消費税率引き上げ反対キャンペーン - 新進党は消費税率の引き上げに反対します

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syo_e2消費税率5%引き上げに,新進党は反対し、臨時国会に消費税3%据え置き法案を提出することになりました。
 ここでは、その内容と、小沢党首の消費税に関する公約と、細川元首相の福祉税構想を再検討してみました。
 皆さまのご批判をお持ちしております。


消費税率:今世紀中は現行3%に

新進党税制調査会の見解

 新進党税制調査会(加藤六月会長)は4日、衆院第二議員会館内で拡大役員会を開き、同党が秋の臨時国会への提出を目指している消費税率3%据え置き法案の内容について意見交換した。

 この日の会議では、据え置き法案について「次の臨時国会に提出し、3%据え置き期間は2001年3月31日までとする」として、今世紀中は現行の3%に据え置くことでほぼ一致した。

 このほか、「据え置き期間内に徹底的な経済構造改革、行政改革、税制改革や、福祉ビジョンの作成を行うことを打ち出す」税率改訂に当たっては、福祉ビジョン、行革の実施状況を踏まえ6カ月間の周知期間を置く−−などの意見が大勢を占めた。

 これを受け税調は、法案化を加藤会長に一任することを決めた。

 会合終了後の記者会見で村井仁事務局長は、94年11月の衆院税制改革特別委員会で自民、社会、さきがけの与党が強行採決で強引に消費税率引き上げを含む税制改革関連法案を可決した経緯に言及。

 自民党内で浮上している消費税率凍結論について「(税率引き上げを)決めておきながら、選挙が近付いてきたから『引き上げはまずい』と据え置く話が出ている」と選挙目当ての対応を厳しく批判した。

 さらに「われわれの議論は、経済の構造改革、経済の再活性化をしっかりやった上で、税を考えなければならないという哲学がある」と強調した。

小沢党首は消費税lO%を主張したのでは?

小沢党首は、12月の公約で「経済・社会をよくするために、所得税・住民税を半分に減税する。法人税の実効税率を現行の50%から45%に引き下げる」と主張。
その上で、「景気の現状を踏まえ、平成9年4月1月に予定されいる消費税の引き上げを中止と、経済の構造改善を進め5年経過後に6%に、10年経過後でも10%以下に抑える」と主張。現在、新進党が税率引き上げ反対を主張しているが、小沢党首は来年4月1日からの引き上げを中止とはっきり言っており、なんら矛盾しない。

細川元総理は国民福祉税7%を主張したのでは?

国民福祉税として7%を打ち出したが、同時に政府組縦の抜本改革を含めた歳出の見直し、高齢社会に対応できる福祉施策、不公平税制の見直しが前提であることを強く主張していた。

また、真の国民負担のあり方、負担の合理化を検討するために、国民福祉税を基礎年金の国庫負担とりンクさせるという福祉目的税化も視野に入れたうえの構想であり、単なる税率引き上げではない。




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消費税率引き上げ反対キャンペーン - 私は、消費税率の引き上げに反対します

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syo_e2 政府は6月25日の閣議で、税制改革関連法に基づき1997年4月1日から、消費税を現行の3%から5%(地方消費税1%を含む)に引き上げることを決定している。

 消費税の税率見直し期限は9月30日だったが、近づく衆院解散・総選挙への悪影響を懸念した政府・与党の思惑から、早い時期の引き上げ決定となった。国民の間に要望の強い特別減税の継続問題も、結論を先送りした結果となった。

 同日の閣議で、政府は「わが国の中長期的発展のためには、経済構造改革の重要な柱である94年秋の税制改革の確実な実施が必要」として、5%への引き上げの既定方針を確認。また税率アップに伴う混乱を防ぐため、円滑な転嫁や便乗値上げ防止などに取り組むことを決めた。

 税率2%分の引き上げは、国民には5兆円を大幅に超える増税となり、「平均世帯では年間約16万円の増税」との試算もある。特に年金生活者や預金金利生活者にとっては、消費税率引き上げと低金利によって重税感は一段と強まることになろう。

 また、景気への影響も深刻である。朝日生命保険の試算では、「消費税上げと特別減税の打ち切りで、年収700万円の平均世帯では年14万円の税負担増となり、実質家計消費は2.2%押し下げられる」という。また、あさひ銀行の試算では、「97年度の実質経済成長率は、消費税率上げで0.7%、特別減税打ち切りで0.3%の計1%押し下げられる」との見通しもある。

 さらに、物価を1.5%押し上げるという厳しい見込みもある。

 国民は、消費税率の引き上げによって、増税(消費税・特別減税の打ち切り)と低金利(預貯金の金利目減り)、更に景気の失速による所得の減収と物価高、この4つの困難に直面することとなる。 このような状態での消費税率の引き上げには反対せざるを得ない。

   行財政改革を先送りしたまま、安易に税率を引き上げようとする政府のこのような措置には、納得できないからだ。

 わが国の厳しい財政事情を抜本的に立て直し、また加速度的に進む高齢社会へ対応するため、抜本的な税制改革が急務である。

 しかし、政府は、税制改革の前提条件を全く無視している。すなわち、行政改革については、中央省庁の統廃合、特殊法人の整理・合理化、公務員の削減などの改革が極めて不十分である。

