手抜き工事が表面化した第3萱丸高架橋:クリックすると大きな写真をご覧いただけます
(手抜き工事が表面化した第3萱丸高架橋)
8月31日発売の写真週刊誌フラッシュ(通巻835号)に、「清水建設の常磐新線『超ズサン高架橋工事』を告発・コンクリートの内側はボロボロに崩れていた」との記事が掲載されました。
 記事によると、
写真週刊誌フラッシュ9/14号 ●つくばエクスプレス(TX)の「みどりの駅」(つくば市萱丸)近くの第3萱丸高架橋工事を請け負った清水建設を中心とすJV(ジョイントベンチャー)が、2002年12月10日に、コンクリートの打設工事をおこなった。
●前日の大雪への対応が不備だったのか、コンパネ(合板)を剥がしてみると、最大50センチの空洞ができていたり、大小合わせて40カ所以上の穴が開いていた。
●清水建設は、下請けの業者に『(工期に)日にちがないから3日で隠してくれ』と依頼し、12月下旬の3連休で補修を行った。補修を行ったことは施主である鉄道・運輸機構には報告されなかった。
●このようなずさんな工事では、震度5程度の地震で陥没する。補修で済ませられるような内容ではない。
との内容でした。補修前の現場写真4枚も添えられていました。
 この報道を受け井手よしひろ県議は9月1日午後、つくば市萱丸の現場を訪れ、鉄道・運輸機構のつくば建設所小野顕司所長より説明を受けました。小野所長は「8月25日、写真週刊誌の取材で初めて事実を知りました。JVから補修の事実は全く報告されておらず、大変腹立たしい思いです。補修後の強度や安全性が問題ないのか徹底的に調査して、不安を払拭していきたい。皆さまにご心配をかけて誠に申し訳ございません」と、語りました。
手抜き工事が表面化した第3萱丸高架橋:クリックすると大きな写真をご覧いただけます 現場での調査の後、井手県議は県庁内で企画部新線・つくば調整課平塚博課長、深谷一広課長補佐より、状況説明を受けました。
 説明によると、県は、鉄道・運輸機構に対し、事実経過の詳細な報告と問題箇所の詳細な調査の実施、さらに問題箇所以外の全線調査の申しれを行いました。
 工事はみどりの駅をはさんだ高架橋工事で、延長約1.6キロ、清水建設と大木建設、古久根建設の三社JV(共同企業体)が約30億円で請け負いました。2001年3月に着工し、2004年3月まで完成し、鉄道・運輸機構が引き渡しを受けました。
 JVと鉄道・運輸機構とは契約上、補修が必要な場合には書面で状況を報告し、検討・協議の上、補修することになっていましたが、JVは機構に報告せずに補修、今年三月に全工事の終了を報告していました。
 補修が行われたと思われる箇所は、橋脚と桁との結節部分で、構造上最も重要な箇所です。機構は、補修範囲や方法、補修材料が適正かなどについて、JVから事情聴取を行い、補修個所の超音波探査やコンクリートの抜き取りなどの現地調査を行います。早急に調査結果をまとめ、JVの処分も含めた対応を検討することになっています。
 11月1日からの実車走行試験や開業の日程などは、検査の結果を慎重に検討して決定されます。
つくばエクスプレス第3萱丸高架橋の地図にリンク