2024衆院選:103万円の壁の引き上げは高所得者ほど恩恵

年収による減税効果
 国民民主党の103万円の壁を178万円に引き上げる政策は、103万円の壁前後で働くパートやアルバイト労働者のための政策と、一般的には受け取られています。
 しかし、これは大きな間違いです。
 いまの税制では、年収が103万円を超えた場合、所得税などがかかります。手取りの賃金から基礎控除48万円と給与所得控除55万円(合計103万円)を差し引いた金額に、所得税率(5%からの累進税率)を掛け所得税は計算されます。そのマイナスされる控除額を178万円に大幅に引き上げるということです。
 所得の多い人も減税の効果に浴するということです。実は、103万の壁を178万円まで引き上げると、「税金がかかる」部分が減るため、ほとんどの人の手取りが増える“大減税”政策なのです。
 たとえば、年収300万円の独身の場合、年間およそ11万3000円の減税。夫婦片働きで年収700万円の場合、年間15万6000円ほど税金が減る計算です。年収800万円の人は22万8000円の減税となり、年収が高い人ほど恩恵が大きいのです。
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2024衆院選:給与所得「年収の壁」の6つの壁

給与所得「年収の壁」の6つの壁
 2024年総選挙の結果、大きくクローズアップされた『103万円の壁』問題。国民民主党の大躍進のキーワードとして注目され、政府与党も103万円の壁是正に向けて、大きく舵を取ろうとしています。
 政府は、社会保障の壁である106万円と130万円の壁に対して、2023年10月から「年収の壁・支援パッケージ」という政策がスタートをスタートさせています。
 ここで、もう一度「年収の壁」の6つの壁を整理して、今なぜ国民民主党は『103万円の壁』に壁を強調するのか考えてみたいと思います。

 本来、年収が増えれば税金や社会保険料の負担も増えます。しかし、国は所得の低い方への富の再配分機能として、一定以下の所得に対して、税金や社会保険料を徴収しない制度を作っています。この仕組みを「控除」といいます。
 所得が増えることによって、この控除する金額(控除限度額)を超えると、税や社会保険料の負担が生じることにより、手取り額が減少します。この年収のボーダーラインを「壁」と表現しています。換言すれば、年収の壁を超えなければ、税金や社会保険料の負担が低く(またはゼロに)なります。

 年収の壁には、「税制上の壁」と「社会保険上の壁」の2種類があります。
 「税制上」の年収の壁:税制上の年収の壁には、100万円・103万円・150万円・201万円の4つがあります。これらの年収を超えると、税金の負担が増えることになり手取り額が減少します。年収の壁にかかわる税金としては、主に所得税と住民税です。
 「社会保険上」の年収の壁:社会保険上の年収の壁には、106万円と130万円の2つがあります。これらの年収を超えると社会保険料の負担が増え、手取り額が減少します。
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2024衆院選:国民民主党は年収の壁103万円を178万円に引き上げ主張

 2024衆院選で、国民民主党が強く主張した年収103万円の壁問題。
 年収の壁問題に対して公明党も政府も、「年収の壁・支援パッケージ」を推進することでその是正を図ってきました。
 国民が訴える政策と政府が進める政策の違いは何なのか、少数与党に陥落した自公は、国民との政策のすりあわせてどのような政策を提案するのか、注目していきたいと思います。
 まずその前段として、オタク会計士ch【山田真哉】さんの分析を紹介します。
 控除限度を引き上げることで、社会保険(年金)への加入率を上げることが出来るという主張には納得します。

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日立市と十王町の合併から20年

日立市十王町合併協議会
 2004年(平成16年)11月1日、日立市と十王町が合併し、新たな日立市が誕生しました。
 平成の大合併の一環として行われた日立市と十王町との合併。当時現職の県議会議員として、十王町の皆さんと膝詰めで様々な議論をしたことが、昨日のように思い出されます。
 合併を巡っては合併特例債を活用した社会資本(幹線道路など)整備、地域住民の利便性の拡大(市外電話を0294に統一、県北生涯学習センターを旧十王庁舎に誘致)、十王の歴史と伝統の継承(JR川尻駅を十王駅に名称変更)など、様々な取り組みを行いました。
 特に、道路整備は進みました。国道461花貫踏切の立体化、十王北通り線の整備、県道日立いわき線バイパスの整備など、十王地域の道路整備は飛躍的に進捗しました。
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2024衆院選:国民民主党躍進のポイントを考察

国民民主党HPより
国民民主党の躍進の要因を、以下の4つのポイントにまとめてみました。

1.「対決よりも解決」を掲げる国民民主党のスタンスが若者層に受けている
 経済成長期やバブル期には理想主義・原理主義の政党が若者に人気が出たかもしれませんが、日本の現実は、多くの課題が表面化しており、若い世代は特に身近な問題を感じています。学費の負担=奨学金の返済、長時間労働の割に給料は上がらない労働環境、子育て環境の大変さ、いじめや自殺、将来の社会保障(特に年金)などなど、多くの課題に具体的な答えを出してくれる政党を求めています。非常に現実主義な傾向が強い世代です。その彼らに「対決よりも解決」との言葉は刺さっています。
 今回の衆院選では、「手取りを増やす」というのはまさに、現役世代をメインターゲットとした政策です。前回2021年の衆院選は「給料を上げる政治」が合い言葉でした。労働者(特に大企業)の給与が上昇し、最低賃金が1000円台を突破した今年、「給料は上がったけれど、手取りの給料は上がっていない」との現役世代の実感に、ダイレクトに答えたキャッチフレーズを掲げました。
若い世代が重視する政策は「教育・子育て政策」、「景気・雇用」、「外交・安全保障」が高くなっています。
 高齢者の福祉や医療などに目配りする自公政権の主張と一線を画し、5兆円の教育国債の発行によって高校までの授業料・給食費・修学旅行費の無償化など子育て世代を狙い撃ちした政策は正鵠を射ていると思います。
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2024衆院選:国民民主党が躍進、若年層支持が大幅増