 また、消費税の欠陥も全く改善されていない。具体的には、

消費者が納めた税が国庫に入らないという、益税の問題に有効な措置が講じられていない。
高齢者などの低所得者に対する、消費税の逆進性を是正する措置が講じられていない。

 以上のような理由で、消費税率の引き上げに反対するものである。

 政府は、一刻も早く衆議院を解散し、民意を問うべきである。

 そして、その選挙は、この消費税率の引き上げの国民投票に匹敵するものになると確信する。




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消費税率引き上げ反対キャンペーン - なぜ消費税率の引き上げに反対するのか

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syo_e2 不景気なのに消費税率を現在の3%から5%へ引き上げることをあっさり決めた橋本内閣。
 国民に開かれた議論を行わないばかりか、前提条件の行政改革を先送りにし、高齢化社会の展望も示さず、国民不在のウソと公約違反が浮き彫りになっています。
 そこで、なぜ、私たちは政府の消費税率引き上げに反対するのか、理由を述べてみたいと思います。

なぜ! 消費税率引き上げに反対するのか

 理由その一・・・国民的論議が全くない

 消費税率の引き上げは、自社さ政権が今年6月、国会が住宅金融専門会社(住専)処理でごたごたしている会期末に、大慌てで正式決定されました。

 税率見直しの期限は9月30日まであるのに、政府は3カ月以上もさかのぼって来年4月からの引き上げを決定してしまったのです。

 橋本内閣は徹底的な議論を行わないばかりか、引き上げへの経緯を国民に説明することすらしません。

 わずか4日間という密室で、しかも「身内の議論」だけで決めてしまっては説明のしようがないのでしょう。

 特に、消費税反対を叫んで党勢を伸ばしたことのある社民党は、その政策の転換を分かりやすい言葉で国民に説明をする義務があると思います。

 消費税率引き上げを前倒しで早々と決めたのは、マスコミでも「今秋以降と見られる解散・総選挙と消費税論議の時期が接近すると、選挙への悪影響を避けられないと考えたからだ」(「朝日」6・21付)と指摘されたように、国民生活よりも党利党略を優先させたことがはっきりしてしまいました。

 理由その二・・・行政改革が全く進んでいない

 政府は来年4月からの引き上げは、既に法律で認知されている問題、と説明していますが、94年11月に村山政権下で成立した改正消費税法の付則には、税率決定に際して、

 社会保障などの財源確保

 行政・財政改革の推進状況

 消費税などの課税適正化

 財政状況−−

 を総合的に勘案して検討することが明記されているのです。

 特に、行政改革の推進は消費税率見直しの前提条件であり、村山政権時からの事実上の公約です。公約実行は政党、政治家の生命線のはず。自社さ政権は2年近くもいったい何をしていたのか。

 行政改革を推進するどころか、細川・羽田政権で進み始めた改革を全てストップさせてしまいました。

 公約を平然とホゴにする自社さの与党三党には、政党としての資格すらないといっても過言ではありません。

 7月の東京新聞の全国世論調査によると、引き上げに「反対」「どちらかといえば反対」が合わせて82%に達し、「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計17%を大きく上回りました。政府が税率引き上げの前提として公約してきた行財政改革についても81%が「進んでいない」と、国民の評価は最低です。

 理由その三・・・不況に逆戻りする

 今、消費税を引き上げることは景気や経済への影響も計り知りません。

 新進党の税制調査会が景気と消費税の関係について、景気に及ぼす影響を試算したモデル(日経ニーズ・マクロモデル)を基に検討したところ、消費税率を5%に引き上げた場合、補正予算の有無、特別減税の継続、取りやめにかかわらず、97年度の実質国内総生産(GDP)は、96年度の2%台から1%台に落ち込むと予測。

 これに対し消費税率を3%に据え置いた場合、いずれのケースでも97年度の実質GDPは2%台を維持するとしています。

 消費税率を5%に引き上げることは「(景気に対する)『暖房効果』である補正予算や特別減税をはるかにしのぐ『クーラー効果』がある」(新進党の野田政審会長)というわけです。

 経済企画庁の試算によれば、97〜99年度の実質成長率は毎年0.9%低下するとしています。

 これでは不況への逆戻りが必至ですが、専門家の分析では国民の買い控えや経済不安の増大などで影響はそんな程度で済まないというのが支配的です。

 住専処理で税金をムダ遣いし、財政を悪化させる原因をつくっておきながら、財政が厳しいからといって取りあえず消費税の税率を引き上げるというやり方は、膨大な財政赤字がある限りいつでも税率を引き上げようという安易な行為を容認することになり、財政再建など到底及びません。

 財政が厳しいからこそ、大胆な歳出削減などによる財政再建計画などの前提条件を提示した上で、消費税率の変更について国民に理解を求めるのが手順であり、筋でしょう。

 理由その四・・・弱い者いじめ

  消費税率を一方的に引き上げる自社さ政権は、「弱い者いじめの政権」といえます。

 五%への引き上げは、国民一人当たりに換算すると、年間約4万円、4人家族で約16万円の負担増になるとみられます。

 経企庁の試算では消費者物価も1.5%上がると見込まれます。

 超低金利の下、金利から物価上昇分を差し引いた実質金利はマイナスになり、預金の目減りは、それでなくても経済的に苦しい年金生活者らを直撃します。まさに高齢者世帯にとっては、増税とのダブルパンチを受けることにもなります。

