YOMIURI ON-LINE / 社会環境省は、ヒ素中毒被害が発生した井戸の南東90メートル地点の地下約6メートルの地下水から環境基準の約3300倍もの有機ヒ素化合物を検出したと発表しました。これまでの調査では最高の濃度で、汚染原因の毒物が埋まっている可能性が強いとみて、掘削調査をすると発表しました。
茨城・神栖町の地下水から高濃度有機ヒ素化合物を検出
茨城県神栖町の井戸水から旧日本軍の毒ガスが原因とみられる有機ヒ素化合物が検出された問題で、環境省は17日、「井戸から90メートル地点の地下水から、環境基準の3300倍に当たる有機ヒ素化合物を検出した」と発表した。同省はこの付近に汚染源がある可能性が高いとして掘削調査することを決めた。
周辺住民に健康被害をもたらした毒ガス問題は、調査開始から9カ月を経てようやく汚染源の特定に向かいそうです。
神栖町での調査は、昨年5月から始まり、計90本のボーリングが行われました。今回の調査では、汚染された井戸から約10メートルの地点でも、地下30メートルの深さの地下水から、環境基準の1300〜2000倍の高濃度の有機ヒ素化合物を検出しています。
しかし、問題の地点で検出された3300倍の濃度は、ほかの地点に比べても明らかに突出しており、環境省は汚染原因の毒物が埋まっている可能性が高いと見ています。
今後、仮に毒ガス等が埋まっていても、周囲に拡散させないように掘り出す方法を慎重に検討して、原因物質の撤去を行う方針です。
<詳細記事:神栖町木崎の飲用井戸で高濃度ヒ素検出>