“宗教のための人間”か“人間のための宗教”か/評論家・田原総一郎氏のインタビューより

田原総一郎氏
 評論家・田原総一郎氏が「“宗教のための人間”か“人間のための宗教”か」とのテーマで、聖教新聞(11月6日付け)にインタビュー記事を載せています。
 この中で、特に注目したいのは「宗教の“排除の壁”」に触れた部分です。
 少し長文ですが引用します。
 本来、その生きる軸となるべきものが宗教であったはずです。そうした時に起きてしまったのが安倍晋三元首相の銃撃事件でした。
 容疑者は、母親が団体に家庭を破綻させるほどの献金をしたと供述しています。この母親にとっては、いわば生活を犠牲にすることが信仰の強さを示すものとなっていた。
 まず言いたいのは、目的や手段を間違った宗教は、いつか深刻な事態を引き起こすという点です。極端な話ですが、宗教には、ともすれば人を殺めたり傷つけたりすることを正当化するような教義を持つものもある。また、信仰心が強いほど、他の宗教を認められなかったり、排除しようとしたりすることもある。宗教には、そのような怖さや危険性があることを知っておかなければならない。
 こうした、いわば「排除の壁」というものに、宗教はどう向き合うのか。果たして宗教はこの壁を乗り越えていけるのか。そこに僕は注目してきました。
 僕は、戦後初期の創価学会も、この宗教における「排除の壁」という問題に陥っているのではないかと感じていました。信仰への確信ゆえに、自分たちと異なる意見を認めることができない、だから民主主義とも相いれないと思っていた。公明党が誕生し、政界に進出した時も、この矛盾をどう解消していくのか注目していたんです。
 でも池田大作会長(当時)は、その壁を克服した。創価学会が現在のように発展できた理由は、三つあると思っています。
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物価高から国民生活を守る/公明党・山口那津男代表の講演から


 2022年10月29日、水戸市のザ・ヒロサワ・シティ会館大ホールで「公明党時局講演会」が、盛大に開催されました。
 講演会には、公明党山口那津男代表が出席し「物価高対策」や「子育て支援」など、厳しい経済情勢への対応について、公明党の取り組みを語りました。
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<弱者を助ける社会から弱者を生まない社会へ>慶應義塾大学井手英策教授のインタビュー記事より

井手英策氏
近年、社会を覆ってきた漠然とした不安や閉塞感。その根源にあるものと向き合い、解決への手を打つことがポストコロナの日本に大切であると、慶應義塾大学の井手英策教授は語っています。聖教新聞のインタビュー記事(2022年10月21日付け、22日付け)より、その概要をまとめました。
井手英策氏のプロフィール:
いで・えいさく 1972年、福岡県久留米市生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。日本銀行金融研究所、東北学院大学、横浜国立大学を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政社会学。著書に『どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?』『欲望の経済を終わらせる』『いまこそ税と社会保障の話をしよう!』『幸福の増税論』『ふつうに生きるって何?』『18歳からの格差論』ほか多数。最新著は『10歳から使ってほしい みんなのお金とサービス大事典』。2015年大佛次郎論壇賞、2016年度慶應義塾賞を受賞。

日本に共通の「将来不安」 
――「生きづらさ」という言葉を多く見かけるようになりました。漠然と感じていても、それを明確な形で言葉に表すことができない人も多いのではないでしょうか。 
 生きづらさには、2種類あると思います。一人一人が個別に抱えている生きづらさと、この社会が共有している生きづらさです。「多様な生きづらさ」と「共通の生きづらさ」と言えるかもしれません。私は学者ですので、普遍性を探究する形で、後者の「共通の生きづらさ」から始めたいと思います。
 現代の日本に共通の生きづらさは、一言でいえば「将来不安」です。
 日本は、1997年で勤労者世帯の実収入が頭打ちとなり、今もそれを越えられていません。実収入が300万円未満の世帯が全体の3割、400万円未満が5割弱を占めます。これらの数字は、平成元年度の割合とほぼ同じです。
 大切なのは、現在は、共稼ぎの世帯が圧倒的に多いということ。つまり、二人で働くようになったのに、世帯所得が約30年前と同じ水準だということです。
 この間、自己責任が問われる社会になりました。日本は、現役世代への暮らしの保障が弱い。医療や子どもの教育、家の購入にかかる費用、老後の備えなどは、「自分の貯金でなんとかする」ことが前提になっています。
 高度経済成長期のように、「頑張れば報われる」「明日は今日より豊かだ」と皆が思えた時代であれば、自己責任でも良かったでしょう。もちろん当時も、低所得者層、働けない人、障がいのある人など、自分の力だけでは生きていけない人はいたわけですが、社会全体で、そうした人々を支える余裕がありました。
 では、日本で低成長が続く今、大勢の人たちが果たして自己責任で生きていけるのか。貯蓄するのが難しいのに、貯蓄しないと生きていけない現実がある。ゴールも解決方法も見えません。これが、大きな将来不安となって共有されていると思うのです。
 だから、親を介護するのも、子どもを何人つくるかというのも、全てを経済的なコストを踏まえて考えてしまう。愛や慈しみの対象である人の存在が、重荷に感じられてしまう。そんな生きづらさの根源にある問題を解決したいと思っています。
グラフ
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豪雨被害の新潟県村上市に、ムービングハウスを活用した仮設住宅建設