  その一方で、消費者が納めた税が国庫に入らないという、不公平な益税問題は放置されたままで、食料品の非課税や年金生活者など低所得者に対する政策的配慮といった逆進性を是正するための措置も何ら講じられていません。

結論に代えて・・・国民の世論で『5%阻止は可能』

 こうした政府の横暴に対して、私たち公明は現在、消費税率の引き上げ阻止へ向けて全国的なキャンペーンを展開しています。

 政府が5%への引き上げを決めたといっても3%据え置き法案を国会で成立させれば、引き上げ阻止が可能となります。

 たとえ来年4月以降になって消費税5%が確定しても、新進党が政権を取れば「3%」に戻すことができます。

 次期衆院選は、「政権交代を可能にする」小選挙区比例代表並立制で行われます。消費税や住専問題での国民の怒りの鉄ついを加える絶好のチャンスといえましょう。




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96年8月の記録

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96年8月の記録

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予    定
活 動 記 録
備   考
環境商工委員会県内調査

http://www.jsdi.or.jp/%7Ey_ide/960801o.htm">O157に関する緊急申し入れを橋本県知事に提出

NTTインターネットフェア視察
取手市で幼児のO157患者が報告される
   
   
羽田元首相時局後援会阿見町,取手市,河内町羽田元首相に同行 
首都機能移転特別委員会県外視察
  
首都機能移転特別委員会県外視察
  
福祉衛生員会
福祉衛生員会(O157関連特別委員会)


県北生涯学習センター誘致を知事に陳情

ダイオキシン対策についてヒアリング
 
 日製日立工場夏祭りに参加 
 福島県庁を訪れヒアリング

(福島県医務福祉課・高齢保健福祉課)
 
10 実家・水戸で食事会 
11 自宅事務所を大掃除 
12 新盆宅へのご挨拶 
13「花樹の会」フラワーポット移動ボランティア

お 盆
県北ガンセンター陳情打ち合わせ

新盆宅へのご挨拶
 
14お 盆新盆宅へのご挨拶 
15お 盆新盆宅へのご挨拶 
16 日立電鉄をカメラを持って小旅行 
17   
18   
19栃木県庁ヒアリング

県出資団体調査委員会
栃木県庁でヒアリング

総務部人事課・保健福祉部・生活環境部
 
20一般質問に関するヒアリング

消防防災課・医事課・高齢福祉課
消防防災課:携帯電話からの119番通報について要望

医事課:県北地域ガンセンターについて

高齢福祉課:高齢者憲章についてヒアリング
 
21一般質問に関するヒアリング

連合茨城・NTTドコモ
連合茨城:高齢者の生きがい対策について

NTTドコモ:携帯電話の普及状況と119番通報の現状について聴取

教育庁企画課:中教審答申と情報教育についてヒアリング
 
22県出資団体調査委員会
 公明本部のHPが正式公開
23公明県本部議員総会新進党神崎総務会長を迎えて講演

消費税率値上げ反対闘争本部を結成
 
24 一般質問準備 
25 一般質問準備

在宅介護のアンケートを集計・分析
 
26介護保険に関する勉強会
介護保険に関する勉強会

衛生部:O157対策について聴取
 
27 猿島郡県民懇談会出席 
28茨城県高度情報化推進協議会が設立総会総務部:情報公開と行政改革について要望

9月議案内示会

衛生部:O157対策の恒常的対策について聴取
 
29総務企画員会県内調査
県本部で消費税率値上げ反対運動について協議 
30総務部:行政改革と情報公開について聴取  
31南極観測船「しらせ」日立港寄港  



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県北地域の水不足深刻:渇水対策を追う

日立市の渇水対策
日立市の水道は、久慈川からの取水に全面的に依存している。日立市は久慈川の最下流に位置しながら、流域で最大の人ロを抱える。その取水ロは、河ロから6.2キロ上流の常陸太田市下士木内町にあるため、海水のそ上によって水質の塩分濃度が上がり、取水制限に追い込まれる。4月から8月までに3度も、取水ロへの塩分そ上を防ぐための防潮フェンスを設置した。

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久慈川の防潮フェンス


 水需要の高い夏場、日立市では日量8〜9万トンが使用される。市内唯一の森山浄水場は日量10万3000トンの浄水能力があるが、施設の老朽化が進んでいる。

 十王ダムを水源とし、完成時には日量2万8960トンを処理する日立十王共同浄水場の建設が計画され、北部の共同浄水場と南部の森山浄水場からの二本立てで水道水の安定供給を図る予定がある。

 しかし、日立の人ロは20万人を割り込み、景気低迷で水需要の大幅増加は期待できない。

 日立十王共同浄水場建設にともなう費用負担は約70億円。これを25年間のうちに、市民の水道料金で返済しなければならない。

 日立市の水道事業は困難な道を歩まなくてはならない。

花貫ダムの「操作基準」を見直し
 一方、県北の渇水状況も深刻である。三度に及ぶ取水制限に追い込まれた花貫ダムは8月23日、過去最低の貯水率1%を記録した。その後の降雨で19.2%まで回復、危機状況からは脱した。しかし、8/31現在でも農工業用水は45%の取水制限が続く。

