子ども達をめぐる殺傷事件や自然災害などが増加する中で、インターネット技術を活用して安全情報・防犯情報などを配信しようとする試みが、全国でスタートしています。
「つくばスまっぷ構想」スタート・危険個所をHP地図に登録
 茨城県つくば市では、「つくばスマートコリドール構想推進協議会」(代表幹事・橋本昌知事)が、通学路の危険箇所などの情報をインターネット上の地図に表示するシステム「つくばスまっぷ構想」の実証実験を開始しました。
 「ふくろうサイト」と銘打たれたインターネットサイトは、小学校区の通学路での危険箇所等の“まち情報”を、子供たちと学校・家庭・地域住民とが、地図を使って共有し、通学路を含めた街の安全確保、地域活動を促進させることが目的です。
 まず、つくば市立竹園西小学校(谷村安子校長)で実験がスタートしました。竹園西小PTA校外生活委員会(寺田真里子委員長)が2004年4月に実施したアンケート調査をもとに、危険個所を登録してインターネット上に公開しました。
 ホームページ上には、交通・不審者・遊び場・いきものなどのようにジャンル分けされ、●通学途中に車やバイクにひやりとした、●路上駐車が多い、●不審者が出没した、●危険な遊び場がある、●街灯が暗い、●スズメバチがいる....などの危険情報を、子供たちや保護者から収集し、危険を感じた場所を登録します。
 地図上の危険個所をクリックすると、具体的にどのような危険があったか表示され、「急に車道に飛び出さない」などの対策が表示される仕組みになっています。
参考:「スまっぷ」のホームページ「ふくろうさいと」
携帯メールを活用したシステム作りも活発
 各地で明帯電話のメール機能を活用した、防犯情報などの配信実験が行われています。
 新潟県の上越市では、昨年12月より「安全メール配信実験」を行っています。
安全メール配信実験 上越市(asahi.com MyTown 新潟・2005/2/2)
 災害、犯罪の情報を、希望者のパソコンや携帯電話にメールで配信する「安全メール」事業の実験を上越市が行っている。市内では昨秋、クマの目撃情報が数件あったほか、1月下旬、不審者による小学生への「声かけ」も相次いだ。利用者が不審者や事故の情報を登録できるシステムも今月中旬に始める予定だ。(中略)
 利用できるのは市民や市内への通勤・通学者で、申し込みは市役所や各区の総合事務所で。メール受信時の通信料は利用者が負担する。問い合わせは同課(025-526-5111)へ。

 また、各学校単位や教育委員会単位で様々な試みが行われているようです。
 インターネット上で検索すると、愛知県大口町大口西小学校の事例がヒットしました。開設の趣旨には、「本校の緊急連絡情報やこうした学校周辺地域の治安情報を、保護者の方々にも素早くお伝えするため、メールによる携帯電話等への情報配信を始めることにいたしました」とあります。実験の結果、「メールの着信時刻にばらつきがあることがわかりましたので、ただいま携帯電話会社と調査を進めております」との貴重な実証試験結果も掲載されています。
 自らの地域の安全は、自分たちで守るという基本を踏まえ、効率的で効果の上がるシステム作りが進むことを期待します。
参考:上越市の安全メール配信実験
参考:愛知県大口町大口西小学校