公明、景気への配慮を要請し、見直し規定盛り込む
 自民、公明両党は12月15日、与党政策責任者会議を開き、2005年度与党税制改正大綱を決定しました。
 最大の焦点となっていた所得税と個人住民税の一定割合を差し引く定率減税については、2005年度の税制改正で5割縮減を決めました。具体的には所得税については2006年1月から現行20%を10%に、個人住民税については2006年6月から15%を7.5%に縮減します。
 その上で大綱には、公明党の主張を受け「今後の景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する」ことが明記された。
 来年度以降の縮減幅を巡っては、自民が5割の縮減、公明は景気への配慮から3割程度の縮減とするよう重ねて主張。議論は最後まで平行線をたどりました。与党間での協議を続けた結果、公明が(1)定率減税の縮減で生じる財源を年金財源に充てる(2)景気悪化の場合、減税廃止方針の見直しを大綱に明記する――ことを提案、自民側がこれを受け入れ、決着しました。
 税源移譲については、05年度に暫定的措置として所得譲与税により1兆1159億円の税源移譲を行うことになりました。具体的には都道府県へ5分の3、市町村(特別区含む)へ5分の2を譲与します。
 住宅税制では、耐震基準を満たす良質な中古住宅市場をローン減税の対象に追加。マンションで25年、木造住宅で20年以内とする現行の築後年数要件は撤廃されます。
 環境税については、現時点での導入で両党間でも議論が分かれ、自民、公明両党間で今後、プロジェクトチームを設置し、検討を進める方針です。
 酒税の中で、いわゆる「第3のビール」への課税強化については見送り、現在、細分化している酒税体系の簡素化を図るなどの見直しを行い、06年度税制改正までに結論を得ることとになりました。
 中小企業やベンチャー企業の支援策として、ベンチャー企業に出資する個人投資家を優遇する「エンジェル税制」については適用期限を2年延長。金融・証券税制では、今年末で終わる特定口座への「タンス株」受け入れの延長を決めました。
 個人住民税のうち、65歳以上で前年の所得が125万円以下の高齢者の非課税見直しでは、公明が激変緩和を強く求めた結果、06年度分から3年間をかけて段階的に廃止されることになりました。
 与党政策責任者会議終了後の記者会見で、公明党の坂口税調会長は、円滑な経済運営がなされることで税源が生まれることから景気動向を十分見定めるべきと強調しました。その上で、少子高齢社会では社会保障財源をはじめ、多くの税源が必要となることから、「これから迎える少子高齢社会はどういう社会であるかをよく国民に説明しなければならない。その責任を果たすことで今回の税制改革の意義が完結される」と述べました。