 花貫ダムの貯水を受けて高萩市内を横断する花貫川からは、8つの企業が工業用水を取水している。日本加工製紙高萩工場では、不安定な操業が2月上旬から7カ月も続いている。加工製紙では、チップから紙の完成品までを一貫製造しているが、製品の一部は他社から購入した中間製品のパルプを基に製造せざるを得ないのが状況に陥っている。

 農業関係では、8月中旬に稲作農家の一部に影響が出た。水不足で水田にひび割れが出来、川から直接ポンプアップをして急場をしのいだ場所もあった。

 県久慈水系ダム建設事務所の説明によると、今回の渇水には2つの要因があるという。

 第一の要因は雨不足。高萩市は毎年のように水害に悩まされる雨に恵まれた地域。しかし、昨年秋から小雨に悩まされ、平年の半分程度しか降っていない。地下水にも影響が出始め、水道に切り替える家庭が増えている。

 二番目の要因は、下流城での水需要が非常に大きいこと。周辺のダムに比べ倍の水利権が設定されているという。したがって、ほかのダムよりも放流量が多く、そのために、貯水率が低下する。

 ダムの運用を定めた「操作基準」によると、花貫ダムは最大200万トンの貯水能力を有するが、その3分の1の57万トンにとどめることになっている。

 洪水防止を眼目に、貯水量を抑えたために、渇水時の利水対策に弱点があったわけである。

 今回の渇水を契機に、県は本年度、貯水量を2倍に増やすため操作基準の見直しを開始した。ダム建設から23年が経過、河川改修がかなり進行したこともあり、渇水対策を含めた利水面に重点を移した「操作基準」を2年先を目処に策定する。




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茨城県のダイオキシン対策 - 竜ヶ崎地方塵芥処理場の現地調査記録

井手県議ダイオキシンの排出が懸念される
竜ヶ崎地方塵芥処理施設を調査


ryusaki0 平成8年7月29日、井手よしひろ県議は竜ヶ崎地方塵芥処理組合を訪れ、老朽化したゴミ焼却場(城取清掃工場)の現状を現地調査した。

 処理組合の池野辺和男場長、宮本弘次長より経過と現状についての説明を受け、処理工場を視察した。この城取工場が稼働したのは1971年、今年で25年を迎える。竜ケ崎市、牛久市、利根町、河内町の2市2町が共同で設立した竜ケ崎地方塵芥処理組合(管理者、海老原龍生・竜ケ崎市長)が運営している。

 工場が設立された当時の4市町の人口は約56500人。ごみの排出量は一日約36トンで、日量60トン(8時間稼働で15トン処理可能の焼却炉が4機設置された)の処理能力を持つ同工場で十分に対応できた。

 しかし、その後で4市町の人口は約17万人と約3倍に膨れ上がった。

 ゴミ量は約4.5倍の160にまで増大した。

 6年前には、1日8時間稼働から16時間稼働に処理体制を強化した。それでも、毎日10〜20トンを民間業者の委託処理としていた。

 しかし、施設の老朽化と稼働時間の延長により近くの住民よりの排煙の苦情が相次ぎ、この春、稼働時間を8時間に戻した。  処理が間に合わないごみは、一日約70トン。外部委託し、県外の工場で処理している。

 県内でも最も古い施設のため、「排煙にダイオキシンが含まれているのではないか」との不安が周辺住民に高まっている。

ryusaki 城取工場のそばに住む新利根町の野友惣平さん(81)も長年、工場の排煙に悩まされてきた。野友さんが代表を務める「新利根町ゴミ公害排除期成会」は、同町上根本と下根本の住民を対象に、がんで亡くなった人を調べた。工場の周囲1kmほどの地域では、過去10年間に死んだ57人のうち、25人ががんが原因という。がんの占める死因の割合は全国平均の2倍以上の高さだった。

 工場から1キロほど離れた竜ケ崎市塗戸町のに住む野口徳さん(64)は、二月に肺がんの手術をしたばかり、農作業にもマスクをして臨むという。野口さんは「竜ケ崎市自然と環境を守る会」をつくり、環境保護の運動を進めている。

 この野友さんと野口さんらは、3月から摂南大学薬学部の宮田秀明教授らの協力で、周辺住民の血液と工場周辺の土壌のダイオキシン類含有量を調べている。

 4市町ではすでに90年、竜ケ崎市と牛久市が単独で、利根町と河内町が共同で、計3つの清掃工場の建設を目指すことを決めた。利根町と河内町は91年に、利根河内塵芥処理組合(管理者、若泉隆志・利根町長)を設立した。だが、用地確保ができず、建設計画はとん挫した。財政事情の点でも広域事業を再検討し始めていた。

ryusaki2 こうした折、竜ケ崎市が市内に土地を確保できたことで、利根町と河内町は竜ヶ崎市と共同で工場を建設することを決めた。各議会の議決後、利根河内塵芥処理組合は解散、竜ケ崎地方塵芥処理組合に再加入した。