 令和4年8月豪雨で、大きな被害を受けた新潟県村上市に、ムービングハウスを活用した仮設住宅が建設されました。
 村上市の小岩内地区は土石流に見舞われ、36世帯すべてに、避難指示が出されています。集落の山側にある砂防ダムは土砂と倒木によって、埋め尽くされており、この砂防ダムの全面的な改修にはかなりの時間を必要とすることから、地区をあげて仮設住宅に避難することになりました。
 8月22日に、仮設住宅にムービングハウスを使用することが正式決定。
 8月27日から3日間で、ムービングハウスの搬入、据え付けが行われました。
 その後、上下水道、電気、ガスなどの設置工事が行われ、9月13日から被災された方の入居が始まりました。
新潟県村上市の仮設住宅
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茨城県で“流域治水”対策をリードした県議会公明党

常総水害
 地球温暖化の影響で気候が凶暴化し、毎年のように大規模な水害が発生しています。“想定外の災害”が日常化しているといわれます。
 茨城県では、2015年9月に「関東・東北豪雨災害」が発生しました。鬼怒川の堤防が決壊し大きな被害だ発生しました。多くの住民は、小貝川が以前、大洪水で決壊した記憶はあったものの、鬼怒川が決壊することは、まさに“想定外”でした。
 そのために逃げ遅れてしまった方たちが多くいましたので、ヘリコプターや自衛隊のボートなどを使って、前例のないほどの大規模な救助活動が行われました。
 その災害の経験をもとに、今後を見据えて、国と県、そして鬼怒川下流域の7市町で、ハードとソフトを一体化させた治水対策を進める「鬼怒川緊急対策プロジェクト」が立ち上げられました。ハード面では、堤防のかさ上げや拡幅、河道の掘削などを行い、豪雨が発生しても、同様の被害を出さないようにするための対策が講じられました。このプロジェクトは2021年9月に完成しました。
 ソフト面では、流域地域から「マイ・タイムライン」を実施し始めました。マイ・タイムラインとは、住民一人ひとりの家族構成や生活環境にあわせて、いつ、誰が、何をするのかという“自分自身の防災行動計画”のことです。これが、災害時に逃げ遅れないための備えとなります。
 平成30年の“西日本豪雨”や令和元年の“東日本台風”、令和2年の“熊本豪雨”など、近年の豪雨災害では、いくつもの河川が同時多発的に氾濫し、堤防が相次いで決壊しています。特に、“東日本台風“では、久慈川水系、那珂川水系の本川、支流が氾濫し、大きな被害が発生しました。
 こうした災害を教訓として、地域の上流から下流までの特徴に応じた施策を切れ目なく実施する「流域治水プロジェクト」が今、進められています。
 この「流域治水」の全国展開は公明党の政策そのものです。そして、鬼怒川水害の1ヶ月後に就任して、災害復旧の指揮を執った石井啓一国交大臣(現公明党事長)のリーダーシップが大きかったといえます。
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9月16日は「治水の日」/カスリーン台風禍から75年


 きょう9月16日は、「治水の日」です。75年前(1947年)の9月15日、関東地方東岸を通過したカスリーン台風により利根川本流が決壊し、未曽有の大水害がもたらされました。この教訓を後世に語り継ぎ、冶水事業の重要性の教訓を後世に語り継要性を広く知ってもらうことが「治水の日」の意義です。
 カスリーン台風は、房総半島南端を通過し関東東北地方に多くの被害をもたらしました。埼玉県熊谷での降水量は、約618mm、秩父では約610mmという豪雨を記録しました。利根川上流域赤城山を中心とする山地一帯は土砂流出がおびただしく、甚大な被害が発生しました。各河川で氾濫が起こる中、利根川本川でも埼玉県加須市(当時:東村)と茨城県坂東市(中川村)で決壊しました。
 カスリーン台風による被害は、関東地方で家屋浸水約30万3160棟、家屋の倒壊・半壊約1万3381棟、死者1100人。カスリーン広場に設置された「決壊口跡の碑」には「この国土に住む限り治水を疎かにしてはならない」「我々に続く河川工事関係者に不断の努力を切望」など決意文が刻印されています。
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日立平和通りのサクラ、植え替えが進む