2024衆院選出口調査結果
 2024年衆議院選挙の比例区において、国民民主党が大きな躍進を遂げました。
 国民民主党の得票数は617万票余りで得票率は11.3%に達し、前回選挙時の4.5%から2.5倍と大幅増を示しました。この大きな支持増加の背景には、特に若年層からの支持が寄せられていることが明らかです。
 20代の投票行動を見てみると、国民への支持率は26%にのぼり、同世代での自民党の支持率20%を上回り、比例区において「第1党」の地位を獲得しました。特に20代の男性においては、3割近い29%が国民民主党に投票しており、注目すべき支持層が形成されています。30代でも、国民民主党は21%の支持を集め、自民党の支持率(同21%)に並んでいます。このように、国民民主党が若い世代において支持を急拡大させたことが、今回の得票増の大きな要因の一つとなっています。
 また、無党派層の動向も国民民主党の躍進を支えています。無党派層の投票先として、立憲民主党には22%が投票したものの、国民民主党も16%の支持を集め、無党派層における自民党の14%や維新の11%を上回りました。特定の支持政党を持たない有権者からの支持を拡大できたことも、国民民主党にとって追い風となりました。
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2024衆院選:自公が過半数割れ、立民・国民が躍進

2024総選挙結果
 自民党の総裁選、首相交代からあまりに早すぎる解散のため、『石破政権』の仕事を、国民はまだ見ていないし、判断の材料には乏しかったのでしょう。一方、野党の政策や実績も「裏金批判」により、皮肉にも自ら政策をかき消すことになり、ほとんど伝わってきませんでした。ゆえにこの度の選挙は、自民党石破政権というより、政治と金の問題含めた『石破政権前』の自民党と、『野党の政権担当能力』が、感覚的なイメージで評価された選挙結果となりました。
 そのため、自民党は議席を減らしても比較第一党の地位を占め、他の野党も議席を増やしても比較第一党になれはないと言うことになりました。まさに『勝者なき衆議院選挙』です。
 公明党は、小選挙区で石井啓一党代表(埼玉14区)が落選、大阪は全敗など、改選前の32議席から8議席減の24議席に止まりました。続きを読む

没入できるアート空間「チームラボ 幽谷隠田跡」を訪ねて

空撮「幽谷隠田跡」
 2024年9月30日、チームラボの最新作「チームラボ 幽谷隠田跡」が、茨城県北茨城市の五浦にオープンしました。
 五浦は、日本美術史に名を刻む岡倉天心ゆかりの地として知られ、雄大な自然と芸術が融合した特別な場所です。その歴史的な場所に、チームラボが新たなアート空間を創り出しました。
 「チームラボ 幽谷隠田跡」は、夜の森の中で自然そのものがアートとなる「Digitized Nature Art」プロジェクトの一環として作られた常設展示です。このプロジェクトは、デジタル技術を駆使し、自然を破壊することなく、その魅力を引き立てることを目指しています。今回の作品では、森の中に広がる棚田の跡地を舞台に、無数のLEDライトやデジタル映像を使用して幻想的な風景が演出されます。訪れる人々は、自然とデジタルアートが融合したこの神秘的な空間で、光や音に包まれながら特別な体験をすることができます。
チームラボ<幽谷隠田跡>

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つくば市議会、住民ネット投票で市長の退職金を決める条例を可決

つくば市役所
 10月4日つくば市議会は、五十嵐立青市長の退職金を決めるために、全国で初めて市民の評価に基づくインターネット投票を導入する条例を可決しました。
 五十嵐市長は2期目の任期満了にあたり、退職金を市民の評価に基づいて決定するという新たな方式を、市議会に提案していました。市長の発案により、市民が市政運営に対する評価をインターネット投票を通じて反映させ、その結果が退職金の金額に影響を与えることになります。具体的には、15歳以上のマイナンバーカードを持つ市民が市の情報アプリ「つくスマ」を使用し、市長の4年間の行政運営を100点満点で評価し、その平均点を基に退職金の額が決めます。最高額は約2000万円、最低額は22円という仕組みです。
 この条例案は当初、9月17日に市議会の総務文教委員会で否決されていましたが、最終的に本会議で賛成12票、反対12票の可否同数となり、議長の裁決で可決されました。
 賛成派の議員は、この取り組みが「未来のネット投票実現のための意義が大きい」と評価し、つくば市が「スーパーサイエンスシティ構想」の下で新しい技術や制度に挑戦する姿勢を示すことの重要性を強調しました。
 一方、反対派の議員からは「市長個人の退職金を決めるために税金を使うのは不適切である」「マイナンバーカードとアプリを使える市民しか投票できないのは公平性に欠ける」との批判がありました。
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ひたち海浜公園で“コキアライトアップ2024”


 ひたちなか海浜公園の期間限定の絶景「コキアライトアップ2024」。メイン会場のみはらしの丘では、夏の太陽を浴びて大きく成長した約4万本のコキアを、音楽に合わせてカラフルな光で照らし出します。
 10日間限定の幻想的な空間を、ぜひお見逃し無く!
 なお、ライトアップイベントに使用されている楽曲は、著作権法で保護されているために、私の動画に使用することが出来ません。動画には著作権フリーの音楽で代替させていただいています。
【コキアライトアップイベント】
2024年9月27日(金)〜10月6日(日)
17:00〜21:30(点灯時間17:30〜21:15)
https://hitachikaihin.jp/kochia_lightup2024/
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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
master@y-ide.com
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