能登半島地震から4ヶ月/仮設住宅に集会所、防災情報システムを

珠洲市正院小学校仮設住宅
 今日から5月。能登半島地震から4ヶ月が経過しました。震源地となった石川県では30日現在、水道などインフラの復旧が急ピッチで進められているものの、約3780戸が今も断水しています。避難者はホテルや旅館など2次避難なども含め4604人に上っています。
 私が主宰する地方創生戦略研究所は、防災減災対策の充実のため5年前から活動を続けていますが、能登半島地震の仮設住宅の整備に関して、3度にわたり現地調査を重ねてきました。現地の地方議員、被災自治体の首長や行政担当、仮設住宅の建設業者そして被災した住民の皆さまから生の声をお伺いして、現地調査報告書をまとめました。
 国会議員を始め、茨城県内市町村の首長、防災関係者、地方議員、防災士の方々に配布しています。
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日立市に5億年前の日本最古の地層/企業連携型NPO支援事業で案内看板整備

かみね公園山頂
 日立市民の憩いの場・かみね公園の頂上から望む太平洋の景色は抜群で、 「さくら名所100選」にも選ばれています。桜の開花期にはソメイヨシノ、ジンダイアケボノなど約千本の桜を楽しむことができます。この公園にはいたるところに5億年前の地層が5億年前の地層が露出しています。
 遡るところ15年前、2008年に、 茨城大学教授(当時)の田切美智雄氏の研究チー ムは、日立市小木津山自然公園入口の小さな滝で5億年前(カンブリア紀)の地層を発見しました。その後の調査研究で、 小木津山自然公園やかみね公園を含め、 日立市と常陸太田市に広がる多賀山地の約3分の2がカンブリア紀の地層であることが分かりました。多賀山地のカンブリア紀の地層は日本列島のルー ツです。
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茨城県の“消滅可能性自治体”は17市町村

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 2014年5月に日本創成会議(座長:増田寛也)が「消滅可能性都市」リストを発表してから10年が経過しました。2024年4月24日、人口戦略会議(議長:三村明夫、副議長:増田寛也)は、2023(令和5)年12月に公表された「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)に基づき、人口から見た全国の地方自治体の「持続可能性」について分析を行い、公表しました。
 その結果、20代から30代の女性の数、「若年女性人口」の減少率をもとに、茨城県内では17の市町村について、「最終的には消滅する可能性がある」としました。
 2050年までの30年間で、若年女性人口が半数以下になる県内の市町村は、日立市や常陸太田市など全体の38%余りにあたる17あり、これらの自治体はその後、人口が急減し、最終的に消滅する可能性があるとしています。
 このうち鉾田市と八千代町は今回初めて消滅可能性自治体と指摘されました。
 若年女性人口の減少率が20%から50%未満の市町村は26でした。
 このうち石岡市と笠間市、それに筑西市の3つの市は前回の分析では消滅可能性自治体だったものの、今回脱却しました。
 一方、減少率が20%未満にとどまり「100年後も若年女性が5割近く残っており持続可能性が高いと考えられる」とする「自立持続可能性自治体」は県内で唯一、つくばみらい市のみでした。
 転入や転出が続く場合の想定で、若年女性の人口減少率が最も高かったのは、大子町で76.4%、次いで、河内町は74.7%、城里町は71%、稲敷市は70.4%などとなっています。
 若年女性の人口が上昇するとされたのは、2つの自治体でつくばみらい市が4.1%、守谷市で0.3%でした。
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能登半島地震で深刻な液状化、早急な具体的対策を

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 能登半島地震の被災地では、地震による液状化で宅地などに被害が相次ぎました。宅地被害は石川、富山、新潟3県で1万5000件を超えると推計されています。
 私は2月4日、石川県かほく市と内灘町の液状化被害の現場を現地調査しました。能登半島地震で震度5弱を観測した内灘町西荒屋地区では、道路が波打ち、住宅や電柱が沈み傾いたままの状態が続いています。地盤が横方向に大きくずれ動く「側方流動」が発生し、住宅が水平距離にして12メートル横滑りした地区も報告されています。
 内灘町の住家被害は1600棟超。その大半が液状化によるものです。石川県は要因について、日本海に面する内灘砂丘の周縁部は地下水位が高く、地盤の表層部にゆるみが生じやすい状況だったからではないかと分析しています。
 かほく市や羽咋市、七尾市などでも液状化被害が出ており、各自治体は、用地の境界がずれて元の境界が分からなくなっていたり、道路・宅地ともに高さが大きく変化し、どの高さを基準として復旧するのかといった問題に直面しています。大規模な地盤改良など広域的な対策が必要との指摘もあり、課題は山積みのままです。
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能登半島地震における仮設住宅視察に関する中間報告

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 1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、死者245人、住家の全壊8,195戸、半壊15,342戸、一部損壊53,419戸(4月16日現在)という大きな被害が出ました。私は、3度にわたり延べ10日間被災地を訪れ、被災者の住環境の整備や防災情報のスムーズな提供のために現地調査を行ってきました。
2月2日〜5日:石川県庁、珠洲市、輪島市、志賀町、内灘町
3月2日〜4日:石川県庁、珠洲市、輪島市、七尾市、中能登町、志賀町
4月12日〜14日:珠洲市、輪島市、七尾市、のと里山空港、志賀町
 この現地調査を踏まえて、建設型仮設住宅に関する現状と課題について中間報告いたします。 
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レスキューホテル小美玉/2024年5月5日オープン

