元日の午後、愛犬の散歩もかねて日立電鉄の久慈浜駅付近を散策しました。
 日立電鉄線は、今年3月末をもって廃止が決まっています。通勤、通学の足として永年親しまれてきた鉄道の廃止に、存続を望む声は未だに鳴りやみません。
 新年を言祝ぐ松飾りが掲げられた駅舎に電車が滑り込む。そこに正月の晴れやかな雰囲気と廃線を迎える鉄道の哀愁のようなものをカメラに納めたい、そんな思いで駅舎に向かいました。
 しかし、その期待は一瞬で打ち砕かれました。駅には正月を象徴するものが、何もありません。「謹賀新年」の張り紙の一つもない空間に、正直唖然としました。
 40分ほど待って、やっときた電車から降りてきたのは、中学生くらいの子ども達のグループとカメラをもった鉄道ファンが3人。その一人が「結局、電車に愛情を持っていないのかな」と独り言。心に冷たい風が通り抜けました。
(写真は、2005年元旦の日立電鉄久慈浜駅)