 竜ヶ崎地方塵芥処理組合では、平成12年の完成を目指し、新たな工場の計画設計を急いでいる。

 一方、単独で清掃工場を建設することになった牛久市は、新工場を市内奥原地区で96年度中に着工、1999年4月の稼働を目指している。

 牛久市は新清掃工場の公害対策として、排煙に含まれる有毒物質ダイオキシン類の排出量を、1立方メートル当たり0.1ナノグラム(10億分の1グラム)以下に抑える厳しい基準を設定した。

 厚生省のガイドラインは0.5ナノグラムだが、ダイオキシンの有害性が全国的に注目され、国でも規制値を強める方向であることを考慮した結果であった。

 新清掃工場の建設業者の指名入札は7月19日に4社が参加して行われ、三菱重工業が落札、市と27億5300百万円で契約した。

 新工場は1日16時間の稼働で45トン焼却できる炉を三基備える(1日当たりの合計処理能力135トン)。高温で熱した砂にごみを混ぜて焼却する流動床方式を取り、排煙に含まれる有害物質は、バグフィルターと触媒塔の二重構造で除去する。牛久市は三菱重工業に、ダイオキシン類の排出量を0.1ナノグラム以下にすることを保証させた。

 ダイオキシンの排出基準については、現在厚生省が策定中でる。また、それに先立ちごみ処理工場のダイオキシン排出量の調査が今年いっぱいを目処に進行中である。

 一刻も早い基準作りとそれに伴う施設の改善が必要である。また、施設の改善、新設に伴う自治体の財政的負担に対して、国・県の万全の補助体制の整備が求められている。

県が周辺地域のダイオキシン調査を予算化

 県は、井手県議らの要望を受け、平成8年度9月補正予算に,竜ヶ崎塵芥処理場周辺の大気、土壌、井戸水中のダイオキシンの調査を盛り込んだ。

 周辺住民の不安解消に向け,一歩が踏み出された。

関連事項へのリンク(ダイオキシンについて)




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平成8年第3回茨城県議会定例会 - 提出予定議案の概要説明

9月5日より開会される県議会に提出される予定の議案の概要を,副知事の説明により速報いたします。
9月議会の日程はこちらをご覧ください。

平成8年度9月補正予算案の概要

基本的な考え方

 平成8年度は新県計画に盛り込まれた事業を軌道に乗せるための重要な年に当たるので、行政改革大綱に基づく事務事業の徹底的な見直しを実施するとともに、真に必要な分野には重点的に予算の配分を行う年間総合予算を組んだところである。

 一方、我が国経済は、個人消費、住宅建設、設備投資等に明るい動きが見られ、景気は回復の動きを続けているものの、そのテンポは緩やかである。

 このような情勢を踏まえ、県内景気の回復をより着実なものとするため、県単公共事業や年末融資について、通常補正ベースを上回る額を計上した。

 また、7月に発生した降ひょう等による農業被害対策に係る経費を計上したほか、深刻な社会問題となっている病原性大腸菌0一157対策経費については、迅速な対応が必要なことから、所要額について専決処分を行った。

 その他国庫補助事業等の額の確定したものやその後の情勢の変化に対応するもの等について予算措置をとることとした。

 今回の補正予算の財源としては、国庫支出金等のほか、県債をできるだけ活用し、一般財源としては繰越金及び地方交付税の一部を充当した。

補正予算の規模

一般会計276億3900万円(補正後1兆789億5600万円)

特別会計3億6600万円(補正後1133億6200万円)

企業会計(補正後920億32百万円)

計280億500万円(補正後1兆2843億5000万円)

補正後一般会計予算の前年度9月補正後予算に対する伸び率3.8%

主要施策

公共事業・中小企業対策

国補公共事業 34億円

県単公共事業 45億円

・通常ベースの1・5倍の額を計上

・公共事業等の上半期執行率の前倒し分を措置

年末融資 242億円(融資枠)

・中元融資の実績を勘案し、平年ルールを上回る額を措置

(補正後融資枠H7年度245億円→H8年度282億円)

限度額500万円、融資金利2.4%

病原性大腸菌0−157(専決処分) 8600万円

試験検査費用、検食保存用備品購入費などを中心に緊急に対応する必要がある経費について、専決処分を行った(8月20日専決)

・試験検査に要する経費 5100万円

食品等検査機器、検査試薬等

・医療機関との連携に要する経費 400万円

医療マニュアル、厚生省通知等印刷、配付

・検食保存に要する経費 3100万円

冷凍庫、検食函購入(県立社会福祉施設、学校等)

・中小企業対策

中小企業パワーアップ融資制度の要件緩和

海外駐在員設置事業 3300万円

茨城県上海事務所(仮称)開設に伴う経費

・設置時期: 平成8年11月27日(予定)

・設置場所: 上海虹橋経済開発区上海国際貿易センタービル17F

・配置体制: 平成8年度派遣職員1名、現地採用職員2名

平成9年度派遣職員1名追加予定

・事業内容: 中国情報提供、企業活動支援(企業ブース提供等)強化

未規制化学物質等対策 500万円

ゴミ焼却施設周辺のダイオキシン類環境調査

・調査対象:竜ヶ崎地方塵芥処理組合ごみ焼却施設周辺

(新利根町、竜ケ崎市)

・調査内容:大気、土壌、水質(井戸水)