小美玉市とデベロップ社の防災協定
 コンテナホテルを全国展開するデベロップ社は、茨城県小美玉市に「HOTEL R9 The Yard 小美玉(レスキューホテル小美玉)」を5月5日(日)に開業します。
 レスキューホテル小美玉の開業により、デベロップ社の運営するホテルは全国で91店舗、県内で11店舗となります。
 4月19日は、開業に先立ち小美玉市との防災協定の締結式、オープン前施設見学会が開催されました。
 防災協定の締結式には、島田幸三小美玉市長と岡村健史デベロップ社・代表取締役が出席。島田市長は「茨城空港や常磐道、常磐線と交通の要衝である小美玉市は、工業団地や観光拠点としても注目されており、宿泊施設の不足が指摘されていました。防災機能も有するレスキューホテルの開設はありがたい」と語りました。岡村社長は、「地域の活性化と防災力強化に協力していきたい」と語りました。
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仮設住宅に双方向タイプの見守り装置(緊急通報システム)の導入を

輪島市の海岸に建設された仮設住宅
 仮設住宅に入居した単身高齢者世帯には、ICT技術を応用した双方向タイプの見守り装置の導入を検討すべきです。冬期だけではなく、夏期においてもエアコン等の空調機器の使用が奨励される中、行政や地域の見守りが行き届かず孤立化する入居者が懸念されます。また、海岸や土砂崩れなどが想定される場所に立地している仮設団地もあり、防災情報を速やかに伝達する必要があります。例えば、輪島市マリンタウン周辺に立地する仮設団地群には早急に導入すべきです。
 東日本大震災では、仙台市が応急仮設住宅に居住する65歳以上のひとり暮らしの高齢者に対して、緊急時に役立つ生活支援機器を貸与し、毎日を安心して生活してもらうための緊急通報、見守り及び日常会話のサービスを提供した実績があります。
 能登半島地震災害では、携帯電話(スマートフォン)端末またはその機能を有した多機能の見守り機器を導入し、安否確認と大規模災害発生時の緊急情報の提供を行うことが求められます。続きを読む

日立の大煙突とオオシマザクラ2024 茨城県日立市【いばらきドローン散歩Vol.040】


 日立市発展の原点となったのは、日立鉱山の創業でした。しかし、鉱山が発展していく過程で、周辺の山林や田畑は煙害による大きな被害を受けました。日立鉱山と地元住民は話し合いを続け、当時世界一の大煙突を建てて、煙害を見事に克服しました
 その上で、荒廃した自然環境の回復を図るためオオシマザクラの苗木を育成し、260万本のオオシマザクラを植栽しました。そして、ソメイヨシノを接ぎ木し、街中に植えました。
 春になると大煙突の周りには、オオシマザクラの大群落が可憐な花を咲かせます。
 2024年4月16日に撮影しました。

第3次能登半島地震調査:ムービングハウス・トレーラーハウスを活用した仮設住宅、順調に建設進む

珠洲市正院小学校仮設住宅
 4月12日から14日まで、3回目の能登半島地震被災地の調査を行いました。
 12日は、七尾市に向かい能登島の仮設住宅、和倉温泉の復興状況、市内の仮設住宅の建設進捗状況などを確認しました。
 13日は、能登空港=珠洲市=輪島市=輪島市(門前地区)=志賀町と大きく移動しました。道路状況は大分改善しましたが、相互通行や珠洲〜輪島、輪島〜門前など直接移動できないのが難点。視察の8割程度が移動時間となってしまいます。13日の走行距離は約370キロでした。
 珠洲市、輪島市、志賀町では移動型の仮設住宅(ムービングハウス、トレーラーハウス)を中心に調査しました。いずれも、過去の災害で実績を積んでいるため、建設や居住支援も充実していました。
 珠洲、志賀の仮設団地は集会場が併設され、すでに活用されていました。珠洲ではお茶会が、志賀ではお客様の応接室として活用されていました。孤立化対策や狭い仮設の活用策としては必須です。今回の能登半島地震では、仮設住宅の戸数を稼ぐためか、集会場が併設されていない団地が多いように気がします。後付けでも遅くないです。石川県、各市町村は基本的考え方を改めるべきです。
 桜満満開の中、仮設にいち早く移れた方々は、生活の再建のために確実に前に進まれています。続きを読む

さくら満開の能登さくら駅を訪問<のと鉄道七尾線能登鹿島駅>

能登さくら駅
 4月12日、能登半島地震の調査のため石川県を訪れました。能登は桜満開。七尾市を中心に仮設住宅の調査を行いましたが、寄り道をして「能登さくら駅」(のと鉄道七尾線能登鹿島駅:石川県穴水町)で、列車と桜を写真に収めました。

 「能登さくら駅」の桜が満開になり、訪れた人を和ませています。のと鉄道能登鹿島駅は、昭和7年に鉄道の開通を祝って桜が植えられ、それ以来「能登さくら駅」の愛称で親しまれています。鉄道会社や地域の人たちが少しずつ増やしてきたソメイヨシノやしだれ桜など、合わせて100本以上が構内に植えられ、多くが満開を迎えました。
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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
master@y-ide.com
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