県がスクラップを公売に/撤去費用は6億5千万円
日立港第4埠頭に置かれているチルソン号のスクラップ  一昨年12月、日立港で座礁した北朝鮮船籍の貨物船「チルソン号」の撤去は、2月3日までに完了しました。4日、県は船体スクラップの公売手続きを開始しました。
 公売が成立しても、県に入るのはわずか500万円前後と見込まれています。国と県、地元日立市が負担した撤去費用は、約6億5千万円。支払い義務を負う北朝鮮側は、全く誠意ある対応を見せていません。
 県は4日、日立港の第4埠頭に仮置きしている船体のスクラップ約700トンにロープを張って差し押さえ、北朝鮮の船会社にファクスで通知しました。同時に、差し押さえと公売する旨を掲示する「公示送達」を行い、公売手続きを開始しました。公示送達から一週間が経過すれば、船会社に通知が届いたとみなされ、法的に公売が可能となります。その後、入札業者を募集する「公売公告」を行います。公売は3月初旬に実施される予定で、すでにスクラップ業者数社が関心を寄せています。鉄の単価は1トン当たり5000円〜1万円とされ、公売価格は500万円前後になる見込みです。
(右写真は日立港第4埠頭に置かれているチルソン号のスクラップ)