国際環境技術センター:イラク人を受け入れ、日本で研修
 公明党がイラク復興支援の柱として主張してきた、メソポタミア湿原の再生計画が、いよいよ11月より具体化することになりました。
 10月18日付の読売新聞の報道では、フセイン政権時代に壊滅状態になったイラク南部のメソポタミア湿原の復元プロジェクトで、国連環境計画(UNEP)が11月中旬にも、イラク人技術者らを日本に招き、花博記念公園鶴見緑地(大阪市鶴見区)や琵琶湖畔で水質管理の研修を行います。
 メソポタミア湿原は、世界の4大文明の1つ、メソポタミア文明をはぐくんだチグリス、ユーフラテス川の合流地点に広がっていました。1980年代までは、四国にほぼ匹敵する1万5000〜2万平方キロ・メートルに及び、約50万人が水に浮かぶアシの家に住み、漁で生活を営んでいました。
 しかし、1990年代に入り、フセイン政権がこの地を拠点にした反体制派を弾圧するため、湿原に通じる水門を閉鎖するなどし、全体の85%が干上がらせました。フセイン政権崩壊後、水門が開かれ、約3000平方キロ・メートルに水が戻りましたが、塩分濃度が高くなったため、生態系は戻らず、水の浄化や生活排水対策が必要となっています。
 研修は、UNEPの組織の1つ、国際環境技術センター(IETC)が、鶴見区と滋賀県草津市にある2か所の事務所で行うことになっています。イラクの環境省やバスラ大学などから4陣に分け、最大約120人を受け入れます。日本人スタッフらが講師を務め、水質を浄化する人工湿原の設置・管理法、湿原や水資源の管理のあり方――などについて2週間ほど指導します。
<詳細のリンク>イラク・メソポタミア湿原の復元事業のもつ意義
<関連リンク>国際環境技術センターのHPより