平成17年度中に日立・十王の8万世帯対象にケーブルテレビ網を整備 JWAY本社ビル
 総務省は9月8日、(株)JWAY(杉本弘社長)に日立市で計画しているケーブルテレビ事業に対して、新世代地域ケーブル施設整備事業の補助交付を決定しました。補助額は、総事業費4億8000万円のうち、国が1億2000万円で、県と市が6000万円ずつです。
 交付決定を受けて、JWAYでは9月中にも入札を行い、工事業者を選定します。
 具体的な事業のスタートには、有線テレビジョン放送法に基づく許可証が必要です。これを審議する総務省の電気通信審議会が10月6日に行われる予定で、同審議会で事業認可が得られれば、10月中にも工事着工の見通しです。
 第1期工事は、日立電鉄の本社ビルであった日立駅前のJWAY本社を、センター施設として整備します。日立市駅周辺の1万世帯を対象に光ケーブルを張り巡らす計画です。2005年4月から本格的にサービスを開始します。
 引き続き第2期として17年度には日立市全域と十王町の約7万世帯をカバーするため、25億円以上をかけてCATV網を整備する方針です。
 井手よしひろ県議は、今年5月31日に地元日立市に設立されたCATV会社・(株)JWAYを訪問し、代表取締役社長の杉本弘さんより、今後の事業の展開について種々懇談し意見交換しました。

ケーブルテレビ事業の概要について

(株)JWAYの杉本弘社長  それによると、情報発信の拠点となるセンター施設を開設して、幹線となる光ケーブルや、分配線である同軸ケーブルなど伝送路を、16年度は日立市中心部の1万世帯に、17年度に日立市・十王町の7万世帯に整備します。
 多チャンネルサービスのほか、コミュニティチャンネルなど約30チャンネルを設けて、日立市内の情報を家庭や企業等に放送します。
 あわせて30Mbpsの高速インターネットやIP電話等のサービスも提供する予定です。
 JWAYの本社(センター施設)は日立駅前の一等地に位置し、日立電鉄が本社として使っていたビルです。内部は全面的に改装され、コミュニティチャンネル等の番組を制作するスタジオをはじめ、ヘッドエンド、監視装置、測定器、電源設備などを設置します。外部には鉄塔、受信アンテナ、受電設備などを設置します。
 本社ビルは、1階と2階が事務所に改装され、3階をスタジオ、4階をコミュニティスペースとします。

JWAYの特徴について

 JWAYはケーブルテレビ会社ですが、単にテレビ放送を配信するサービスを行う会社ではありません。1本の光ケーブルで一般の放送やBS、CSなどの放送や音楽などを視聴できます。今話題の地上波デジタル放送(県域デジタル放送など)も、デジタルチューナさえあれば、アンテナなしで見ることが出来ます。
 また、30Mbpsという高速のインターネットも可能です。ADSLなどが現在使えない山側の団地や留地域、中里地域、十王地域にも17年度中に安定したブロードバンド環境が実現します。プロバイダー一体型のサービスになりますので、料金もBフレッツなどのサービスを活用するよりも半額程度で提供される予定です。追加料金とはなりますが、固定IPの取得も可能です。
 更に、IP電話サービスも提供します。050の電話番号を付与され、JWAYのサービスを受けている人なら24時間年中無料となります。全国一律低額料金となります。

JWAYの目指すものは地域と全国展開

 井手県議との懇談で、杉本社長が一番強調したのが、「コミュニティ=地域」という言葉。JWAYは自主番組の作成にこだわり、市民の放送局を目指す。NPOやボランティアとの連係も大歓迎と語っています。
 地域の特売情報やカラオケ大会、小中学校の運動家や文化祭など様々なご近所情報を提供します。また、市議会の中継や市役所からのお知らせを放送する専用チャンネルも用意されます。日立市には全国でも珍しい「天気相談所」がありますので、そこからの天気予報番組も可能です。
 また、災害時には防災情報の発信に威力を発揮すると思われます。風水害や火事の情報などを正確に、いち早く、ビジュアルに伝達することが出来ます。
 地域密着型CATVというコンセプトの先に、杉本社長は全国展開の夢を語ってくださいました。
 茨城県内や関東、そして東北とCATVが地域の情報化に大きな役割を果たす地域は、まだ無限に広がっています。JWAYは、日立を拠点に全国展開を目指します。すでに、光伝送網(ダークファイバー)の県北臨海地域への延伸を目指し具体的に計画に入っています。
 「日の立つ国・日立から、新たな一条の光がまぶしい輝きを始めた」、杉本社長との懇談の中で、そんな感想を持ちました。