「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」は、常陸太田市の存続支援断念の結論を受けて、10月25日、茨城県に対して「電鉄線存続を実現させるための緊急要望書」を提出しました。緊急要望書は、市民らによる鉄道存続会社への資本参加、県に対し積極的な調整や公的負担を求めることを前提に、1.県が試算した年7〜8000万円の公的支援額を軸に岡山電気軌道との協議再開、2.県、2市だけでなく利用者や市民、企業も含めた枠組みでの資金調達、3.市民、企業、行政が参画する第四セクター的な運行会社による来年度からの運行、4.基本姿勢の明確化、5.効果的な政策展開など5項目の要望書を提出しました。
 10月28日、この緊急要望書に対して、県は企画部長名で回答を通知しました。それによると、「今回、緊急要望をいただきましたが、当該鉄道の性格から地元2市の意向が重要との認識について今後も変更はございませんし、その他の要望事項につきましても上記の理由により存続を断念せざるを得ないものと判断しております」と、市民フォーラムの要望を全面的に否定する内容となりました。
 29日には、この回答をもとに今後の運動の方向性を検討する例会を持つことになっています。運営継続の市民会社の構想実現は、非常に困難になってきました。
企 策334号平成16年10月28日

日立電鉄線を存続させる市民フォーラム
座長 西村 ミチ江 殿
茨城県企画部長 麦島 健志

日立電鉄線存続を実現させるための緊急要望について(回答)

 日立電鉄線をも通勤通学者が利用者の中心となっているなど非常に地域性が高い鉄道であり、存続するためには、地元2市が一体となって公的支援や利用促進策などに取り組むことが必要であることから、これまで日立市、常陸太田市等関係者と協議を進めてまいりましたが、この度、地元2市ともに存続を断念する旨を表明したところであります。
 県といたしましても、利用者や沿線住民の方々のご要望も参酌し、鉄道存続方策の検討もしてまいりましたが、廃止表明後も利用者の減少傾向に歯止めがかからない状況や多額の公的支援が避けられないことなどを勘案すると、2市の意向は現実的な選択であり、存続を断念せざるを得ないものと判断したところであります。
 今回、緊急要望をいただきましたが、当該鉄道の性格から地元2市の意向が重要との認識について今後も変更はございませんし、その他の要望事項につきましても上記の理由により存続を断念せざるを得ないものと判断しております。
 今後は、現在鉄道を利用されている方々にご不便をおかけすることがないよう、代替バスについて関係者との協議を進めてまいりたいと考えております。