 日立市のシンボルである平和通りの桜並木を次の世代に引き継いでいくため、衰弱して枯れてしまう危険が迫っているソメイヨシノを、順次、ソメイヨシノの若木に植え替えていく事業が進んでいます。
 2022年度は、8本の弱ったサクラが伐採されました。植えられている間隔を調整するため、5本の若木が植樹されます。
 「日本さくら名所100選」に選定されている日立市平和通りのサクラ並木。植樹から70年が経過し樹勢の衰えが目立つことから、日立市は昨年度、サクラの更新費用に充てるため、初めてクラウドファンディングに取り組みました。
 2021年6月14日から募集を開始し、30日までの約2週間で目標額の400万円に対して、6倍以上の2503万円が集まりました。
 このクラウドファンディングは、今年も行われ2600万円が集まりました。続きを読む

日立市が日立SC(旧イトーヨーカドー)の土地・建物を取得

日立SC
現在までの経緯
  • 日立駅前開発事業の核として、平成3年10月にオープンした日立ショッピングセンター(日立SC)は、イトーヨーカドー日立店を核店舗として、約30年にわたり営業を続けてきました。しかし、日立市の人口減少や郊外型店舗の拡大により、売上や客数は減少し、令和4年1月16日、イトーヨーカドー日立店は閉店しました。それ以降、日立SCの地下から3階までが空き床となっています。
  • 日立市の玄関口である駅前地区の空洞化を防ぐため、日立市としては後継テナントの誘致活動を進めるとともに、集客イベントや期間限定ショップの運営等を支援していました。
  • こうした中、令和4年2月に土地・建物を所有する三菱UFJ信託銀行から、日立SC本館、ピタッチ館および立体駐車場の土地ならびに建物を一括して、日立市に売却したいという意向が示されました。なお、銀行側は、日立市が取得しない場合、第三者に売却を進める以降です。
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人間の尊厳を守る社会へ/慶応義塾大学経済学部・井手英策教授の講演から

ベーシックサービス3つのポイント
 教育、医療、介護など人間が生きていく上で不可欠なサービスを無償化する「ベーシック・サービス」論などについて、公明党の青年委員会と地方議会局は2022年8月20日、党本部と都道府県本部の議員らをオンラインで結んで勉強会を開催しました。これには、講師としてベーシック・サービスの提唱者である慶応義塾大学経済学部の井手英策教授が招かれました。その講演要旨を公明新聞2022年8月25日付け記事より紹介します。

■(ベーシック・サービス)教育・医療・介護など無償化めざす/弱者だけでなく全ての人に
 井手英策教授が提唱する「ベーシック・サービス」には、三つのポイントがあります。その第一は、給付対象はあくまでサービスであるということ。食料や住まいなどの財を全国民に直接給付する社会主義とは違います。
 第二に人口減少と経済の長期低迷で豊富な税収が当てにできない中、給付するサービスは、人間が生きていく上で不可欠な基礎的なものに絞り込むことです。
 そして、そのサービスの提供にかんしては所得制限は設けず、全ての人を対象にするのが三つ目のポイントです。
 国際調査によると、私たちは弱い立場に置かれた人に対し異様なほど無関心なことが明らかです。給付や課税による再分配で所得格差を小さくする財政の力も、日本は経済協力開発機構(OECD)諸国の中で最低レベルとなっています。
 ただし、格差の有無が問題の本質ではありません。所得にかかわらず、全ての人がサービスを利用できる社会をつくり、皆が平等に競争に加われれば、その結果、生じる格差は受け入れられるものに近づいていくと考えます。
 人を助けることは大切ですが、人から助けられることによって、その人の心の中に屈辱が刻み込まれることに留意しなければなりません。世の中にはたくさんの落とし穴があって、運悪く落ちた人に「かわいそう」と言って救いの手を差し伸べる社会が正しいとは思いません。穴を一つ一つ埋め、誰も落ちない社会をつくる――それが人間の知恵の使い方であると思います。
 だから「弱者を助ける」ではなく「弱者を生まない」との発想が重要だと主張してきました。
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令和4年8月豪雨/新潟県村上市、関川村を視察

村上市のハザードマップ
 8月20日、新潟県村上市、関川村を訪問し、8月3日〜4日の線状降水帯による大雨被害の復旧状況を視察しました。長岡科学技術大学の木村悟隆先生、地元の富樫雅男市議会議員に同行していただきました。
 8月18日現在で新潟県の取りまとめによると、村上市の住宅被害は、全壊1、一部損壊4戸、床上浸水575戸、床下浸水797戸、合計1,377となっています。村上市では、被災した住宅の復旧作業が、多くのボランティアの支援も受けて進められていました。市では、被害住家の一次調査もほぼ終わり、り災証明書について、8月23日から順次、発行すると発表しています。

 この日は、被災住家が特に多かったJR坂町駅周辺、下鍜冶屋地区を重点的に視察しました。この地域は、村上市のハザードマップで確認すると、重点水防箇所に指定された河川があり、0.5m〜3mの浸水想定が見込まれていました。実際に、1.5m程度の浸水被害が、広い範囲で発生したようです。
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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
master@y-ide.com
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