   井手県議の要望が施策化される詳しくはこちらへ




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平成8年第3回茨城県議会定例会 - 提出議案等一覧

9月5日より開会される県議会に提出される予定の議案の概要を,副知事の説明により速報いたします。
9月議会の日程はこちらをご覧ください。

平成8年第3回県議会定例会提出議案等一覧

(補正予算関連)
平成8年度茨城県一般会計補正予算(第2号)
平成8年度茨城県立医療大学付属病院特別会計予算
平成8年度茨城県中小企業近代化資金特別会計補正予算(第1号)
平成8年度茨城県農業改良資金特別会計補正予算(第1号)
平成8年度茨城県公共用地先行取得事業特別会計補正予算(第1号)
平成8年度茨城県港湾事業特別会計補正予算(第1号)
平成8年度茨城県都市計画事業土地区画整理事業特別会計補正予算(第1号)
平成8年度茨城県流域下水道事業特別会計補正予算(第1号)

(条例その他)
茨城県特別会計条例の一部を改正する条例
募金取締に関する条例を廃止する条例
茨城県霞ケ浦の富栄養化の防止に関する条例の一部を改正する条例
生活福祉資金貸付事業の補助に関する条例の一部を改正する条例
茨城県立青少年会館の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
茨城県立医療大学付属病院の設置及び管理に関する条例
茨城県立医療大学条例の一部を改正する条例
茨城県地域改善対策職業訓練貸付金貸付条例の一部を改正する条例
茨城県県立学校設置条例の一部を改正する条例
住民訴訟に係る弁護士費用の負担について
県有財産の取得について
県有財産の取得について
県有財産の売却処分について
県が行う建設事業等に対する市町村の負担額について
県が行う建設事業等に対する市町村の負担額について
国及び県等が行う土地改良事業に対する市町村の負担額について
工事請負契約の締結について
工事請負契約の締結について
工事請負契約の締結について
工事請負契約の締結について
工事請負契約の締結について
工事請負契約の締結について
工事委託契約の締結について
工事請負契約の変更について
工事委託契約の変更について

(認定)
平成7年度茨城県公営企業会計決算の認定について

(報告)
地方自治法第179条第1頃の規定に基づく専決処分について
地方自治法第180条第1頃の規定に基づく専決処分について


条例その他の概要

条例その他の
議案
内     容
茨城県特別会計条例の一部を改正する条例茨城県立医療大学付属病院の設置に伴い、茨城県立医療大学付属病院特別会計を設置しようとするものである。
募金取締に関する条例を廃止する条例募金取締りに対する社会的意義や要請が希薄化したことに伴い,規制緩和策の一環として本条例を廃止しようとするものである。
茨城県霞ヶ浦の富栄養化の防止に関する条例の一部を改正する条例
し尿浄化槽の構造基準が改正され、新たに窒素・りんの処理能力に係る構造基準が追加されたことに伴い,適用を猶予してきたし尿浄化槽の排水基準を適用しようとするものである。
生活福祉資金貸付事業の補助に関する条例の一部を改正する条例
国の生活福祉資金貸付制度要綱の一部改正に伴い,所要の改正をしようとするものである。
茨城県立青少年会館の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
宿泊室の設置に伴い,その使用料を定めようとするものである。
茨城県立医療大学付属病院の設置及び管理に関する条例茨城県立医療大学付属病院の設置及び管理について,必要な事項を定めようとするものである。
茨城県立医療大学条例の一部を改正する条例茨城県立医療大学付属病院を茨城県立医療大学の付属施設として位置付けようとするものである。
茨城県地域改善対策職業訓練貸付金貸付条例の一部を改正する条例
国の地域改善対策職業訓練受講資金等貸付要領の一部改正に伴い,所要の改正をしようとするものである。
茨城県県立学校設置条例の一部を改正する条例「茨城県立谷田部高等学校」を「茨城県立つくば工科高等学校」に改称するため,所要の改正をしようとするものである。
住民訴訟に係る弁護士費用の負担について地方自治法第242条の2第8項の規定に基づき、住民訴訟に係る弁護士費用を負担しようとするものである。
県有財産の取得について県立高等養護学校(仮称)用地として,水戸市下大野6217番ほか65筆の土地51,642平方メートルを予定価格7億5,000万円で取得しようとするものである。
県有財産の取得について警察署の備品として,小型運転免許証作成システム機器を東京都新宿区新宿4丁目3番17号日本アイデーシステム株式会社取締役社長上修茂夫から予定価格1億3,992万5,500円で取得しようとするものである。
県有財産の売却処分について工場用地として,那珂郡那珂町大字戸字中谷原6705番壱ほか1筆の土地42,370.07平方メ山トルを予定価格12億8,381万3,121円で株式会社田仲工業所ほか1社に売却しようとするものである。
県が行う建設事業等に対する市町村の負担額について平成8年度において県が行う漁港修築事業等に対する市町村の負担について、地方財政法の規定に基づき、その額を定めようとするものである。
県が行う建設事業等に対する市町村の負担額について平成8年度において県が行う河川事業等に対する市町村の負担について、地方財政法等の規定に基づき、その額を定めようとするものである。
国及び県等が行う土地改良事業に対する市町村の負担額について
平成8年度において国及び県等が行う土地改良事業に対する市町村の負担について、土地改良法法の規定に基づき、その額を定めようとするものである。
工事請負契約の締結について茨城県立水戸産業技術専門学院管理棟新築工事について、水戸市柳町2丁目4番17号株式会社大久保建設代表取締役夏坂英俊と7億40万円をもって、請負契約を締結しようとするものである。
工事請負契約の締結について茨城県畜産試験場用地造成工事(第6工区)について,東京都中央区日本橋浜町2丁目31番1号三井不・常総特定建設工事共同企業体代表者三井不動産建設株式会社代表取締役社長大澤美隆代理人水戸事業所所長樋口中と5億470万円をもって、請負契約を締結しようとするものである。
工事請負契約の締結について8国補道改新幸久橋橋梁整備工事について,東京都港区芝浦四丁目18番32号東骨・住金・日車特定建設工事共同企業体代表者株式会社東京鉄骨橋梁製作所取締役社長齋藤岩雄と5億470万円をもって、請負契約を締結しようとするものである。
工事請負契約の締結について8国補緊道・8県単道修合併栄橋橋梁補修工事について、水戸市五軒町1丁目1番28号大豊・細谷特定建設工事共同企業体代表者大豊建設株式会社取締役社長内田興太郎代理人茨城営業所所長矢野通夫と7億6,735万円をもって、請負契約を締結しようとするものである。




