
 同店は1967年2月に開業。二回の移転を経て、85年6月に現在の店舗へ移った。店舗は賃貸で2005年6月4日に契約切れを迎える。
 閉店の理由について、同店は「建物が老朽化し、大がかりな設備投資が必要なうえ、ビル所有者と契約更新の条件が折り合わなかった」と説明。ビル所有者は別の会社と新たな事業を起こすという。同店の正社員68人、パート26人、アルバイト約150人については、「正社員と古参のパートの雇用については最大限努力する」としている。
 ボンベルタ伊勢甚の水戸店は店舗老朽化などで売り上げ不振となり、2003年2月に閉店した。日立店が閉店すると、同社の店舗はなくなる。