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日立のボランティアが全国紙で紹介される 向日葵の花に平和を託す:花樹の会

[96言の葉紀行]向日葵 茨城・日立市
1996/8/16大阪読売夕刊よりの転載
花樹の会会長・古田土勇さんが紹介されました
himawari

 ◆焦土に乾く心 希望くれた一輪 反戦語り継げ◆

 とりわけ長く深い祈りが列島を覆った戦後五十年の八月十五日が過ぎた、その夏の果て、茨城県日立市の街を黄色に染め上げた向日葵(ひまわり)の花心から一粒一粒、種を採りながら、古田土勇さん(64)は呟(つぶや)いた。

 「終わったんじゃない、これから始めるんだ」

 鹿島灘に面した日立市は、敗戦の年の六月十日、軍需施設だった日立製作所が狙われ、一トン爆弾五百発を浴びた。七月には艦砲射撃を受け、二日後には焼夷弾(しょういだん)。三度の攻撃で、街は七割が灰となり、千三百五十人の命が散った。

 旧制日立中の一年、十三歳だった古田土さんは、海で泳ぎ、山で戦争ごっこに明け暮れた同級生の関山君と小沢君を失った。野辺の送りもできなかった。父が勤めていた日立の社宅も焼け落ちた。父と工場に通い、犠牲になった六百人の遺体を運び出し、一体一体、校庭に並べた。初めて黒焦げの亡骸(なきがら)に触れた。おびただしい死が感覚を麻痺(まひ)させた。  

 「流す涙さえなかった。それが心底哀(かな)しかった」

 霞ヶ浦の海軍航空隊の七つボタンに憧(あこが)れた少年の心に、「無常」が澱(おり)となって残った。

 戦後、中学教師の職を得た。六月十日には授業を割き、死の重みと生のはかなさを話して聞かせた。だが、時の流れは過酷だ。子供たちに伝わらない歯がゆさ、話し尽くせない自身へのもどかしさを覚えた。

 校長で退職し、公民館長に就いた三年前の春、街に桜を植樹するグループ「花樹の会」の会長に請われた。一昨年の暮れ、会の集まりで、戦後五十年の年に自分たちにできることは何かと、みなで自問した。古田土さんが切り出した。

 「祖母に連れられて毎日、焼け野原に立ちました。食いたかったら、生きて行きたかったら畑を耕せと言われ、まだ熱が残る焦土に鍬(くわ)を振るいました。そこに向日葵が咲いていたのです。大人より背丈の高いのが、あちこちでたくましく、毅(き)然と立っていました。鮮烈でした。自分も這(は)い上がらなければと思いました。勇気を与えてくれた花なのです」

 同い年の河合雄さんも、疎開先へ急ぐ山道に咲き誇っていた向日葵の生命力が忘れられない、と言った。あの夏のように向日葵を咲かそう。会員七十人の総意で決めた。二十万人市民の一人ひとりに届けられたら。二十万本の花づくりが始まった。

 会員で、造園業の林功生さん(57)の敷地が苗作りの拠点になった。八月十五日に照準を合わせ、六月半ばに一斉に種をまいた。茎が十センチほどに伸びた七月一日、五万本の苗を市民に配り、十一万本は公園や街路沿いに植え、四万本分の種は、市内二十三校一万三千人の小学生に託した。

 駅前にある銀座通商店街で洋装店を開く、野口みよ子さん(66)は、店先で十鉢、五十本を育てた。

 艦砲射撃の夜は、看護婦として勤め出したばかりの病院の寮で迎えた。部屋で震えながら布団にくるまって、明け方の光の中で見たものは、首を、手足をもがれた四、五人の変わり果てた姿。飢えをしのぐため向日葵の種を、一粒一粒かみしめて一緒に食べた先輩たちだった。戦場となった病院で、爆弾の破片が全身に突き刺さった痛みに耐えかね、白衣のすそをつかんで、「殺してくれ」と叫ぶ人たちも見た。「施すすべを持てなかった自分が悔しかった」。十五歳の少女の心に、無力感が広がった。

 「つらくても、胸に刻み続けなければ」。野口さんは逝った仲間たちの顔を浮かべながら、いとおしむように鉢に水をやった。

 戦後五十年のあの日が近づくにつれ、古田土さんも河合さんも林さんも、向日葵の夢を見た。願いをかなえるように、二十万本はそろって、民家の庭先で、日立の工場の寮で、市街を見下ろす神峰公園で、校庭で、そして、道端でいちどきに満開となった。「水戸の白梅、日立の桜」。春、ピンクに染まる街は八月十五日、黄一色に埋まった。

 「何もかも失ったときに、一輪の向日葵が希望の太陽のように見えた」「花がこれほど美しいものかと気づいた日が、あの日だった」。父母から子へ、祖父母から孫へ、その夏、戦争が日立の街のあちこちで語られた。花樹の会には、「今度は、種から育てたい」と申し出が相次いだ。

 「言葉は人の心を通り過ぎてしまうかもしれない。でも、花は心の中に生き続けていくのですね」

hima2言葉に勝る力を花は持っているのだと古田土さんたちは知らされた。五十年の節目のためのものだけで終えてはいけない。植え続けることが、戦争を人々の記憶にとどめさせることになるのではないか。五十年後から始めるんだ。向日葵に託して伝えよう。そう、思った。(写真は、駅前広場での花樹の会)


 五十二年目の夏が巡ってきて、会員たちが新たに育てた五百本の苗、道端にこぼれた種、民家で穫(と)られた種が、去年にも負けない大輪の花をつけた。

 戦争体験者と、若い世代をつなぐように、向日葵は途切れることなく、日立の街に咲き続ける。

             
 《季わーど》向日葵
 キク科の一年草で、北米産。花の直径四十センチ、丈三メートル以上のものもあり、種子から食用油がとれる。南仏やユーゴスラビアの向日葵畑が有名。日本には江戸時代初期に渡来。別名、日車、日輪草。太陽の動きに合わせて花が回るという説が名前の由来だが、実際は他の植物と同じく光線の強い方向へ向くだけ。
 ゴッホの連作やソフィア・ローレン主演の映画にみられるよう芸術のモチーフとしても愛され、日本でも「向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ」(前田夕暮)、「向日葵の大声で立つ枯れて尚」(秋元不死男)など、多く詠まれている。

 受け継がれた向日葵が、街角で戦争を問いかける

以上 文・持丸 直子




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県北生涯学習センターの誘致を陳情

gakusyu 平成8年8月7日、井手県議は、日立選出の県会議員、飯山日立市長とともに、県北生涯学習センターの誘致を求めて、橋本知事に陳情を行った。
 地元選出の県会議員が揃って陳情活動を行ったのは、非常にまれなことであり、誘致への日立市民の熱意を強くアピールできた。





陳 情 書


茨城県知事 橋本 昌 殿

県北地区生涯学習センターの建設について(陳情)

 生涯学習社会に対応し、県北一円の県民と関係自治体が生涯学習をとおしてまちづくりに大きく寄与する、さまざまな生涯学習の機能を備えた、県北地区生涯学習センターを、県北の広域的中核都市である日立巾に建設されますよう、日立市選挙区選出の茨城県議会議員の連名をもって陳情いたします。

県北地区生涯学習センター建設誘致の背景

高齢化、国際化、高度情報化など社会情勢の変化とともに、人々の学習要求の多様化、高度化という新しい状況の出現を背景として、今、全国的に生涯学習への関心や意欲が高まり、臨時教育審議会の最終答申の動きと合わせて、国、県、市町村でも、住民の多様な生涯学習ニーズに対応すべく、生涯学習推進計画の策定や推進組織の発足など、生涯学習の醸成、整備が進められています。
日立市においては、昭和61年から2年間にわたり、市民を中心とする「ひたち生き生き21生涯学習市民会議」が、生涯学習推進計画「ひたち生き生き百年塾プラン」を策定しました。
日立市ではこの提言を受けて、官民一体型の「ひたち生き生き百年塾推進本部」を発足し、市民の視点、ニーズ、企画立案を活かし、北茨城、高萩、十王における生涯学習との積極的な交流を図りながら、全国の生涯学習をリードする「百年塾運動」を広域的に推進しています。
労働時間の短縮、学校週五日制など余暇型の社会に入りつつある現在、地域社会も大きく変化している中、「県北地区生涯学習センター」の整備は、生涯学習を推進するために必要不可欠の条件であります。
新たに、県北地域をカバーする生涯学習推進拠点施設を設置することにより、生涯学習の情報交流、学習機会の創出、相談体制の整備、指導者の養成などが促進され、県、市町村、大学・短大などの高等教育機関、専門学校や民間学習機関までも組み込んだ生涯学習のシステムづくりが大幅に進ちょくし、県北地域の生涯学習のネットワークが完成するものと期待されています。

以上のような状況を勘案され、県北地域の生涯学習の中核となる「県北地区生涯学習センター」を日立市に建設されますよう日立市選挙区選出の茨城県議会議員五名の連名で陳情いたします。

   平成8年8月7日

  茨城県議会議員 岡部 英男

  茨城県議会議員 鈴木 正義

  茨城県議会議員 今橋 孝行

  茨城県議会議員 長谷川 修平

  茨城県議会議員 井手 義弘





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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
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